運命の桃花~宸汐縁~第29話 最後の誕生日

第29話 最後の誕生日運命の桃花

運命の桃花 第29話 あらすじ

もくの誕生日の前日、宋家から贈り物が届いた。少海しょうかいは黙が嫁いで幸せになれるか、子玉しぎょくに虐げられるのではないかと心配したが、黙が子玉しぎょくに会った話をすると安堵した。黙の誕生日の日に花を咲かせる桃の木は、黙の誕生日当日、何者かによって折られた。人間界では雷雨が続き、不吉であるとりん家の使用人は噂した。青瑶せいようは雨宿りに入った旅館で方駿ほうしゅんに再会した。

お尻ニキビ×シミ


運命の桃花 第29話 登場人物

人間界に転生した霊汐。林家の(養)女。耳が聞こえない。宋子玉と婚約した。
九宸天族の戦神。神尊。黙に子玉だと思われている。
青瑶霊汐の姉弟子。薬王洞の医官。
黙の異母妹。
少海黙の父。
楊氏黙の母。
方駿5万年前、青瑶の人間界での夫だった人物の生まれ変わり。
宝青山霊界の公主。山霊界が仲昊に襲われ占領されたため逃げている。

運命の桃花 第29話 詳しいあらすじ【ネタバレ有】

もくが家に帰ると、ちょうど少海しょうかいが帰りの遅いもくを迎えに行くところだった。

九宸きゅうしんは、もく少海しょうかいと家に入っていくのを見守った。

九宸は廃屋の庭に司命しめいから託された種と五感を植え、廃屋に調度を整え綺麗にした。
この場所を桃花小築とうかしょうちくという。

もくは足首を痛め、足首をかばいながら歩いていたのだが夜になると本当に痛みが取れた。

もく子玉しぎょく九宸きゅうしん)と過ごした雨の中でのことを思い出し微笑んだ。

黙が部屋に入ろうとすると、少海しょうかいがやって来た。

『父上、何か悩みでも?』
もくは少海の顔を見て尋ねた。

少海がもくの部屋に入っていき、もくも後に続いた。

「大したことではない。婚姻の約定書が届いてな。お前が間もなく嫁ぐと思うと、別れるのがつらくなってきたのだ。お前の義父母は善人ゆえ案じていないが、心配なのはお前の夫だ。家を出て何年も経つゆえ、もし昔とは人が変わっていたら?宋子玉そうしぎょくは騎射も武芸も巧みだと聞いている。しかし書生がなぜ武術を学ぶ必要が?気性が荒く、お前を虐げでもしたら?しかも科挙を受けるそうだが、もし受かれば遠い土地で官に就く。そうなればお前に会うのは難しい。私は浅はかだった。お前を遠くへ出せば、もし虐げられてもそばで守ってやれない」

少海しょうかいは眉間に皺をよせ悩んでいる。

『今日、宋子玉そうしぎょく様に会いました』
「会ったのか?どんな若者だ?」
『手話が分かります』
「本当か?」
もくはうなずいた。

「お前を思いやってくれる男なのだな?」

もくは恥ずかしそうに、嬉しそうに俯いた。

「ならば案ずることはない」
少海しょうかいは笑顔を見せた。

「嫁ぐまでの間に練習を重ねよう」

少海しょうかいは自分の喉にもくの右手を当てさせた。

もくは自分の左手を自分の喉に当てている。

「口の形を見て。“父上”」
「父…」
もくはか細い声を出した。

「そう。声を出して“父上”」

2人は言葉を話す練習をした。
九宸は練習する2人を見守っている。

練習する言葉は“旦那様”に変わった。

もくの誕生日の前日、宋家の家職が贈り物を届けにやって来た。

贈り物は都で買った美しい布と菓子だった。

「都で買った布が何よ。りん家だって買えるわ。私の衣は全部都で買った布であつらえるの。珍しくもないわ」

たんが乱入し水を差した。

もくは宋家の家職に礼を言い、家職は帰っていった。

たんもくへの贈り物である菓子を一口食べ吐き出した。

「どんな美味かと思えばひどいわね。作ってから何日が経つのかしら。…こんな古ぼけた布地やら腐りそうな菓子を持ってきたのに、丁重に迎えるなんて嫁ぐために必死ね」

もくは帰ろうとしたが、たんもくの前に回り込んだ。

「宋家に望まれてると思ったら大間違いよ。昔父上が宋おじ様の命を救った。その恩返しにすぎないの。話によると帰郷を拒む子玉しぎょくさんを宋家は何度もふみを出し呼び戻したとか。この婚姻がよほど嫌なのね。うちへ一度も来ないのがその証しよ。当然よね?聞こえず、話せない女を誰が娶りたい?嫁いでも不幸は目に見えてる」

