運命の桃花~宸汐縁~第53話 心の戸惑い

第53話 心の戸惑い運命の桃花

運命の桃花 第53話 あらすじ

九宸きゅうしん霊汐れいせきに会うため山霊さんれい界に向かったが、霊汐は会わず桃林に逃げた。花煙かえん攢心釘さんしんていを盗んだのは自分だと告白したが、黒幕の名は決して言おうとしなかった。花煙は荒涼の地に流罪になった。九宸からの文で事情を知った霊汐は花煙を助け天息宮てんそくきゅうに連れ帰り、自分の侍女にした。花煙は景休が山霊界の国師だと知った。

ギフトはおまかせ!【サンクゼール&久世福商店オンラインショップ】



運命の桃花 第53話 登場人物

霊汐桃林出身の仙女。山霊界の国主・翎月が5万年前に生き別れた実の娘。
九宸天族の戦神。神尊。
景休山霊界の国師。花煙に鑚心釘を盗むよう命じた。
青瑶霊汐の姉弟子。薬王洞で働いている。
承晏青瑶の弟。
十三元は鮫人族の男だった。扶雲殿の侍女。
花煙元は人間だった。扶雲殿の侍女。景休の命で鑚心釘を盗んだ。
桑南青瑶が5万年前人間界で劫を受けていた時、夫だった。

運命の桃花 第53話 詳しいあらすじ【ネタバレ有】

扶雲殿ふうんでんでは、十三が霊汐の部屋で衣を引っ張り出している。

十三じゅうさん…何を?」
九宸は声をかけた。

「片付けてます。霊汐れいせき山霊さんれい界の公主になったから、残した物を持って行こうと」

「続けよ」
九宸は命じた。

女子おなごって厄介よね。こんなに衣がある」
片付けながら十三がぼやくのを聞いて、九宸はなにやら思いついた様子。

十三が荷物をまとめ終えると、九宸が再びやってきた。

「多いな」

「住んでたのは短い間なのに私物が多すぎます。鳥は巣作りのため物をため込むと聞いたけど、確かにそうですね」

「そなただけで持てるか?」
九宸は聞いた。

「持てますよ。この私を誰だと?混金鎲こんきんとうを操る十三ですよ。こんなの朝飯前です」

「最近修練の方法に誤りが」
「誤りって?」

「身ごなしだ」
「身…」

「ゆえに筋骨を痛めている」
九宸は言った。

「痛めてません」
「私の言葉を疑うのか?」

「どこも痛くない」
十三は首をかしげている。

中極ちゅうきょく巨闕こけつのつぼが痛まぬか?」

「いいえ」

「試してみよ」

十三が荷物を持つのに合わせ、九宸は十三を攻撃した。

「急におなかが…」
十三は腹を押さえた。

「痛いな?」
「痛いです。私は死ぬんですか?」

「死にはしない。よく休めば治る。だが気をつけよ」
「何を?」

「重い物を持ってはいかん」
「はい」

「では山霊さんれい界へ行くがいい」
「それは今度に」

「なぜだ」
「体を痛めたので休みます」

「外に出れば気が晴れ体にもよいぞ」

「本当に?そうですか。いい方法が」
少し考え、十三じゅうさんは二階から指輪ほどの大きさの神器・乾坤戒けんこんかいを持ってきた。

十三が司命殿から持ってきたそうだ。

乾坤戒を使うと、まとめた荷物が乾坤戒の中に入った。

「これで軽々と山霊界へ行けます」
十三は微笑んだ。

「神器にがらくたを入れるのは惜しい。誰かの手を借りては?」

「いけません。花煙かえんを連れていくと侍女がいなくなるし、ご不便でしょう。すぐ戻ります」

九宸は一緒に山霊さんれい界に行くのはもう無理だと悟り立ち去った。

司命が九宸を訪ねて来た。

攢心釘さんしんていを盗んだ者はまだ見つかりません。天雷真君てんらいしんくんめいで各宮殿の侍女を集め霊宝仙尊れいほうせんそんのもとで審問を行うとか…」

九宸は司命を見つめていた。

「私の顔に何かついていますか?」

「お前は神器が豊富なのだな」
九宸はそれだけ言うと立ち去った。

司命は十三と天宮を歩いている。

「あの日だが、そなたは司命殿にいたと天雷真君てんらいしんくんに報告しておいた。神尊は機嫌が悪いようだな」

「そう?私は気づかなかった」
「だろうな。霊汐れいせきはわだかまりを持ち山霊界へ行ったままだ。いくら神尊でも用もなく山霊界へ行けない。全て解決したのに肝心の霊汐がいない。神尊のお心も晴れるわけがないさ。霊汐れいせきは頑固だし、神尊は平静を装っている。こんな時、雲風上神がいればいいのに」

