運命の桃花~宸汐縁~第55話 砕かれた命珠

第55話 砕かれた命珠運命の桃花

運命の桃花 第55話 あらすじ

霊汐れいせきと親子の対面を果たした直後、翎月れいげつ命珠めいじゅ景休けいきゅうに砕かれ、翎月は亡くなった。霊汐は青瑶せいようが判断するまで、翎月の死を信じようとしなかった。九宸は山霊界に駆け付け、霊汐を支えた。せきばあやも亡くなったことを知った九宸は景休を翎月殺しの黒幕と怪しんだが、証拠がなかった。九宸と霊汐は結婚の約束をした。山霊界では時期国主を巡る争いが勃発しつつあった。

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運命の桃花 第55話 登場人物

霊汐桃林出身の仙女。山霊界の国主・翎月が5万年前に生き別れた実の娘。
九宸天族の戦神。神尊。
景休山霊界の国師。翎月を殺すと決めた。
青瑶霊汐の姉弟子。薬王洞で働いている。
翎月山霊界の国主。霊汐の母。
石ばあや翎月の腹心の部下。
宝青翎月の養女。山霊界の公主。
花煙扶雲殿の侍女だったが、霊汐に助けられ侍女になった。
赤鷩景休の腹心の部下。

運命の桃花 第55話 詳しいあらすじ【ネタバレ有】

せきばあやは目覚めた翎月れいげつに経緯を話している。

「霊汐公主は紆余曲折の末に魔気を消し、今は天息宮てんそくきゅうで国主のお世話をなさってます。茶を運び、薬を煎じ、毎日付きっきりで一歩も離れません」

「まさか私にこんな日が待っていようとは。娘と相まみえる幸せを味わえるのね」
「幸せな日々はこれからです。今すぐ霊汐公主を呼んできましょう」

「やめて。私が目覚めたことは内密に」
「なぜ?」

翎月は黙っている。

「まさか…。国主、仲昊ちゅうこうから国主を救ったのは本当に国師なのですか」
せきばあやは少し考え、尋ねた。

「国師が救った?私が目覚めたと知れば、殺しに来るのはやつだろう」

翎月の寝殿に到着した景休けいきゅうは漂ってくるかおりをかいだ。

霊汐れいせきは薬を煎じ終え、小福しょうふくに手伝ってもらいながら準備していた。

景休、赤鷩せきべつ黒蚩こくし翎月れいげつの寝室にやってきた。

「お目覚めですか」

「計ったように来たわね」
翎月は寝台の上に座っていた。

「駆けつけるのは当然です。来るのが遅ければ、檻を介して話すことに」
「率直すぎる」

「一戦を交えた仲ゆえ取り繕うこともない」
「私を始末しに来たのね」

「不本意だがな。無念だ。私が国主を殺さねば、国主は私を殺す」
「お前が仲昊ちゅうこう縛霊淵ばくれいえんを開かせようと?」

「成り行きだ。意図せぬまま時勢に流されてしまった。縛霊淵を開くのは大逆罪だ。私は忠臣を排出した玄鳥げんちょう族の末裔である。知っておろう。父は謀反の罪を着せられ玄鳥げんちょう族は凋落の一途をたどった。あなたにこのやりきれぬ思いが分かるか」

「私を殺す気なら、なぜ目覚めるまで待った?」

「その理由をひと言で言い表すのは難しい。私にとっても望んだ結末ではないのだ。巫医ふいに命じたのは国主を昏睡させることのみ。永遠とも思えるほど長く夢に浸らせたかった。そうすれば過去の確執を捨て向き合えるやも。その時は…。あいにく愚策は見破られた」

