運命の桃花~宸汐縁~第8話 目覚めた魔君

第8話 目覚めた魔君運命の桃花

運命の桃花 第8話 あらすじ

山霊さんれい界の国主・翎月れいげつには養女・宝青ほうせいがいる。宝青は結婚相手に景休けいきゅうの名を挙げた。翎月が景休だけはだめだと言うと、宝青は不機嫌に立ち去った。桃林に帰った霊汐れいせきは、承晏しょうあんから灰になった物さえ元に戻せるという神器・水月鼎すいげつていについての話を聞き、薬作りの道具をもって扶雲殿ふうんでんに帰った。九宸きゅうしん幽都ゆうと山で魔君まくんと話した…。

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運命の桃花 第8話 登場人物

霊汐桃林出身の丹鳥族の娘。九宸を目覚めさせた。扶雲殿の侍女になり九宸に仕えている。
九宸天族の戦神。神尊。5万年前に10万の天兵を見殺しにした疑惑を持たれている。
雲風上神。九宸の弟弟子。
十三扶雲殿の侍女。元は鮫人族の男だった。
花煙扶雲殿の侍女。元は人間だった。
青瑶薬王洞で働く霊汐の姉弟子。
承晏桃林に住む。楽伯の弟子。青瑶の弟
景休山霊界の国師。
翎月山霊界の国主。
紫光・方昇天雷神君の配下。

運命の桃花 第8話 詳しいあらすじ【ネタバレ有】

山霊さんれい界では、翎月れいげつが箱から黒い笛を取り出し、陌歓はくかんと過ごした日々を思い出していた。
そこに翎月の養女宝青ほうせいがやってきた。

最近翎月に食欲がなく外にも出ないと侍女に聞いて、心配して宝青ほうせいは来たそうだ。

「母は大丈夫だから安心して」
翎月が微笑んで言うと宝青は翎月に甘えた。

『実の娘が生きていたら、こんなふうに気遣ってくれるはず』
翎月は甘える宝青を見て思った。

翎月が宝青の縁談について話を向けてみると、宝青には誰か思う相手がいるようだ。

宝青ほうせい公主に慕われた優秀な青年は誰かしら。母が縁起のいい日を選んで、盛大な婚礼を執り行うわ」
翎月が笑顔で言うと、宝青は景休けいきゅうの名を挙げた。

「だめよ。あの者だけは承知できない」
翎月は顔色を変え、厳しく言った。

「なんで。景休さんは…」
「あの者は国師であなたは公主よ。立場をわきまえなさい」

「母上」
「出ていって」
宝青は立ち去った。

宝青が機嫌悪く立ち去るのを見たせきばあやは、翎月に何があったのか尋ねた。

景休けいきゅうに恋を」
「誠に?」
「この私でさえ、景休の腹は読めない。世間知らずで単純な宝青ほうせい景休けいきゅうの本心が分かるわけないわ」

翎月は宝青が親心を分かってくれるよう願った。

宝青が不機嫌に歩いていると、宮女2人が噂話をしていた。
宝青は立ち止まって噂を聞くことにした。

蘭児らんじさん、国主はひそかに公主と同じ年頃の女子おなごを捜してるとか」
「他でもない。実の娘をお捜しなの」

「公主は実の娘では?」
「あの方は国主に拾われてきたのよ。国主は娘を失ったあと、大岳たいがく国で神亀に出会った。その神亀に公主が乗ってて国主は連れ帰り育てたわけ」

「なるほど。それもまた縁ですね。公主は純真でかわいいから国主に気に入られた」

「純真ですって?ええ、確かに一見したところはそうね」
蘭児らんじさん、公主のことで他にも何か?」
「今に分かる。行きましょ」
2人は立ち去った。

宝青は激怒し、蘭児らんじについて調べるよう侍女に命じると森の中に向かった。

宝青が座った岩の前には亀の甲羅が鎖でつながれている。

「亀さん、母上が景休さんはだめだって。私は実の娘じゃないから?死んだ実の娘がまだ恋しいの?噂をしてた宮女たちも許せない。全員始末してやる」

宝青は話している。
亀の甲羅からは何の反応もない。

「お前もばかね。いつも逃げてばかりだから、私に縛りつけられた。もう死んで逃げられない」

宝青は怒りが収まらず、鳥を殺してうっぷんを晴らした。
宝青は死んだ鳥に石を投げ続けている。

「鳥たちはもう死んだぞ。まだ虐げる気か」
雲風うんほうが現れ宝青に声をかけた。

「何者よ」
「通りすがりだ」
「なら余計な口出しをせずに通りすぎて」

宝青は「フンッ」と言って雲風うんほうに背を向けた。

「近頃幽都ゆうと山に異変は?」
雲風は宝青に尋ねた。

「当然あるわ。あなたも宝探しに?」
宝青は笑顔で言った。

「宝探し?」
雲風は訝しんだ。

「ええ。幽都ゆうと山は魔君まくんが封印されてる所で、以前は魔気に覆われてた。でも最近魔気が薄れて害はないから誰でも入れる。ここは古戦場だからお宝がたくさんあるとか。行くなら急いだほうがいいわよ」