「まずい」
さすがの十三も司命の話を聞いて気付き、来た道を走って戻った。

十三は霊汐の荷物を持ち、九宸の所へ行った。

「神尊、山霊界へ行きます。霊汐に会いに。司命しめいに乾坤戒を取り上げられたので、私はその…。痛い」

十三は混金鎲こんきんとうに下げて肩に担いでいた荷物を落とし、ひと芝居打った。

「体を痛めたのでこんなに持てません。一緒に行ってください」
十三は頼んだが、九宸はへそを曲げていて部屋に閉じこもってしまった。

十三は仕方なく荷物を肩に担ぎ、とぼとぼと歩きだした。

十三じゅうさん、どうしたの。悲しそう」
花煙かえんは十三に声をかけた。

「きっと東海とうかいへ帰される」
十三は泣き出しそうだ。

「なぜ?」

「神尊を怒らせたから追い出される。どうしよう。司命と離れ離れよ。私に会いたくても司命は忙しいし来られない」

「追い出すって…考え過ぎよ」
「分かってない」
十三は泣きながら出かけて行った。

十三がとぼとぼと南天門から出ると、九宸が待っていた。

「遅すぎる」
「神尊?」

「行くぞ」
「どこへ?」

「山霊界へ行かぬのか?」
「結局行くんだ」

「よすか?」
「行きます」
十三は笑顔を取り戻した。

「私は体を壊してます」
十三は全ての荷物を九宸に渡し、2人で山霊界に向かった。

霊汐れいせき青瑶せいようが治療法を捜している間、ずっと起きて翎月れいげつのそばにいた。

そこに十三と九宸が訪ねて来たとの報告が入った。

「公主からの伝言です。国主の看病に忙しく会えぬそうです。それから…。…おもてなしもできぬゆえお引き取り願いたいと。いずれ自ら訪問なさるそうです」

霊汐の伝言を持ち帰った小福は、申し訳なさそうに十三と九宸に霊汐の言葉を伝えた。

「風に乗って帰れるか?」
伝言を聞いた九宸きゅうしんは、十三に聞いた。

十三は意図が分からず首をかしげている。

「体を痛め仙力も消耗しているではないか」
九宸は促した。

「そうなのよ。修練で体を痛めてね。だから…仙力を使えなくて、今日は帰れないわ」
九宸の鋭い視線が飛んだ。

「今日だけじゃない。あと3日ほどは…。10日ほど帰れない」
十三は九宸の顔色をうかがいながら日にちを延ばした。

「そうなのだ。悪いが客間を用意してくれ。無理は禁物ゆえよく休ませてやりたい」
小福は困っている。

「この天息宮てんそくきゅうは客間もないのか?縛霊淵ばくれいえんから国主を救い出したのは私である。無礼ではないか」

「お待ちください。すぐ用意させます」
小福は折れた。

「帰った?」
霊汐は小福に尋ねた。

「いいえ」
「まだいるの?」

「帰らぬどころか、しばらく泊まると。もしや公主は戦神の恨みでも買ったとか?公主に会うまでは帰らぬようです」

話を聞いた霊汐れいせき桃林とうりんに向かった。

「どうやら公主は戦神を怒らせたのね」
小福は呟いた。

赤鷩は、霊汐の所に九宸きゅうしんが訪ねてきたが、霊汐は出かけたと景休けいきゅうに報告した。

霊汐が九宸と会わなかったと聞いた景休は、赤鷩を退出させると独り微笑んだ。

十三は九宸に、霊汐が急な用で桃林に帰ったと報告した。

「戻って来ぬ気か」
九宸は呟き腕を組んだ。

桃林では霊汐れいせき青瑶せいようと承晏が集まっている。

「神尊が来たからうろたえたようね」
青瑶は言った。

「違うわよ」
「でも度胸があるのね。神尊に帰れなどと誰にも言えないわ」

「強気なわけじゃなく、怖くて会えないの」

「意気地なしだな」
承晏は言った。

「昨日天宮へ行くと、妙な話を聞いた」
「どんな?」

げん家に魔族の間者が忍び込み、攢心釘さんしんていを奪って姿をくらましたとか。間者は侍女らしく、天雷真君てんらいしんくんが捜索を」

「魔族の間者が忍び込んだ?」
「そうらしい」

「魔君は死んだのに?」
霊汐は顔色を変えた。

「でも魔族は滅びていない。魔君は無二の存在じゃないんだ。九宸は4代目の戦神だが、魔君も同じだ」
承晏は教えた。

「魔族は縛霊淵の底の魔界にいるけど、魔君は魔族に限らない。善良なら修練を積み神仙になれたものを。無支むしきは邪道に入り4代目の魔君になった。時に善悪は紙一重の差と言える。神仙になるか魔になるか、己の心しだいよ」