翎月はあざ笑った。

「お前が、いつ私を国主と敬った?私という存在は、お前が野心をかなえるための単なる道具だった。そのことに気づくのが遅すぎた」

「約束に背いたことを?先に裏切ったのはあなたのほうだ。もうよい。過ぎたことだ。あなたは根が純粋なため腹の探り合いが不得手だ。ゆえに補佐するならあなただと思った」

垣渡えんとは私の父親なのよ。愛する夫の敵だとしても手を下せるわけがない。しかたない。こうなったら、もう無駄なあがきはしない。言い訳もしないわ。心残りなのは、やっと戻ってきた私の娘霊汐れいせきに会えないことよ。あと宝青ほうせいにも。娘たちは何も知らない。私が死んだあと傷つけるのは許さない」

「心優しき霊汐、無邪気な宝青。公主のことはより一層大切に扱う。そもそも国主が逝けば敵討ちは果たせる。心の闇は消え山霊さんれい界に平和が訪れよう」

「その言葉を忘れないで」

「翎月よ、私は前言を翻さない」
景休は翎月に向かって手を伸ばした。

翎月は右手に緑色の光を出現させた。

「なりません」
せきばあやは翎月に向かって叫んだ。

「この逆賊め。国主が命乞いをせねば一族と共に死んだはず。これまでの恩を忘れよくも…」
景休はせきばあやを気絶させた。

「こやつは国主に殉じねば」
景休は呟いた。

景休けいきゅう、悪行は長く続かない。いつかその報いを受けるわ」

「そんな日が来ても、あなたは見られぬ」

翎月は緑色に光る右手で、額から命珠めいじゅを取り出した。翎月れいげつ命珠めいじゅは炎のような橙色に輝いている。

景休は翎月から命珠めいじゅを受け取った。

「母上」
部屋の扉の外で、霊汐れいせきの声が聞こえ、景休も翎月れいげつも動きを止めた。

「霊汐なの?」
翎月は声をかけた。

翎月の声を聞いた霊汐れいせきは部屋に駆け入り翎月と互いを確かめ合い、抱きしめ合った。

「私の娘よ。母親らしいことは1つもできず、苦しめたわ」
「いいえちっとも。目覚めてくれただけで十分です」

「娘が帰ってきた」

「国主は目覚めたばかり。興奮なさってはお体に障ります。霊汐、国主の顔色がすぐれないようだ」

景休の言葉を聞いた霊汐れいせき翎月れいげつから離れ、脈を診た。

「脈がひどく乱れ、霊気が消耗してます。どこかに不調が?」

「大丈夫よ。心配ないわ」
翎月は微笑んだ。

「私より霊汐は>身を削りながら看病してくれたのでしょ。母を心配させるほど無理しないで。分かった?」
翎月は霊汐の手を取り言い聞かせた。

霊汐は涙を堪えながらうなずいた。

「霊汐、あね弟子に国主を診てもらっては?」
景休は言った。

「母上、あね弟子は私よりも医術に秀でてます。連れてくるので待っててもらえますか」

翎月はうなずいた。

「母上を頼んだわね」
霊汐は景休に翎月れいげつを託し、駆け出した。

霊汐れいせき
翎月が呼ぶと、霊汐は振り向き、景休は眉間に皺を寄せた。

「何か?」
「いいえ。気をつけて」

景休の表情は穏やかなものに戻った。

「すぐ戻ります」
霊汐は駆けて行った。

翎月は霊汐の出て行った方をずっと見つめていたが、景休の視線に気づき景休けいきゅうを見た。

「長き確執が終わりを告げる。公主と民のことは案ずるな。あなたに成り代わり幸せにしよう」

翎月は目をつむった。
景休は翎月の命珠めいじゅを握りつぶした。

翎月はガックリと力を失った。

宝青ほうせいの閉じこもる部屋の扉を、侍女が叩いている。

「公主、いつまで部屋に?国主を悼むため各部族の長が集まってます。霊汐公主もですよ。ずっと籠もったままではいられません。公主お願いです。出てきてください」
侍女は何度も扉を叩いている。