もくたんを躱し去っていった。

「話はまだある。子玉しぎょくさんは要望も秀でた才子なのよ。あんたが嫁いでもすぐに側室がやって来るわ」

たんもくの背中に向かって叫んだ。

部屋に帰ったもくの頭には、たんの話がこびりついていた。

もく子玉しぎょく(九宸)と過ごした時間を思い出し、たんの言葉を否定した。

家族で食事をしていると、りん夫人が話し始めた。

「明日はもくの誕生日ね。いつの間にか立派な娘になった」

「誠に。背丈もこんなに低かった子が、もう嫁ぐような年に」
少海しょうかいは目を細めた。

「明朝、もくに長寿麺の用意を。もくは嫁に行く。実家で迎える最後の誕生日になるわ」

『感謝します』
もくは立ち上がりひざを折った。

夜遅く、使用人はもくの庭で桃の木を見上げている。

「明日はお誕生日よ。また桃の花が咲くわ」

「もちろんよ。今年も咲く。もく様の誕生日には必ず花を咲かす。驚くほど正確よ。枝を覆うほどに咲き見事なものだわ。それをもく様は一日中眺めておられる。街の者たちは言ってる。もく様は神仙に守られた方だとね」

もく様にとって実家での最後の誕生日よ。嫁いだのちは、二度とこの花を見られないかも。行きましょう」

2人の話をたんが聞いていた。

もくが部屋から出てきて、たんは柱の陰に身を隠した。

『どういう方なのかしら。妹の言ったことがもし本当なら、私のことが嫌いよね。流れに任せるしかない。桃の木さん。私は嫁ぐのよ。この家からいなくなる。私が去っても花を咲かせてくれる?桃の木さん。他の人は分からないけど、あなただけは私のこと好きなはず。そうでしょ?違う?そうよね?』

もくは桃の木に話しかけた。

誕生日当日の朝、もくの部屋に特別な長寿麺が届けられた。

もくは長寿麺をよう氏の部屋に持って行き、楊氏の前に並べた。

「私に?」
楊氏が問うともくはうなずいた。

「欲しくない」
楊氏が言うと、もくは俯いた。

『母上、今日は私が生まれた日で、この家で迎える最後の誕生日です』
もくは楊氏の前にひざまずき礼をした。

『母上は私のことがお嫌いだし、好かれることは何もできなかった』

「その…私は…。嫌ってないわ」

『でも生みの母を敬うのは子の務めです。私は耳が聞こえず母上とお話もできない。母上が人に嘲笑され、おばあ様に嫌われるのも私のせい。私が嫁いだら、おそばで親孝行できません。この麺を一緒に食べてくれますか』

もくは楊氏を見た。
楊氏はもくと視線を合わせるようにしゃがみ、もくの腕を取り立たせた。

「お前を遠ざけたのは、私に原因があるの。お前は幼い頃から神仙に守られた幸福な子よ。嫁いだのちは聞こえないからって己を卑下しないで。いいわね?」

楊氏が言うと、もくの頬に涙が伝った。

2人はともに長寿麺を食べた。

もくが部屋に帰ると、桃の木が根元から倒れていた。

もくが茫然としているとたんがやってきた。

「何かと思えば木が倒れただけでしょ?驚くことでもないわ。そんなのさっさと捨てて。目障りだわ。忘れてた。あんたの誕生日に、このぼろい木は毎年咲くんだっけ?残念ね。二度と見られないわ」

たんは立ち去った。

もくが桃の木を片付けていると、たんの母が使用人を連れてやって来た。

「しょぼくれた顔ね。縁起が悪い。お前たち、木を捨てておいで」

桃の木は森に捨てられた。

もくが捨てられた木を眺めていると、男性が来て薪にしようと木を細切れにし始めた。もくは涙を流し立ち去った。

九宸はもくが泣いているのを見た。

もくは桃の枝を持って森を歩いている。

するともくの通った道の木に桃色の花が咲いた。

辺り一面の木に、全て桃色の花が咲き始めた。

気づいたもくは笑顔で森を走り回った。
九宸はもくの笑顔を見て微笑んだ。

宝青ほうせいは人間界にいた。

宝青は自分に絡もうとする酔っ払いを仙力を使い追い払おうとして、赤鷩せきべつに止められた。

景休けいきゅうの行方はまだ分からない。

りん家には宋家から結納の品が届けられた。

夜、もくの部屋によう氏がやってきた。

「お前の夫になる人は、都で高名な儒者に学んだお方よ。きっと礼節を重んじるわ。私の言葉を忘れないで。嫁いだら夫に従い決して礼を欠かぬこと。よく仕えなさい。逆らってはだめ。それが妻の務めよ。夫婦円満であるためにも、それを胸に刻んで」