「本当か?」
「もちろん」
雲風は幽都ゆうと山に向かった。

幽都ゆうと山に雲風が着くと、魔気に覆われていた。
しかも黒装束2人が雲風の後をつけていた。

黒装束をやり過ごそうと雲風は岩陰に隠れた。

「どこへ行った」
「見つけないと殺される」
「もっと進むか」
「この先は魔気が濃い。進めば死ぬぞ」
雲風の後を追っていた2人は来た道を引き返した。

「小娘め。私をはめたな」
雲風は呟き、奥に進んだ。

魔気は薄れるどころか、逆に濃くなっていることに雲風は気付いた。

宝青は景休けいきゅうを訪ねたが、景休けいきゅうは忙しそうに書き物をしていて宝青の相手をしてくれなかった。
宝青が窓際に置かれた鉢植えを見ていると、鉢植えは宝青をかんだ。

「何なの、私をかむなんて」
景休けいきゅうは宝青を心配し側に来た。

「私の花だ」
景休は言った。

「どういう花なのよ」
「この“鬼藤きとう”は十万大じゅうばんだい山に生え血を養分にする。毒を出しており、それにあたれば激痛に苦しむ」

景休は鬼藤きとうに触っている。

「そんな危険な花は早く捨てて」
「この花は、相手が弱いと思えば攻撃する。だが己の生死が相手の考えしだいだと分かれば、永遠に服従する。時にこの痛みで生を実感することも必要だ。公主を傷つけた以上、燃やそう」
景休は話した。

「必要なら取っておいて」
話を聞いた宝青は景休けいきゅうに言った。

霊汐れいせき桃林とうりんに帰ると、承晏しょうあんが戦いを仕掛けて出迎えた。
霊汐れいせきは倒れ、心配して駆けつけた承晏しょうあんの顔に泥を塗った。
いつも承晏しょうあんが引っかかる手だ。

霊汐れいせき承晏しょうあん楽伯らくはくの行方を尋ねたが、承晏しょうあんは知らなかった。

「父さんは昔、“万物を復元できる神器がある”って、灰になった物さえ元に戻せるとか」
霊汐は承晏に話を振った。

水月鼎すいげつていだろ」
「そう。水月鼎すいげつていよ。どこにあるんだっけ?」

「南極仙洲せんしゅうだ。3つの形に変化する神器で、2つ目が水月鼎すいげつていさ。すごい神器だが、どうした」
「何でもない」

霊汐は承晏の話を聞きながら考えを巡らせている。

「本当か?ばか鳥、言い触らすなよ。これは南極仙洲せんしゅうの秘密で、かつて南極仙翁せんおうが酔って口を滑らせたんだ。南極仙翁せんおうは1万年もかけて水月鼎すいげつていを作ったが、まだあるじになれない。神器には知性があるから、自分で主を選ぶ。水月鼎すいげつていは誰を選ぶやら」
承晏は話した。