宝青は声を立てて泣き、耳をふさいでうずくまった。

「国師、霊汐公主が亡骸から離れず赤鷩せきべつ殿と一触即発の状態に」

黒蚩こくしは景休に報告した。

霊汐は寝台に横たわった翎月れいげつを見ている。

「出て行って。聞こえないの?…下がれ」
霊汐は声を荒げ、控えていた侍女たちを部屋から追い出した。

小福しょうふく花煙かえんはそばに控えたまま。

「何をなさるおつもりで?」
侍女達と入れ違いに赤鷩が入ってきた。

「そっちこそ」
「部族の長たちが弔問に来ているため、国主の亡骸を霊堂に移したく」

「母上は死んでない」
巫医ふいは…」

「やめて。母上を害した巫医ふいなど信じられるものですか」
霊汐は赤鷩をにらんだ。

「公主は養父楽伯らくはく仙医の教えを受け、素養はあるはず。生死の違いも分からぬのですか。霊気が尽き、脈は触れず息もないのに?」

「六界には仮死の薬がいくらでもある」

「さすがに無理が…」
「出ていって。早く」

霊汐の鋭い視線を受け、赤鷩は退出した。

赤鷩が景休けいきゅうの所に報告に行こうとすると、景休がやってきた。

「霊汐公主が邪魔を」
「ここで待て」

景休は部屋に入っていった。

「死者は帰らない。そう嘆くな」
景休は霊汐に声をかけた。

「最後に別れる時、母上は元気だったわ」
霊汐は翎月を見ている。

「国主は深手を負ったせいで神魂が離散したのだ。撮魂さっこんの術の障害だ。大量の丹薬でも心魂をつなぎ止められず、あっという間に息を引き取った。一目でもそなたに会えたことが、せめてもの救いだ」