青瑶は語った。

「では新たな魔君が現れるってこと?」
話を聞き、霊汐は青瑶に尋ねた。

「ありうるけど容易には生まれない。上古から数え無支むしきでまだ4代目だもの」

「ならよかった」
霊汐は安堵のため息をついた。

「心配そうだけど、誰を案じてるの」

「九宸に決まってるだろ」
承晏が答えた。

「ばか鳥、心配ならさっさと天宮へ行け」
承晏は霊汐に言った。

「黙って」
霊汐は承晏を睨んだ。

「やつは腐っても戦神だ。魔君が束になって来ても死ぬもんか」

「青瑶さん、聞いた?」
霊汐は青瑶に助けを求めた。

「やめて大人げないわ」

青瑶が霊汐に加勢し、承晏は形勢不利となった。

そこに花蓼かりくが現れた。

「誰なの」
霊汐は花蓼かりくと初めて対面した。

「蓼の花の精よ」
花蓼かりくは元気よく答えた。

「蓼の花が妖精に?」
花蓼かりくはうなずいた。

「今まで誰にも摘まれずに?」
花蓼かりくは考え込んでいる。

「もう摘まれたわ」
青瑶は承晏を見て、全員の視線が承晏に集まった。

「さっさとうせろ」

承晏は花蓼かりくとじゃれながら去っていった。

方昇ほうしょう攢心釘さんしんていを盗んだ犯人が花煙かえんであると天雷に報告した。

「花煙だと?」
天雷は方昇ほうしょうに確認した。

「扶雲殿の侍女です。かつて人間でしたが修練を積み、仙女となってから後宮や万霊苑ばんれいえんで働いていました。戦神の復活後は扶雲殿に仕えています」

方昇は花煙かえんについて説明した。

花煙かえんが盗んだと?」

「調べたところ攢心釘さんしんていが盗まれた夜、天宮を出ていたのは花煙のみです。事の真相は、花煙を捕らえて聞けば分かります」

方昇は揖礼ゆうれいした。

「もし口を割らねば、捜神そうしんの術を使うしかありませんが、神魂を損なう術ゆえまずは戦神に…」

紫光しこうの言葉を方昇ほうしょうは止めた。

「我々は務めを遂行するのみ。九宸とて了見の狭い男ではない。もし口を割らぬなら徹底的に調べる。…明朝ここに花煙を連れてくるのだ。だが尋問を行うまで手荒な真似はせぬように」

天雷は命じた。

花煙は天雷の前に連れてこられた。

「私の問いに正直に答えよ。…もし偽りを申せば尋問の手段はいくらでもあるぞ」

「申し上げます。攢心釘さんしんていを盗んだのは私です」

花煙は天雷が下問するより先に罪を告白した。

桃林とうりんに泊まった霊汐は早朝の桃林を散歩していた。

「よく眠れた?」
青瑶は霊汐を見かけ、声をかけた。

「久しぶりにぐっすり眠れたわ」
霊汐は微笑んだ。

「でも神尊はよく眠れないでしょうね。もう気が済んだ?あなたの考えは決して悪くない。修練に励むのもいいし人間界で遊ぶのもいいわ。でもなぜ神尊とじかに話さないの?あなたの母上はまだ目覚めないし、付き添うのは当然のことよ。ならば逃げずにそう話せばいい。霊汐、あなたと神尊は共に乗り越え安寧を得た。だから今を大切にして。私のように失ってから後悔してもいいの?」