流雲りゅううん上仙の桃花餅とうかへいが食べたい」
おもむろに霊汐は言った。

「それで」
「もらってきてよ」
霊汐が可愛くねだると、承晏は出かけていった。

承晏が出かけると、霊汐は深刻な表情で家探しした。
霊汐は『散寒さんかん法』と書かれた本を見つけた。

扶雲殿ふうんでんでは九宸きゅうしん雲風うんほうの帰りを待っていた。
なかなか雲風うんほうは戻らない。

禁足の身で外に出られない九宸きゅうしんは、元神げんしんを離脱させ様子を見に行くことにした。

天宮では天雷てんらいが戦報を燃やした九宸への罰が軽すぎると天君に訴えていた。
天君は飛んでいく九宸きゅうしんの元神に気づいたが、見ぬふりをした。

幽都ゆうと山に着いた九宸は、魔君まくんの前に行った。

「九宸、また会ったな。お前が目覚められた以上、私も復活できる。私が出てきたら、お前と決着をつける」
青白く光り拍動する物体に魔君の顔が現れ話している。

「そんな機会はない」
九宸は言い、魔君に仙力を放った。

意気揚々と巾着を持って天宮に帰った霊汐は、南天門で方昇ほうしょう紫光しこうに出会い、あわてて巾着を背に隠した。

「待て。何者だ」
紫光しこうは霊汐を呼び止めた。

「扶雲殿の侍女です」
霊汐は答えて挨拶をした。

元神状態の九宸はちょうどその場に居合わせ、霊汐たちのやり取りを見守っている。

「こそこそと何か隠したな」
「ただのがらくた物です」

「がらくた物?ではなぜ隠す。怪しいな。見せろ」
紫光は霊汐から巾着を取り上げた。

「どれもただの私物にすぎません」
霊汐は頭を下げ返してくれるよう頼んだ。

「扶雲殿の者は信用できん」
紫光が言うと、方昇が巾着の中身を外に出した。

小さな巾着からは物がたくさん出てきた。
中身は小瓶や薬草など薬を作る道具のようで、『散寒さんかん法』の本もある。

霊汐は本を拾おうと手を伸ばした。
紫光は霊汐の手ごと本を踏みつけた。

「どんな宝かと思えば、誠にがらくただ」
紫光は言い、ぐりぐりと霊汐の手を踏みつけ立ち去った。

九宸は紫光に2度攻撃をしてから扶雲殿に帰った。

元神を離脱させると修為を消耗する。
戻った九宸は息切れを起こした。

「大事ないですか」
九宸の帰りを待っていた司命しめい開陽かいようは心配している。

「魔君は?」
司命は九宸に尋ねた。

「目覚めた」
九宸は静かに話した。

山霊さんれい界では、景休がの脈診を受けていた。

「国師の心の魔は一層強くなっています。国師は天賦の才能に恵まれており、上神の境地も間近です。ただ、今の境地に数百年もとどまっており進歩どころか後退している。強すぎる執念が心の魔になっているからです」
は話した。

「執念?執念があれば事を成せると聞いた」
「執念と執着は違います。仲昊ちゅうこうの手を借りて、縛霊淵ばくれいえんを開きたいのですか」

「お前は賢いな」
「あの一件からはるかな年月が過ぎました。垣渡えんとが生きていても、縛霊淵にいれば死者と変わりません。なぜこだわるのですか」

「人間は生きるためにあくせく働き、幸運な者だけが出世して志を遂げる。我らのような神は何を求める。長寿や権力、あるいは愛情だろうが私は違う。ただ思いのまま愉快に生きたい。よ、道理など説くな。立派な道理ほど聞きたくない」
景休はに言った。