「どこが?」
霊汐は皮肉な笑いを浮かべた。

「大臣たちが皆到着しておる。国主の葬儀を執り行わねばならない」
「青瑶さんに母を診てもらう。ここの巫医ふいは信じるに値しない」

「分かった。そなたに従おう」
景休は帰っていった。

花煙かえん、…青瑶さんは人間界にいる。言づてを残したけど事は一刻を争う。人間界まで捜しに行くよう承晏しょうあんに伝えて」

「分かった」

「母上が死ぬわけない。きっと裏があるはず。毒を盛られたか何かの陰謀か。私では見抜けないの」
霊汐は涙を堪えようと、顔をゆがめた。

「すぐに行ってくるから気を確かに持つのよ」
花煙かえんは出かけて行った。

花煙かえんの行き先は桃林でしょう」
「霊汐公主は国主の死を怪しんでおられる」
赤鷩と黒蚩こくしは景休に話した。

「疑うのも無理はない。気が済むまで調べるとよい」
景休は言った。

せきばあやの処分は?」

「忠実なる僕は主の後を追うものだ」

従極淵しょうきょくえんにいた九宸は知らせを受け、山霊界に駆け付け、霊汐を抱きしめた。

霊汐は九宸の腕の中で声を上げて泣いた。

眠ってしまった霊汐のそばに九宸はついている。

花煙かえん青瑶せいようが到着したことを小声で九宸に伝えた。

「けがでも毒でもなく。霊気が尽きたためお亡くなりに」
青瑶は診断結果を九宸に伝えた。

「それでも疑いは残る。方法はいくらでもあろう」
「そのとおりですが、証しがありません」

「国主に付き従っていた老女は今どこにいるのだ」
九宸はそばに控えていた花煙に尋ねた。

せきばあやのことですね。国主の逝去後、病に伏せってます」

「会おう」
花煙かえんが九宸をせきばあやの所へ案内していると、遺体を乗せた兵と小福しょうふくがやってきた。

死んだのはせきばあやで、原因は不明だと小福しょうふくは話した。

「血を吐いたと聞き賭けつけた時には、すでに冷たくなってました」

九宸はせきばあやのにかかっていた布をめくり顔を確かめた。

「誰に聞いた?」
九宸は小福しょうふくに尋ねた。
小福しょうふくは近くの兵を見た。

「今日訪ねた者は?」
九宸は兵に尋問した。

兵は黙っている。

「言え」
九宸は声を荒げた。

「赤鷩殿です」

九宸は景休の宮殿を訪ねた。

「何の真似かな」
景休は赤鷩と黒蚩こくしを引き連れ、中から出て来た。

「白状せよ」
九宸は景休を見た。

「何のことやら分からない」
「お前が国主を殺した」

「国主を殺した?どこに証しが?」
「口封じをしたろう」

「九宸戦神、ただの憶測で息巻くな。私が恐れると思ったか」
「証しなら見つけ出す」

「山霊界の勢力は天宮に及ばぬとしても、干渉される筋合いはない」
「いつまで虚言を弄せると?」

九宸と景休は舌戦をやめ、力でぶつかり合った。

「証しが見つかれば法の裁きにかける。私に殺されぬよう神妙にしておけ」
九宸は少し暴れると帰っていった。

花煙は目覚めた霊汐に九宸が景休けいきゅうのところへ行ったことを話した。

「相当お怒りのご様子でした」
花煙から話を聞いた霊汐が見にいこうとすると、九宸が帰ってきた。

九宸は花煙を下がらせた。

「国師を訪ねたの?」
霊汐は九宸に尋ねた。

「ああ。国主の死に関与している。青瑶医官の見立てでは、国主は霊気が尽きたため亡くなったそうだ」

「この前、母は回復すると言われたばかりよ。青瑶せいようさんを信じる。最後に会った時の母は、やつれてはいても死相はなかった。景休が控えてたから安心してそばを離れた。まさか私が去ってすぐあんなことに…。上神で、目端も利く景休けいきゅうの目をかいくぐり母に手出しできる者はいない。もしも母が誰かに殺されたとしたら、確かに景休が疑わしい」

縛霊淵ばくれいえん景休けいきゅうの腹心赤鷩せきべつに会ったが、様子がおかしかった。あの時国主を殺すつもりだったやも」

「初めて聞いた」

「そなたはごうを経たばかりで私を避けていた。聞き入れたと思えん」

赤鷩せきべつの様子がおかしくても、景休が黒幕とは限らない」

「用心深い景休は簡単に尻尾をつかませない。口封じも鮮やかだ」

「景休が殺したなら一体何のために?」

「霊汐、まずは国主の葬儀を執り行うべきだ」
九宸は霊汐を説得した。

「分かった。真相はいずれ暴いてみせる。娘としてできる唯一のことよ」

翎月の葬儀が執り行われ、翎月れいげつは冥府に送られた。

葬儀の後、霊汐は九宸の肩にもたれかかり、夜空を見ている。

「冥府ってどんな所?忘川河ぼうせんがという名の河が流れてるそうよ。死者がその河の水を飲むと、記憶を失うんですって。今頃、もしかしたら母上は河の水を飲んで私を忘れたかしら」

「霊汐」
九宸は霊汐の手を握った。

「私って本当に運が悪いわ。生まれてすぐ実の父親に死なれた。母とは5万年も離れ離れになりやっと会えても少し話しただけでお別れに」

「そなたは悪くない」

「そりゃそうよ。ただ運が悪いだけ」
霊汐は涙をぬぐった。

「もう行くの?」
霊汐は九宸を見た。

「共に帰ろう」
「次の国主が決まらず、山霊界は揺れてる。血生臭い争いが起こるかも。こんな時に去れないわ」

「また会いに来る。国主の死因を突き止めたら一緒になろう」
霊汐はうなずいた。

「母上は恨みを買うようなお方じゃないのに。誰が殺したの?昔のことは分からないから今後の動きを見るわ。母上が死んで国主の座が空いた。この機に乗じ、誰が後釜に座るのか見届けましょ」
霊汐は九宸の肩に頬を寄せた。

