運命の桃花~宸汐縁~第27話 忘れ得ぬ人

第27話 忘れ得ぬ人運命の桃花

運命の桃花 第27話 あらすじ

九宸きゅうしんもくの部屋の庭に植えられた桃の木に花を咲かせ、もくを喜ばせた。元瞳げんどう禍斗かとを唆し鎖妖塔さようとうから出て、天宮軍に戻った。宝青ほうせい欽原きんげんに襲われ配下と離れてしまった。青瑶せいようは新しい恋をする気がないことを雲風うんほうに話した。人間界で夫の生まれ変わりである方駿ほうしゅんに出会った青瑶は、人間界での夫とのことを雲風に語った。

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運命の桃花 第27話 登場人物

人間界に転生した霊汐。林家の養女。耳が聞こえない。
九宸天族の戦神。神尊。
青瑶霊汐の姉弟子。薬王洞の医官。
雲風九宸の弟弟子。上神。
元瞳名門だったが落ちぶれた元家の娘。悪事を働き鎖妖塔に入れられた。
禍斗鎖妖塔の看守。
玉梨薬王の娘。九宸に憧れている。
開陽九宸の配下の将軍。
十三元は鮫人族の男だった。扶雲殿の侍女。

運命の桃花 第2話 詳しいあらすじ【ネタバレ有】

九宸きゅうしんは枯れた桃の木に花を咲かせた。
洗濯桶に桃色の花びらが落ちてきた。
もくは花びらを手に取り見つめている。

花が咲いているのに気づき、もくは桃の木に駆け寄り触れた。
もくは木の周りをまわり手を叩き喜んでいる。
九宸はそんなもくを近くで見守った。

『桃の木さん、ありがとう』
もくは桃の木と天に感謝し祈りをささげた。

 

鎖妖塔さようとう元瞳げんどうは、禍斗かとに話しかけに言った。

祝融火神しゅくゆうかじんの配下は敵前逃亡した大将で、今は鎖妖塔さようとうの看守だとか。ようやくその顔を拝めた」
「死にたいようだな」

元瞳の言葉を聞いた禍斗かとは怒り、飲んでいた酒を捨てた。

「私を殺してもいいが、鎖妖塔さようとうは外界と隔絶されている。長年外の情勢を聞いていないだろう。祝融の近況について知りたくは?祝融は元気なのか。それとお前の後釜に座った騎獣は誰か」

元瞳の話を聞いた禍斗かとは元瞳に近づいた。

「祝融は近年俺のことを口にしたか?」

「いいえ。そればかりか天族の者もお前を忘れ、年寄りが時折噂する程度だ。“禍斗かとは臆病者で主を裏切った”と」

「俺は逃亡していない」

「そうなの?そんなことは初めて聞いた。知っている?お前は鐘陰しょういん山の出だから、天族の神はもう鐘陰しょういん山で騎獣を選ばないそうだ。禍斗かとのような逆賊を生んだ地がゆえに」

「黙れ。俺は祝融に仕え、出征を重ねたが恐れたことはない。祝融には絶対の忠誠を誓った。俺はやつの命に従っただけだ。“実の兄妹も同然”というやつの言葉は、まだ耳に残っている。なのになぜ俺を陥れたんだ」

「それはお前が直接聞くしかない。だがもう機会はないやも」

「なぜだ」

「あの者は不老不死の最高神だとでも?上古の神のうち、まだ生きているのは祝融しかいない。しかし祝融はもう寿命が尽きたとか。まだ生きているだろうか」

禍斗は元瞳げんどうの腕をつかんだ。

「それは本当か?」
「もちろんだ」

「いや、やつは死なん。絶対にな。祝融の命を奪えるのは俺だけだ。7万年かけて五感を回復した。俺を陥れた理由をやつに聞くためだ。死ぬなどこの俺が許さん」

禍斗かとは興奮し声を荒げた。

「許さない?何様のつもりだ。祝融はこの7万年一度も会いに来ない。お前など、どうでもいいの。禍斗かと、お前は敵前逃亡した」

「そうじゃない」
「裏切り者」
「出任せを言うな。でたらめだ。黙れ」

「祝融に会いたければ神農鼎しんのうていをひっくり返し鎖妖塔さようとうを出なさい。祝融が死ぬ前に話をするのだ」

禍斗かとは元瞳の口車に乗せられ、鎖妖塔さようとうの中央に安置された神農鼎しんのうてい(今は女媧石じょかせきに変わっている)に体当たりを繰り返すが、神農鼎は結界に守られ結界にはじき返されてしまう。