「国主を疑わしく思うなら、直接尋ねてみては?」
は言った。

「あいまいなままでよい。真相を暴けば、どちらかが死ぬまで戦うしかなくなる。私としても国主を追い詰めたくない。私はなすべきことをやる」

「国師、もし国主が知ってあなたを止めたら?」
「止める?」

「根のない浮き草に居場所はないですし、山霊さんれい族はあなたや国主と一蓮托生です。国師、どうか いかなる時も、お父上の教えをお忘れなく」
は頭を下げた。

「私の父?」
景休がつぶやいた時、宝青ほうせいが人参の汁物をもってやってきて、は立ち去った。

景休はおいしいと言って汁物を食べ、国主の様子を宝青に尋ねた。

「私に構いたくないみたい。…景休さん、母上の実の娘が戻ってきたら私は邪魔者になる?」
宝青は景休けいきゅうに聞いた。

「実の娘はとうに亡くなった。我が山霊さんれい界の公主はあなたしかいない」

「でも母上の侍女が言ってた。母上は私と同年代の女子おなごを捜させてるって。つまり実の娘を捜してる」
宝青はうつむいた。

景休は5万年前のことを思い返していた。

景休は追われる翎月れいげつの下に馳せ参じた。

「子供をお願い。山際にいるわ」
翎月に言われ景休が山際に行くと、赤子の泣き声が聞こえた。

景休が赤子に近づこうとした時、崖崩れが起き赤子の上に岩が落ちた。
景休は報告に帰った。

「あの子供は生きていると?」
宝青を見送り部屋に1人になった景休は、呟いた。

河原で青瑶せいようが薬草が芽吹くのを待っていると、畢方ひっほうが飛んできた。

青瑶せいよう畢方ひっほうと戦いになった。
そこに雲風が駆けつけた。

「案ずるな。私が代わりに片づける」
雲風は青瑶に言い、畢方と戦った。

雲風が戦っている間に、青瑶は目的の薬草を摘んだ。

雲風は背中を畢方ひっほうに焼かれ衣に穴が開き顔にも煤がついたが、畢方を倒した。
雲風が青瑶を振り返ると、青瑶はすでにいなかった。

扶雲殿に戻った霊汐は、九宸の部屋を訪ねた。

「戻ったか。…外で何を?」
九宸は霊汐に声をかけた。

「散歩してました」
「行き先は?」
「薬王洞や上清境じょうせいきょう天池てんちです。逐日鳥ちくじつちょうを見ました」

逐日鳥ちくじつちょう?美しかったか」
「きれいでしたよ。全力でお天道様を追い火の玉のようでした」

「気性の荒い鳥だ。けがはないか?」
「はい。でも傷を負っても後悔しません」

「後悔しない?」
霊汐はうなずいた。

「羽根を拾いました」
「私は禁足中で、そなたは私の侍女だ。用がなければみだりに出歩くな」
「はい」

霊汐は自分の部屋を薬房にして、桃林にいた頃のように医術を学びたいと九宸に頼んだ。

「好きにせよ」
九宸は許可し、霊汐は顔を輝かせた。

薬王洞では、青瑶が散寒さんかん法の本を読みながら、薬を作っていた。
雲風はちょっと怒って青瑶を訪ねたが、薬王洞の童子に薬を作り始めたら会えないと言われ、出直すことにした。

扶雲殿では何度も爆発音が響き、驚いた小白しょうはくが駆けまわっていた。
霊汐が煤だらけの顔で部屋から這い出てきたところを十三と花煙かえんに助け起こされた。

「医術の研鑽じゃなくて神器を作ってるの?天雷神君には神火掌心雷しんかしょうしんらいがあるけど、その調子なら打ち負かせる」
十三は皮肉を言った。

「天宮で唯一の地仙だから焦ってるのね。でも無理はだめよ。なぜそれほど丹薬作りにこだわるの。あなたは大食いだから、私の師匠の鯨呑大法げいどんだいほうを修めたら?霊気に満ちた料理を毎日10卓分食べれば、2万年で天仙に昇格できる」

花煙は霊汐を慰めた。

霊汐は何も言わず部屋に戻り扉を閉めた。

「今言ってた鯨吞大法げいどんだいほうは私にぴったりね」
十三は花煙に言った。

「私もそう思うわ」
花煙は言い、鯨吞大法げいどんだいほうを十三に教えるため霊汐の部屋の前から立ち去った。

「なんて難しいの。諦めないから」
霊汐は『散寒さんかん法』のページをめくった…。

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感想

四次元ポケットのような霊汐の巾着いいな。
欲しい。

桃花シリーズの神仙の方々は物を小さくして持ち歩いていましたが、霊汐は小さくしたものを巾着に詰めて持ち歩いていたのでしょうか?
そうだとすると巾着は単なる巾着で、私が持っても普通の巾着でしかない。
どうなってるのか気になります。


霊汐が桃林に帰った目的は、水月鼎についての情報を聞くことと、九宸の薬を作るための道具・本を持ってくることだったようです。

水月鼎は「灰になった物さえ元に戻せる」と霊汐は言っていました。
そういえば、最近灰になった物があります。
元征の手紙です。

水月鼎があれば、元征の手紙を元に戻せるということでしょうか。
すごい神器のようです。

そして水月鼎をはじめ神器には知性があり、自分で主を選ぶそう。
初めて知りました。
水月鼎にはまだ主がいない…。ほぉ!

景休さんが分からない。
宝青のような可愛い女の子(性格は悪い様子)が憧れる存在だということが分かって、「へぇ!」となりました!

景休さんは”鬼藤”を服従させることに喜びを感じてる様子だし、見た目もスキンヘッドにタトゥーなのでSっぽいと思いました。
しかし直後に鬼藤にかまれる”痛みで生を実感する”とも言っています。
景休さんはSなのかMなのか。難しい問題だと思いました。

もともと嫌いだったけど、今回もっと紫光が嫌いになりました。
あいつだけはギャフンと言わせたい。
神尊が軽い攻撃をしてくれてちょっとクスっとしましたが、足りないです。

雲風上神が畢方に勝って爽やかに(?)振り返った時、青瑶さん消えてたの笑いました。
仙丹作りが爆発するような作業だとは思わなかったので、そこも笑いました。
青瑶さんも作ってくれてるけど、霊汐もお薬作り頑張って!

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