運命の桃花~宸汐縁~第3話 凍りつく記憶

第3話 凍りつく記憶運命の桃花

運命の桃花 第3話 あらすじ

霊汐れいせき九宸きゅうしんを救うために仙力が尽き、体内に冷気が入り眠りについていた。霊汐が一晩九宸の寝殿で眠ったことが天宮中の噂になり霊汐の所に贈り物が届けられるようになった。青瑶せいよう雲風うんほうをからかうような態度を取った。元瞳げんどうの母・げん夫人は幽都ゆうと山の戦いで1人生き残った九宸を恨んでいた。


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運命の桃花 第3話 登場人物

霊汐桃林に暮らす丹鳥族の娘。扶雲殿の侍女になり九宸に仕えている。
九宸天族の戦神。5万年眠りについていたのを霊汐に起こされた。
雲風九宸の弟弟子の上神。
青瑶霊汐の姉弟子。薬王洞で医官をしている。
十三扶雲殿の侍女。元は鮫人族の男だった。

運命の桃花 第3話 詳しいあらすじ【ネタバレ有】

霊汐れいせき九宸きゅうしんを救うために仙力が尽き、体内に冷気が入り眠りについていた。

「目を覚ますまで、安静にさせてください」
霊汐を診察した青瑶せいようは九宸に頼んだ。

続いて青瑶せいようは九宸の脈を診た。

長生海ちょうせいかいで浴びた冷気はすぐには除けません。上清境じょうせいきょうの温泉に入り、ここで無尽木むじんぼくを焚けばご回復も早い。なのに神尊は私の言葉を聞かず、仙力まで使いました。霊汐れいせきがいなければ長生海ちょうせいかいで永眠するはめに」

青瑶は九宸に意見を述べた。
九宸は眠る霊汐れいせきを見つめた。

「ところで無尽木むじんぼくとは何だ。どこにある?」
九宸を案じ側にいた雲風うんほう青瑶せいように尋ねた。

「崑崙の神木であり、雨風の中でも火が消えません。前は炎火えんか山にありました。しかし5万年前雲風うんほう上神が四海しかいへ行き、泥酔して崑崙を沈めました。それゆえ炎火山も大岳たいがく国も水没するはめに。5万年も経つのでまだ効能があるかは不明です」

「他の場所にないのか?」

赤焔せきえん洞にあるようですが、畢方ひっほう洞府どうふゆえ多くの火鴉かあがいます」

青瑶が教えると、雲風うんほうが無尽木を取りに行くと名乗り出た。

「いかほど必要だ?」
雲風は青瑶に尋ねた。

「より多く」
青瑶が答えると、雲風はすぐに出かけて行った。

青瑶が帰ると、九宸は眠る霊汐に掛け布団をかけようとした。

「寒い」
眠る霊汐は九宸の衣の裾を抱きしめた。
九宸きゅうしんはゆっくり裾を引き抜き、霊汐の眠る部屋を後にした。

霊汐れいせきが目覚めると、そこは九宸の寝殿で、しかも九宸の寝床だった。
霊汐はにまにまと笑顔で起き上がろうとしたが、首も背中も痛くて悲鳴を上げた。

そこに十三じゅうさんが霊汐を呼ぶ大声が聞こえてきて、霊汐は九宸の寝殿から出て十三の前に姿を見せた。

十三は昨夜賊が侵入したと言い、霊汐の身を案じていた。

「きっと神尊の復活を知った魔族の残党よ」
十三じゅうさんは言った。

「なぜ魔族の残党だと分かるの?」

「神尊を恐れ、先に私を襲ったからよ。神尊の佐官だった私をなめるとは愚かよね。この神器に襲われ逃げ去ったわ」
十三じゅうさん混金鎲こんきんとうを見て言った。

十三じゅうさんは不意に霊汐れいせきが九宸の寝殿から出てきたことが気になり霊汐に尋ねた。
「昨夜ここで寝ました」
霊汐れいせきが言うと、集まっていた十三じゅうさんと侍女たちは息を飲んだ。

「どうして神尊の部屋で?」
十三は霊汐を見た。

霊汐は答えようとしたが、九宸の病を話すわけにはいかない。

「知りません」
霊汐はそれだけ言って逃げるようにその場を去った。

「他言しないように」
十三が侍女たちに口止めすると、侍女たちは礼儀正しく「はい」と言ってひざを折った。

しかし侍女たちは誰にも内緒の話として、九天中の友達に霊汐と九宸が一晩過ごしたと伝言した。

しばらくすると霊汐れいせきの所に、面識のない神仙達からの贈り物が届きだした。

開陽かいよう含章がんしょうも贈り物を持参して霊汐れいせきの顔を見に来た。

開陽かいよう定鳳珠ていほうじゅという美しい珠を、含章がんしょうは体を強くする薬を霊汐れいせきに贈った。
霊汐はもらう理由がないと断ったけれど、2人は霊汐はもらって当然だと言って贈り物を霊汐に押し付けた。