「部族の長は次の国主に国師を推しています。将たちも支持を」
赤鷩は景休に報告した。

「全員か」
「宝青公主に継がせる声も若干ございましたが、少数ゆえ握り潰しました」

「霊汐公主を推す者は?」

「もちろんおりません。山霊界に戻ってから日も浅く、正式な身分もありません。公に認められる前に国主は逝去を。こう言っては何ですが、あの方を公主と扱う者は国師の他におりません」
赤鷩は助けを求めるように黒蚩こくしを見た。

「弓に矢をつがえたなら放たねば。現状に満足せず上を目指すべきです」
黒蚩こくしは言った。

宝青は景休が翎月の命珠めいじゅを砕く場面を夢に見て、うなされ目覚めた。

元瞳げんどうは荒涼の地で修練していた。

「天は万物を生む。善があれば悪があり、正があれば邪がある。生があれば死があり、有があれば無がある。心の邪念とは、貪婪や憎悪や殺意であり、多くの罪業をもたらす。それが魔だ。お前は仙骨を失ったが、精気は残った。仙術は無理でも魔功は修練できよう」
元征の声が元瞳げんどうの中に響いている。

「もともと素質はあるゆえ、私が手助けすればすぐに会得できる。身を守れるようになれば旅立つがいい。新たな魔君を探しに行け」
魔君まくんの声が響き、元瞳げんどうは目を開いた。

元瞳の体からは黒い魔気が立ち上っていた。

「九宸が去りました」
赤鷩は景休に報告した。

「好き勝手に行き来しおって。この山霊さんれい界も見くびられたものよ」

「国主亡き今、霊汐公主も長居はしないでしょう」

「翎月国主は慈悲深く、父親の垣渡えんとよりも穏やかに領土を治めた。ゆえに山霊さんれい界は長きにわたり争いも少なく平和であった。翎月国主を失い、山霊界に再び血の雨が降るやもしれぬ」

凌霄殿りょうしょうでんでは、天君が九宸を呼び出し、今後の山霊さんれい界の見通しを話した。

「霊汐、近頃憂い顔だけど悩みでもあるの?」
青瑶は霊汐のそばについている。

「母を殺したのは国師だと九宸が疑ってる」
「国師を?」

「景休国師…」
霊汐の侍女としてそばにいる花煙は呟いた。

「神尊が疑念を抱くとすれば、訳あってのことよ」
青瑶は言った。

「分かってる。だけど景休国師は人間界でその身をなげうって私を守ってくれた。疑えない」

「そう言うってことは、疑ってる証しだわ」

「まさか。ありえない」
花煙は呟いた。

「花煙、何か意見でも?」
霊汐は花煙を見た。

「公主、青瑶医官、私は…その…。以前人間界で死劫を受けた公主のことを国師は己の命珠めいじゅで救おうとしたとか。見返りを求めず命まで差し出すなんて神尊にも劣らぬ愛です。そんな方が公主の母君を殺すでしょうか」

花煙は言った。

「人間界では覇権を巡り争いが繰り広げられる。親子、兄弟、夫婦でも互いに殺し合うわ。権力は最も危険な毒よ。一度溺れれば何でもできる」
青瑶は霊汐を見た。

「神尊もそう言った。誰が国主の座を狙うのか見ものだわ」

宝青の侍女が盗み聞きしていることに、霊汐は気付いた。

「お待ち。こそこそと何を?」
「特に何も。少し気分が悪くなっただけです」

「なら私が診てあげる」
霊汐は侍女の手首をつかんだ。

「霊汐公主のお手を煩わせるわけには…」
侍女は礼をした。

「誰が公主なの?記録にない名よ」
宝青がやってきて霊汐れいせきと対峙した。

「両親とも死地に送るなんて不吉な女だわ」
宝青は霊汐に言った。

「ずっと籠もってたのにどうしたの。葬儀では痩せ細ってたし寝込んでるかと思った。こんなに早く回復して毒舌を吐けるとは驚きよ」

「霊汐、無礼でしょ」
宝青は目を見開き叫んだ。

「いつ呼び捨てを許した?あなたは公主だろうけど、私も国主の娘よ。そして神位は私が上なの。上神である私に、たかが地仙の身で盾つく気?宝青、私はすぐに去る。母上の顔を立ててとがめないだけで恐れてなどいない。今度生意気な口を利けば容赦しないわよ」