禍斗かとの激しい体当たりは鎖妖塔さようとうに響き、地面を揺らした。

その地響きは鎖妖塔さようとうを守る天兵にも伝わった。
天兵は天君に報告に向かった。

 

九宸は扶雲殿ふうんでんで書を読んでいた所だったが、異変を感じ取った。

 

元瞳げんどうは体当たりをする禍斗かとを見ている。

「悪いわね。女媧石じょかせき?どういうこと?」
元瞳は神農鼎でないことに気付いた。

「九宸が女媧石じょかせきと神農鼎をすり替えた」
長右ちょうゆうは言った。

「早くしろ。ひっくり返せば我らは自由だ。禍斗かと、もっと激しくやれ」
長右ちょうゆう禍斗かとにエールを送った。

「いいぞ、ぶちまかせ」「よし、その調子だ」「じき出られるぞ。急げ」
囚人たちも禍斗を応援している。

 

鎖妖塔さようとうの扉が開き、天雷てんらいが配下を連れて入って来た。

元瞳げんどうはすぐさま禍斗かと女媧石じょかせきの間に入り、禍斗かとを止めようとしているかのような恰好をして、禍斗かとに仙術を放った。

元瞳げんどう禍斗かとに弾かれ、地面に叩きつけられ血を吐き意識を失った。

天雷は囚人たちを黙らせ、禍斗かとを倒した。

九宸は鎖妖塔さようとうの様子を見に行ったが、すでに天雷てんらいが事態を治めていた。

 

十三じゅうさんは、司命殿で「しとやかで気品のある女子おなご」と呟きながら書物を漁っていた。

そこに雲風うんほうがやってきて、司命しめいの行方を尋ねた。

「“雲風うんほう上神から協議に呼ばれた”と」
「私から?」
雲風は首をかしげている。

司命しめいは私をだましたんですね」
十三は気付いた。

「飲み仲間がいない以上、帰るまでだ」
雲風は帰ろうとしている。

「司命と酒を?飲みたければ私を誘ってください」
「それはやめておく」

「ご心配なく。上神が1杯飲めば、私は1甕飲みます」

「それは何だ」
雲風は十三の持っている本に目を止めた。

「人間の運名簿です。しとやかで気品のある女子おなごになりたくて」

「酒豪の女子おなごは極めてしとやかで気品がある。ゆっくり読め」
雲風は帰っていった。

 