青瑶は霊汐を説得した。

「よく分かったわ」
霊汐は青瑶の手を取った。

「じゃあ早く帰って。お母上の薬ができたら届けてあげる」

霊汐は山霊界に帰っていった。

青瑶が家に帰ると、寝起きの承晏が家から出てきた。
青瑶は霊汐が山霊界に帰ったことを承晏に話した。

「でも九宸から逃げてきたはずじゃ…」

「逃げたのは神尊が好きだからよ。心を決めて帰っていった」

「だけど…」
承晏は俯き言葉を失った。

「あなたの気持ちはよく分かってる。でもかなわぬことよ。身近な者に目をやったらどう?」

青瑶の視線の先には蓼の花があった。

開陽かいようは山霊界にやってきて、花煙かえんのことを九宸に報告した。

花煙かえん紫雲台しうんだい普化ふかの詮議を受けていると、九宸と十三がやってきた。

十三はぐったりとうずくまる花煙に駆けよった。

「私は天君のめいにより怪しき者を捕らえた。それに何か不服でも?」
天雷は九宸に言った。

花煙かえんは私の侍女で、攢心釘さんしんていは天族の神器ゆえ尋問を見に来たまで。続けられよ」

九宸が言うと、天雷と普化ふかはほっとした表情を見せた。

捜神そうしんの術を使ったものの、思いのほか神魂が強く耐えています。再び使えば神魂が砕け散るでしょう」

普化ふかは状況を話した。

「だったらやめて」
十三じゅうさんは叫んだ。

「なぜ拷問ではなく、わざわざ捜神そうしんの術を?」
九宸は尋ねた。

「実はこの小仙は雷首宮らいしゅきゅうであっさり認めたのです。己が鑚心釘を盗んだと。この者は魔に惑わされ仲昊ちゅうこうのために盗んだと言うのですが、問心鏡もんしんきょうで探っても少しの魔気も感じぬのです」
普化ふかは話した。

花煙かえんが盗むわけない。自白を強要されても認めちゃだめよ。死罪にされるわ」

十三は白い顔をした花煙に語り掛けた。

「自ら認めるなら術を使うことはない」
九宸は言った。

「私が指示した。こやつは罪を認めたが、凶悪な者とは思えん。きっと何か隠しておる。恐らく誰かをかばうため進んで罪を着たのだろう。戦神、そなたのことではない。こやつは人間界から来た。人間界で誰と会い、天界で何者と接触したか知らねばならん」

天雷は説明した。

霊汐れいせきが山霊界に帰ると、九宸はすでに天界に帰った後だった。

九宸は花煙かえんを扶雲殿に連れて帰った。十三は側で花煙かえんを見守っている。

「神尊に偽りは申せません」

九宸は花煙かえんを尋問したが、花煙は叩頭し、口を閉ざした。

仲昊ちゅうこうの手先になったと白状しながら、改めて聞くと私に偽れぬと言う。仲昊とは無関係という証しだ。誰をかばっている?そなたから魔気は感じない。魔と関りはない。申してみよ。誰に指示された?」

「全ては私の過ちです。罰を受けます」
花煙かえんは言った。

「全てを担いきれるとでも?そなたを動かした者は縛霊淵ばくれいえんを開こうとした。それほど凶悪な者を必死にかばおうとするのは悪に加担することになる。拒んでも無駄だ。私が口を割らせる。捜神そうしんの術に耐えられても、私にあらがえると思うな」

九宸は厳しい表情で言い、十三は腰を浮かせた。

「まだ言わぬか」

捜神そうしんの術だけはご容赦ください」

花煙かえんは自害しようと短刀を振り上げたが、九宸が阻止した。

「ばかなことを。命を捨てても守りたいのは誰よ?」
十三は花煙に聞いた。

「神尊。神尊の教えにも背き、大罪を犯しました。でも恩ある方の名は、たとえ死んでも決して言えないのです。どうかご理解を。あの方は悪者ではありません」
花煙は泣きながら懇願した。

「もうよい。そなたは長年の修練と劫を経て仙女になったが、天雷神君は荒涼の地への流罪を決めた。かの地は極寒で妖怪がひしめく。言いたくないなら無理には聞かぬ。流罪を受けよ」