よう氏はもくに金のかんざしを渡した。

楊氏が嫁ぐ前に母からもらったものだ。

「お前が嫁ぐ日に髪につけなさい。お前と私の、母娘の絆の証しよ」

『母上、ありがとう』

もくは楊氏を見送るため部屋の扉の所までついていった。

楊氏はもくの手に触れ、もくは楊氏の手を握った。

近頃雨と雷が多い。

りん家の使用人は不吉だと噂した。

人間界にいた青瑶せいようはにわか雨に遭い、庭軒楼ていけんろうという旅館に駆け込んだ。

出迎えた店の者は、「私どもの店を使えるのは官吏のみ」と説明した。

雨宿りさせてほしいと青瑶は頼んだけれど、店の者は自分では判断できないと話した。

そこに方駿ほうしゅんがやってきて、青瑶を自分の連れだと説明した。

店の者は2人を丁重に席に案内した。

「どこかで会いましたか?」
方駿ほうしゅんは青瑶に尋ねた。

「先日、私の医館で奥様を診ました」
「そうだった。とんだ無礼を」

雨はなかなかやまない。

武装した兵を率いた軍人も旅館に駆け込んで来た。

2階から男女が降りてきて言い争いを始めた。

この店で長年働いている女性の息子が病で苦しんでいる。
医者を呼んで欲しいと女性は男性に頼んでいる。
男性はこの雨であるし、もうすぐ町の門も閉まるため無理だと話していた。

「このままでは死にます」
女性は男性に追いすがった。

「死ぬなら店の外に出せ。客に病をうつすな。ここは官吏の宿だ。何かあればどうする」

2人の話を聞いて、庭軒楼ていけんろうで休んでいた官吏は女性たち親子を追い出すよう言った。

「待って。私は医者です。よければ診ましょう」

青瑶は立ち上がった。

「治せるのか?疫病かもしれんぞ」
先ほどの官吏が口を出した。

「治せるかはまだ分かりませんが、私の見たところ、あなたの病はすでに手遅れかと」

「ばかな。誰が病だと?」
官吏は激高した。

「私の友は率直なのです。無礼があれば広い心でお許しを」
方駿ほうしゅんは青瑶の代わりに謝り、場を収めた。

青瑶は2階に上がり、病人を診た。

女性の息子は無茶食いをしたらしく、すべて吐き出せばよくなると青瑶は診断した。

「今夜は食べ物を与えないで。恐らく熱が出ますが、それが退けば重湯を」

青瑶は女性に指示を出し、1階に下り方駿ほうしゅんの待つ卓に戻った。

卓には夕餉が用意されていた。

青瑶が2階で治療している間に、1組の官吏が近くの卓に座っていた。

2人の話が青瑶に聞こえた。

「皇太子は重い病で、洛陽王が都へ駆けつけたとか」
「私も耳にした。陛下は4人の皇子を亡くし、皇太子は一粒種だ。もし皇太子が死ねば皇位の継承は…」
「さっきのは宮中から来た者だ。殺気立っていたし何かありそうだ」
「我々には関わりがない」
「飲もう」

青瑶と方駿ほうしゅんは鍋を囲んでいる。

「ご出身は?」
方駿ほうしゅんは青瑶に尋ねた。

県です」
県に来て2年だが、存じ上げなかった」

「全ての住人と知り合うのは無理かと」
「そうですね。でもあなたは名医で美しさも…」

2人はしばし見つめ合った。

方駿ほうしゅんは目をそらした。

「会わずとも噂は耳にするはずかと」

「以前お会いしてるかも。忘れたのでは?」
青瑶は言った。

「まさか」
2人は鍋をつついた。

「羊肉は嫌いでは?」
青瑶は方駿ほうしゅんに尋ねた。

「なぜそれを?」
「憶測です」

「好きですよ。羊肉は温性で脂っぽくない。この季節には胃を温めてくれます」

方駿ほうしゅんは羊肉を食べた。

2人が食事していると、2階から「痛くて死ぬ。助けてくれ」という叫び声が響いてきた。

扶雲殿ふうんでんの九宸の所に、司命がやってきた。

司命しめいもく生劫せいごうを迎えると九宸に報告して…。

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感想

犯人は現場に戻ると言います。
その言説が正しいとすれば、桃の木を折ったのは綻ですね(ΦωΦ)
たぶん誰かにやらせたのでしょうが。
本当にひどいし、好きの反対は無関心という言葉を実感しました。

綻は黙がされたら一番嫌なことを分かっててやってる。
黙のことを熟知してるから黙を傷つけるのに一番良い方法を知っている。
ひどすぎる。

縁起とか気にする人が、神仙の加護があると言われている子に意地悪して、神仙がとりついてそうな桃の木を倒すんですか?
やめてください(>_<)

黙はとても落ち込んでいましたが、神尊の誕生日プレゼントで笑顔を取り戻しました。

意地悪な親子や官吏にイラっとした中、癒しは少海ぱぱ。
黙の幸せを考えて、起きてもないことまで予測して心配しちゃってる。
本当に優しい。

そして青瑶さんにも癒されました。
「私の見たところ、あなたの病はすでに手遅れかと」
このセリフ、言ってみたい。

私はてっきり官吏の性格の悪さのことだと思いましたが、青瑶さんは本当に病気で手遅れだと言ったんですね( *´艸`)
恐らくあの官吏の者だと思われる叫び声が聞こえてきました。
さすがです。

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