開陽かいようは薬王洞で玉梨ぎょくりの診察を受けていた。
診察の様子を見ながら雲風は酒を飲んでいる。

「なぜけがを?」
玉梨は開陽かいように尋ねた。

「雲風上神と腕比べをしていてぶつけたんです」
開陽は答えた。

「ついうっかりな」
雲風は付け加えた。

「今日はそなただけか?」
雲風は玉梨に聞いた。

「父もいます。呼びますか?」
「いいえ。玉梨元君がいい」
開陽かいようは薬を調合する玉梨を見ている。

青瑶せいよう医官は?」
「青瑶?不機嫌だからその腕をへし折るかも」
玉梨が答えると、雲風は残念そうな表情をした。

「私のけがは重いのですか?」
開陽かいようは玉梨に尋ねた。

「将軍は体が頑丈だから、数日もすれば自然に治る。いっそ薬は使わなくても?」
「そうおっしゃるなら薬は結構です」

薬王洞の童子が玉梨の耳元で、九宸が帰ってきたことを伝えた。

「本当?じゃあ、頼むわね」
玉梨は喜び、薬を童子に渡し行ってしまった。

開陽は「元君」と呼びかけたが、もう玉梨には聞こえなかった。

「僕が薬を塗ります」
童子が開陽かいように薬を塗ろうとしていると、青瑶がやってきた。

あね弟子は?」
青瑶は尋ねた。

「扶雲殿へ。…神尊がお戻りに」
童子が答えると、青瑶も扶雲殿に向かい、雲風は青瑶の後を追っていった。

童子は開陽かいようの傷に薬を塗ろうとしたが、開陽は童子の手を払った。

「必要ない」
開陽は衣を着た。

 

玉梨ぎょくりが扶雲殿に行くと、ちょうど九宸が帰って来た。

玉梨ぎょくりは九宸に挨拶し、脈を診ようとした。

「私にお任せを。脈を拝見します」
青瑶がやってきて玉梨の思惑を阻んだ。

「では頼む」
九宸は青瑶に頼み、2人で奥に入っていった。

玉梨ぎょくりはむすっとした表情で二人の消えた方を睨み帰っていった。

 

雲風が落ち着かない様子で廊下で待っていると、青瑶が出てきた。

「なぜ九宸さんが戻るや飛んできた」
診察を終え出てきた青瑶に雲風うんほうは声をかけた。

「私は医官です。往診に来ることに何の問題が?」

玉梨ぎょくりは薬王の娘で医術の腕も確かだ。なぜ出しゃばった。九宸さんが好きなのか?」
「ふざけたことを」
青瑶は行ってしまった。

「そういう意味じゃないんだ」
雲風は青瑶の後を追いかけた。

霊汐れいせきのために玉梨を九宸さんから遠ざけたんだな。じゃあ…元瞳げんどうのことで思い悩んでいるのか。必要ない。九宸さんいわく、心のゆがんだ元瞳は鎖妖塔さようとうを出てもまた過ちを犯す。だから見張っていれば尻尾をつかめる。今肝心なのは霊汐がごうを乗り切ることだ」

雲風は青瑶に話した。

「神尊にも言われました」
「ならいい。このあと何か用はあるか?万霊苑ばんれいえんにかわいい神獣が来た。見に行こう」

「結構です」
「では私の宮殿に来ないか?天君から賜った益寿えきじゅ茶がある。滋養がつくぞ」

「雲風上神、霊汐のためにしてくださったことは感謝してます。ただ過去のことはすでに吹っ切れました。もう気を使わないでください」

青瑶が行こうとするのを雲風は遮った。

「私がこうするのは負い目ゆえだと?すでに吹っ切れたと言うなら、いっそ他の者を受け入れては?」

「他の者?」
「例えば私だ」

青瑶は瞳を揺らし戸惑っている。

「雲風上神、私は」
青瑶は黙ってしまった。

「まだあの者のことを?はるかな年月が流れたというのに、いまだに待っているのか」

「誰も待ってませんし、誰かを受け入れる気もない。そんな考えも気力もないんです。失礼を」
青瑶は雲風に頭を下げ、行ってしまった。

 

元瞳げんどう鎖妖塔さようとうを守ったゆえ、特赦を与えて天宮軍に戻す。しかと己を戒めよ。再び法を犯せば過去の罪と併せて厳罰に処す”

元瞳げんどうは元家の霊廟の前にひざまずき帰還報告をした。

 

宝青ほうせい景休けいきゅうの配下と共に森の中を逃げている。
赤鷩せきべつはいない。

宝青ほうせいが粗末な食事に文句を言い、食べ物を配下に投げつけると、配下は死んだ。

宝青ほうせいが驚いていると、背後に欽原きんげんがいた。
欽原きんげんが殺したのだ。

「何するの。お前たち、くせ者よ」
宝青は配下を呼び寄せた。

「お逃げに」
配下たちは欽原と戦い、宝青は逃げた。

 