「はい。ありがたく罰を受けます。神尊に感謝します」

花煙は九宸に揖礼ゆうれいした。

花煙の身柄は紫光しこうに連れられ、赤鷩せきべつに引き渡された。

「国師、到着しました。どうします。人間界へ送りますか?」
赤鷩せきべつは景休に指示を仰いだ。

「天族が流罪と決めたのだ。しばらく荒涼の地に捨て置け」
景休は命じた。

「花煙は赤鷩せきべつ将軍に引き渡されました」
開陽かいようは九宸に報告した。

「このふみ霊汐れいせきに届けよ」
報告を聞いた九宸は書をしたため、開陽かいように託した。

荒涼の地に送られた花煙は撼山かんさん族に襲われ逃げていたが転び、追い詰められた。
そこに霊汐が飛んできて、花煙を助けた。

霊汐は花煙を自分の部屋に連れ帰った。

「言って。本当に魔族と結託したの?」
霊汐は花煙に尋ねた。

「私は…。その…」
花煙は言わない。

「共に働いた仲よ。あなたの善良さは知ってる。一体誰に指示されたの?」

「何も言えないの。天宮でも、ここでも言えない。霊汐、私は罪を犯した。荒涼の地に戻して」
花煙は涙を流した。

「もういい。今後は私のそばに。…共に暮らした日々の情けは忘れない。罪を犯した身でも、今後本分を守れば私があなたを助ける」

花煙は安心したのか声を立てて泣き、霊汐は微笑んだ。

扶雲殿では、九宸が開陽かいようから報告を聞いていた。

「霊汐が守ったか?」

「はい。花煙を天息宮てんそくきゅうに引き取りました。霊汐が神尊に問うていました。“花煙が隠すのは誰なのか”と」

「様子を見よう。しかと分からん」
九宸は言った。

青瑶が桃林とうりんでうつらうつらしていると、雲風うんほうらしき人物が歩いていた。
青瑶が走ってその人物のもとに向かうと、桑南星君そうなんせいくんだった。

「なぜここに?」
青瑶は尋ねた。

「そなたの顔を見に来た。痩せたようだな。体に気をつけよ」

「感謝します」
青瑶は俯いている。

「そなたが雲風うんほうのことで苦しんでいるゆえ、私も案じている。そなたに代わり、薬王洞には休みを届けた。ゆっくりするがいい」

「お心遣いを。でも自分のことは自分で片づけます。ご案じなく」
青瑶は軽く頭を下げた。

「分かっている。でもそなたの役に立ちたいのだ」

「星君、以前あなたに言ったはずです。あなたの親切は私を困らせます」
青瑶は視線を伏せた。

「そうか、分かった。体を大切に」

桑南星君そうなんせいくんは帰っていき、承晏が青瑶の隣にやってきた。

「冷たいな。愛せなくても友になれる」
承晏は言った。

「誰かさんは心が狭い。星君と友になるのも許さないわ」

花煙は小福しょうふくから天息宮てんそくきゅうの案内を受けていて、景休の姿を見かけた。

景休は花煙たちのそばを通っていった。

小福しょうふくはひざまずき、礼をしたが、花煙は立ったまま景休を見ている。

「花煙、花煙ったら聞いてる?国師よ。ご挨拶を」
小福しょうふくは小声で花煙を促した。

「国師…」
花煙は呟いた。

扶雲殿の九宸は、逐日鳥ちくじつちょうを見上げていた。

逐日鳥ちくじつちょうはひたすらお天道様を追ってる。疲れないのかしら。いつか納得できたら羽を休めるの?』
九宸は霊汐の言葉を思い出し、長生結ちょうせいけつを握った。

大人が惚れる和食器通販「大人の焼き物」



感想

今回はすごい。
何がすごいって、開始から10分くらいは、単に神尊が霊汐に会いに行きたいのに言い出せなくて、十三を利用して山霊界に行こうとしているけど、十三が全然察してくれないという、そういう話をしていました。

十三「山霊界に霊汐の荷物届けに行ってきます」
九宸「霊汐に会いに行きたいのでついていく」

これだけで終わるはずが10分かかったよね。
神尊のお立場上言えないから、十三に頼まれて仕方なくという体を整えたかったのか!?

司命がいなかったら十三はずっと気づかなかったですね。
十三にはやっぱり司命がいないとだめだと思いました。


「私のように失ってから後悔してもいいの?」
という青瑶さんの言葉で、神尊から逃げていた霊汐は神尊と向き合うと決めました。
しかし神尊は花煙の事件で天界に戻りすれ違いに。

青瑶さんしか霊汐を説得できなかったと思うし、雲風上神が石になってしまった今、青瑶さんの言葉は重みが違うと思いました。

私は激しくにぶいので、承晏が霊汐を好きなことに気づきませんでした。
ちゃんと言ってくれないと全く気付きません。
察せない。

花煙は景休さんにいったいどんな恩を受けたのでしょうか?
どうやら花煙は景休さんが山霊界の国師だと知らなかった様子。


人間界で出会い、恩を受けたのでしょうか?
死んで返すレベルの恩を受けたんでしょうね。きっと。
気になる!

神尊は、霊汐を追い求める自分を、太陽を追いかける逐日鳥に重ねているのでしょうか?

運命の桃花~宸汐縁~ DVD-BOX3 [ チャン・チェン ]

価格:15,840円
(2021/4/21 14:54時点)

コメント

タイトルとURLをコピーしました