そこに九宸きゅうしんが通りかかり、元瞳げんどうに会いに行くと言って開陽かいよう含章がんしょうを連れて出かけて行った。

元瞳げんどうは母・げん夫人とともに、げん家代々の霊廟で兄元征げんせいの位牌の前で挨拶していた。
元瞳げんどうは九宸が目覚めたため天宮に戻ったのだ。

「何が戦神よ」
元夫人は吐き捨てるように言った。
元夫人は5万年も眠っていた九宸きゅうしんは既に戦神ではなく、天雷てんらいこそが戦神だと言った。

「でも天雷真君てんらいしんくんは昇格の式典を終えてません」
元瞳げんどうは言った。

元夫人は10万の天兵が死んだのに1人だけ生き残り、3000の兵を失った元家の霊廟にもあいさつに来ない九宸を恨んでいるようだ。

「あの者は冷酷で情がないと聞いていたけれど、誠の話だった」
元夫人は言った。

「口をお慎みに」
元瞳は元夫人に揖礼ゆうれいした。

「お前は亡き兄に代わり、4大戦将の頭となった。ゆえにその発言や行いは目立つ。九宸きゅうしんは復活したものの、幽都ゆうと山で何があったか語ろうとしない。戦神の座を九宸が守るか天雷真君てんらいしんくんが取って代わるか今は分からない。だから心して言動を慎みなさい。この件でげん家の栄誉と前途を損なってはならない」