霊汐は宝青の侍女を一瞥し、去っていった。

「役立たずは部屋で反省しなさい」
宝青は侍女に当たった。

「山霊界のことが天宮で議論されています。時期国主についてです。国師、一刻も早くご決断を。どうやら青鳥せいちょう族の長老嶸英こうえい白鳥はくちょう族の烈陽れつよう将軍が裏で動いています。鳳凰族の血が断たれたため野望を抱くのかと。国師、このままでは鳶に油揚げをさらわれます」

赤鷩は景休に報告し、国主になるよう説得した。

「鳳凰族の血か」
景休は呟いた。

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感想

景休さんが翎月れいげつを殺した理由は、約束を破って垣渡えんとを生かしていたから。

もともと夫を殺され父・垣渡に恨みを抱いた翎月と景休さんの利害が一致して2人は組み垣渡を廃し山霊さんれい界を治めて来た。

しかし垣渡えんとが生きていることが明らかになり、景休さんは約束を破った翎月に対する恨みを募らせた。景休さんの垣渡えんとに対する恨みが強すぎて、もうどうすることもできなかったんでしょう。

10万年以上生きてると、いろんなことがあるんだなぁと思いました。
でもできることなら翎月を生かしてほしかったなぁ。
霊汐が可哀想でした。

景休さんは宝青のことを無邪気だと思っていたと判明して、「ええええっっ!!!???」っとものすごく驚きました。

無邪気?宝青が!?
私には邪気に感じられます。(宝青は好きです)
宝青を無邪気と感じるのだとしたら、黙は天使です。女神さまです。納得です。
宝青が無邪気だとしたら、ほとんどの女性が天使です。

景休さんは宝青の妨害工作で女性と接する機会があまりないから宝青を無邪気と感じるのか!?
それとも宝青が景休さんの前でだけ作ってる姿を宝青だと思っているのか!?
めちゃくちゃ心が広くて宝青の本性を知った上で無邪気だと思っているのか!?
宝青に興味がなくて、宝青を知ろうとしていないのか!?

衝撃的な言葉でした。「無邪気な宝青」

霊汐と宝青の直接対決は、素錦と白浅の対決をほうふつとさせました。
身分でマウント取ってくるやつには、身分でマウント取るのが一番効く。
霊汐は分かってる女だと思いました。

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感想(0件)

コメント

  1. Sara より:

    初めまして!!
    こちらのサイトを発見しまして、いたく感動しています!
    みょんさんの情熱に脱帽です!!!
    (私もブログ内でセリフの一部を書きとる作業をしましたが、大変な労力でした)

    運命の桃花、もう少しで終わりですね。(ロスにならないかちょっと心配・・)

    景休さんについては、すべてを知った上での“無邪気”ではないでしょうか?!
    だってどの回か忘れたけれど、「宝青は傲慢な性格だから見守っておけ」みたいなセリフなかったですか??

    要するに景休さんにとって宝青は、好き嫌いさえも超えたどうでもいい存在なのではないでしょうか?(ちょっとかわいそう(^^;)

    でも景休さんの本性を知った宝青の気持ちがどう変化するのか見ものですね!

    • みょんみょん より:

      初めまして!!
      誉めてくださって、ありがとうございます!
      運命の桃花終わっちゃうの寂しいですね。

      景休さんの考察、さすがです。
      私はブログに書いているにもかかわらず、すぐに忘れてしまうので、教えていただいて新たな発見ができました!
      見返す時の参考にさせていただきます!
      ありがとうございました。

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