元夫人は元瞳げんどうに心構えを話した。

九宸きゅうしんげん家の霊廟を訪ねたが、中に入らず外にいた。
すると中から元瞳げんどうが出てきて九宸きゅうしんの前にひざまずいた。

九宸は元瞳げんどうの働きをほめた。

元征げんせいは死の間際お前を案じていた。今のお前を見れば喜んだだろう」
九宸は元瞳げんどうに声をかけ、何かあれば自分を頼るよう言った。

「神尊の恥にならぬよう励みます」
元瞳げんどうは明るい表情で九宸きゅうしんを見た。

九宸が立ち去ろうとすると、元瞳げんどうはお祝いを言い忘れていたと言って九宸を引き止めた。

「祝いとは?」
「とある小仙を手元に置かれたとか」
「それが何か?」

「皆の話では女子おなごを置くのは初めてで、“目覚めてから奔放になられた”と」
元瞳げんどうが言うと、九宸きゅうしんは無言で歩き去った。

扶雲殿ふうんでんに帰った九宸は霊汐を呼び出した。

「私の寝殿で一夜を過ごしたと?」

「確かに言いました。でも本当の話です。勝手に誤解するほうが悪いんです。別にやましいことは何もしてないし。桃林とうりんでもよく承晏しょうあんの居所で寝てました」

「なぜ体面を気にしない?」
「“己が正しければ恐れるな”と父が。それに神尊が噂されても体面が汚れるとは思わず…」

「何だと?」
「恥とお思いなら弁明してきます。“神尊とは何もない”って」

「黙れ。下がれ」
霊汐は言われて立ち去ろうとしたが、ふと思い出して話し出した。

「そうだ。私への礼がまだですよ。神尊を救ったのはこの私です」
霊汐が言うと、九宸は笑った。

「そうかならば礼を言う」
「いいんです。大したことじゃないし。早くお休みに。寒ければ布団を重ねてください。薬は引き出しの中です」
霊汐は退出した。

元瞳げんどうが兄からの手紙を読んでいると、婚約者の杜羽とうがやって来た。
杜羽とう元瞳げんどうの手を握ったが、元瞳げんどうはすぐに手を引き抜いた。

雲風うんほうは赤焔洞から火鴉と畢方ひっほうを追い出すことに成功した。
すると青瑶せいようが赤焔洞にやってきた。

「ここの無尽木は全て我々のものだ」
雲風うんほうは墨のついた顔で言った。

「1本で足ります」
「なんだって?」

「無尽木は寒さを払い暖を取るための物。十分です」
「“より多く”必要だと言ったじゃないか。だから私は4日間も畢方ひっほうと戦った」

「言いました?覚えてません」
青瑶せいよう医官、私に恨みでも?」

「考えすぎです。私ごとき小仙と貴い上神に何の関わりが?」
青瑶せいようは九宸を診に行くと言って立ち去った。

「確か会うのは3度目だ。からかっている?」
雲風うんほうは首を傾げた。

青瑶せいようは無尽木を九宸の部屋に置き火をつけた。
そこに雲風が帰って来た。

「まめに温泉に入りみだりに仙力を使わず、無尽木で温まればよくなります。しかし心の病は前向きになることが肝要です」
青瑶せいようは九宸に助言した。

「無尽木は1本でも火力が大きいのだな。不在にすると火事が心配だ」
雲風は言った。

「ご心配なら終日火の番をどうぞ。上神はお務めも怠慢で暇なようなので」
「私が?」

雲風が言葉に詰まると、十三が自分が火の番をすると名乗り出た。

青瑶は火に弱い鮫人こうじん族では命に関わると言い、十三を止めた。

九宸は畢方ひっほうと同じで火に強い丹鳥たんちょう族の霊汐が火の番に適任だと言って霊汐を呼んだ。

霊汐れいせきは喜んで火の番を引き受けた。

「あの者をまだお疑いに?」
霊汐が去ると、雲風は九宸に尋ねた。

長生海ちょうせいかいでの一件が気にかかる」
九宸は、霊汐れいせきから魔気は感じないが呑天獣とんてんじゅう霊汐れいせきを救ったことが気にかかると話した。

霊汐れいせきが魔族なら?」
「戦神として義務を果たす。霊汐れいせきを徹底的に調べる。先日、天君の前で楽伯らくはくの態度もおかしかった。何か恐れているような…」

九宸は桃林とうりんを訪ね、霊汐の桃林での暮らしぶりを知った。
霊汐の部屋には霊汐が空想で描いた戦神の絵が掛かっていた。

承晏しょうあんは侵入者だと思い九宸に斬りかかったが軽くあしらわれた。
九宸の来訪に気づいた楽伯は「勝手なことをしおって」と言って承晏しょうあんを殴って蹴った。

「神尊、立場もわきまえず私の弟子が無礼を働いた。お許しあれ」
楽伯は九宸に揖礼ゆうれいした。

「こちらこそ、急な来訪だった」
九宸が相談があると言うと、楽伯は酒席を用意した。

「霊汐の母は何者だ」
「さあな。一夜の過ちだった。娘を押しつけ行方をくらました。思い出す価値もない」

楽伯は笑って言った。

楽伯は桃林に結界を張り、霊汐を外に出さないよう心を砕いていたことに九宸は気づいた。

山霊さんれい界では、国師景休けいきゅうの所に畢方ひっほうが“赤焔せきえん洞を奪われたゆえご助力を仰ぎたい”と訪ねてきた。

雲風うんほう無尽木むじんぼくを得るために赤焔洞を奪ったことを景休の配下赤鷩せきべつは報告した。

雲風うんほうは天尊の末の弟子。畢方ひっほうなどのために天尊と対立できない」
景休は言い、仲昊ちゅうこうの居場所を尋ねた。

十万大じゅうばんだい山に逃げ込み見失いました。…私どもが無力なのではなく、あの者が天族の将烈夷れついの息子だからです。ここへ流罪になった烈夷れつい族ですが、我らが賜った任務は監視のみ。命は奪えません」
赤鷩せきべつは話した。

仲昊ちゅうこうは我らの隙を狙っていた。お前とて防ぎようがなかっただろう」
「では天君に報告を?」

「九天を統べる龍が蟻の生死を気にするか?我らを重視していればここを流罪先にはしない」
景休けいきゅうは言った。

「国主が政務を顧みず天宮へ足を運ばないせいです。我ら山霊族の地位は今では六界において鮫人こうじん族にも劣ります」
赤鷩せきべつは無念そうだ。

「国主は垣渡えんとを殺し、我が玄鳥げんちょう族の敵を討った。ゆえに私が守り抜く。二度と不満を申すな」
景休けいきゅう赤鷩せきべつに念を押した。

攢心釘さんしんていを出せ」
「なぜです?」

「哀訴は通じない。天族に重視されるため頼るのは、己の力だ。私の行き先を仲昊ちゅうこうの耳に入れよ。好機が来たことを知らせてやるのだ」
景休は言った。

霊汐が火の番をしていると、九宸の薬を青瑶からもらってくるよう十三じゅうさんに頼まれた。

「怖いから別の誰かを」
霊汐は言った。

あね弟子でしょ?私だって怖い。どんな育ちなのか神尊より迫力がある。ほら早く行ってきて」
十三は霊汐を送り出した。

景休は天宮の南天門で門衛に天雷神君への取次ぎを頼んでいたが、門衛は来意を言わなければ取り次がないと頑なな態度を取った。

「伝言してくれないならこのまま去るが、真君に何かあればそなたのせいだ」
景休が言うと、門衛は天雷の下へ向かった。

その様子を霊汐は見ていた。

薬王洞ではほう仙人が青瑶の診察を受けていた。

「先日あちこちを周遊していた時、蛟龍獣こうりゅうじゅうが民を虐げていたのだ。ゆえに三日三晩も戦い戻ったら脚の感覚を失い歩けなくなっていた」

ほう仙人は症状を話している。

雲風うんほうは青瑶の房を訪ね、青瑶と視線を交わした。
霊汐も青瑶の房を訪ね、先に待っていた雲風に挨拶し順番を待った。

「上神も姉弟子に診てもらいに?」
霊汐は雲風に声をかけた。

「そうだ。先日赤焔せきえん洞でな、神獣の畢方と激しく戦ったのだが、畢方があまりに醜くて、心を病んでしまい眠れなくなった。ゆえに青瑶医官を訪ね、治してもらおうかと」

雲風うんほうは青瑶を意識し、大声で霊汐に話した。

「天君の命により、私は間もなく祝巫しゅくぶ山を守りに行く。危うい場所だが必ず赴かねばならん。どうだ脚は治るか?」
ほう仙人は青瑶に尋ねた。

青瑶はほう仙人の脚を折った。
ほう仙人は「これが治療と言えるのか」と青瑶に文句を言った。

経絡けいらくが滞っているので、折ってつなぐのが最良かと。この妙薬を使い、数日療養すれば祝巫しゅくぶ山へ行けますよ」

青瑶は冷静に薬を差し出した。

「青瑶、なんたることだ。お前の師匠とも親しい私に無礼な真似を。…痛くてたまらん。今に見ておれ」
ほう仙人は運ばれていった。

雲風うんほうは呆然とほう仙人を見送った。

「お次の方は?」
青瑶は声をかけた。

雲風うんほうは急用を思い出したと言って帰っていった。

霊汐が青瑶から薬を受け取り歩いていると、南天門にまだ景休がいた。

「諦めなさい。ここの者は態度が悪い」
霊汐は景休に声をかけた。

「そなたが行って伝えてくれ」
景休は霊汐に頼んだ。

「だめよ。天雷真君てんらいしんくんとは犬猿の仲なの」
「偽りでは?ただの小仙がなぜ真君と不仲に?」

「知らないだろうけど、天宮には掟が多いし、皆権力に弱いの」
霊汐が薬と笑って言うと、景休も笑った。

まだ待つという景休を置いて霊汐が去ろうとすると、天雷がやって来るのが見えた。

霊汐は天雷を避けるようにして隠れた。

霊汐が去った後に長生結ちょうせいけつが落ちているのを見つけ、景休は懐にしまった…。

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感想

天尊と霊汐の噂が天宮中に届いていて笑いました。
みんな噂好きねー。

桃林での霊汐の暮らしぶりを九宸が見る場面がなんだか微笑ましかった。
霊汐は戦神に夢中だったんだなぁ。

そして霊汐のお母さんは誰なのでしょうか。
本当に一夜の関係でできた子なのでしょうか。
なぜ楽伯は霊汐を桃林に閉じ込めていたのか、気になります。

元瞳さんが美人さんだったけど、お母さんはちょっと怖い人みたいでした。
元瞳だんは婚約者の杜羽さんのことを愛しているわけではなさそうだと思いました。

私が一目ぼれした青瑶さんは、いじわる?いじめっ子?なのでしょうか?
霊汐も十三も怖いと言っていたし、雲風上神にもしなくていい苦労をさせていました。

悪い人なのでしょうか?
悪い人と言えば、よく分からない感じで出てきた景休さんって何者?

見た目的には、黒い服を着てスキンヘッドに黒いタトゥー(?)を入れているという、悪魔っぽい感じです。
魔族系の見た目ですが何者なのでしょうか。天雷神君を訪ねていました。

話していることも何が何だか分からなかったです。
この辺はスルーしておくと、後で「なるほど、そういうことだったのね」と分かるやつでしょうか?

まだまだ始まったばかりですので、続きを楽しみにしたいです。

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