欽原きんげんはすぐに配下たちを倒し、逃げる宝青の前に回り込んだ。

宝青は鞭を手に取り戦ったが、転倒し、追い詰められた。

「殺さないで。ねえ取り引しない?私を捕まえたら報酬はいくら?その10倍払うから私を景休けいきゅうさんの所へ送って。どんなお宝でもあげる」

宝青が言うと、欽原きんげんは鼻で笑った。
宝青は思い付き肩に手を当て「痛いわ もうだめ」と演技し始めた。

「どこが?」
「肩よ。折れちゃいそうなの。うそじゃないってば。早く見てよ、痛い」

欽原は宝青に近寄り、肩に手を当てた。

「問題ない」
「そんなはずないわ。筋骨が傷ついてたら?下手したら死ぬわよ。衣をめくって見て」

宝青が言うと、欽原は驚いて宝青をみた。

「何をぼさっとしてるの。耐えられない」
欽原は恐る恐る宝青の衣に手をかけ、顔を逸らしてめくろうとしている。

宝青は欽原きんげんに仙術を放ち眠らせた。

 

欽原きんげんが目覚めると、両手両足を縛られ木に吊るされていた。

腕組みした宝青が近づいてくる。

「動かないで。それはあんあたのような白豚を縛る縄なの。もがいても無駄よ」
宝青は鞭を振るった。

3度目に鞭を振るった時、欽原きんげんの顔に赤い傷がついた。宝青は微笑み欽原きんげんに近づいた。

「顔に傷が。気にしないで。どうせ醜いもの。私は違うわ。景休さんに嫁ぐ身で、男に肌を見せることさえしない。あんたは見たわよね。だからその目をえぐってやる」

宝青は鎌を手に持ち欽原きんげんを見た。

欽原きんげんは微笑み、仙術で縄をほどいた。

宝青は逃げた。
欽原きんげんは逃げる宝青を見てニヤリと笑った。

 

雲風は扶雲殿の柱にもたれかかり、座っている。

「そんな考えも気力もない」
雲風は沈んだ表情で呟いたが、次の瞬間ほほ笑み立ち上がった。

「そなたになくても私にはある」

 

青瑶せいようは人間界の白兪はくゆ医館で診察をしていた。

白兪はくゆ医館には青瑶の医術を求め多くの民が訪ねてくる。

「次の方」

青瑶が言うと、顔を隠し咳をした人物が青瑶の前に座った。

すぐに青瑶は雲風うんほうだと気付いた。

「なぜここに?」
青瑶は声を潜めた。

「そなたは人間界にいると承晏しょうあんから聞いて追いかけてきたのだ」

雲風も小声で答えた。

「先生、私を診察してくれ。重い病だ」
雲風は大きな声で言った。

青瑶は待つ人々の手前、雲風の脈を診た。

「どんな症状が?」

「動悸がする。よく夢を見るし、寝言も絶えない。武術の稽古の時 正気を失い、他の者に傷を負わせかけた。皆は“恋の病だろう”と。…私は助かるか」

青瑶は立ち上がり手を上げた。

待っていた人々が集まってきて雲風を取り囲んだ。

「ふざけた真似はおやめ。ここをどこだと?」
人々は雲風うんほうをどつきまわした。

「ただの誤解だ。落ち着いてくれ。…この医者は私の女房なんだ」

雲風は医館から追い出された。

 

青瑶が診察を終えると、外で雲風うんほうが泣きながら(?)待っていた。

「痛い」
雲風は青瑶に訴えた。

「上神たる方がこんな目に遭うなんて」

「なぜ助けなかった」
「仙力でやり返しては?」
「私はその…」

「私に殴られたくて来たのですか?」
「まず手当てをしてくれ。顔が…痛い」

 

雲風は青瑶を県の役所に連れて行った。

雲風はここに5万年来の友に会いに来たそうだ。

「見ろ、来たぞ」
雲風が示した方を青瑶せいようが見ると、輿から黒衣の男性が出てきた。

男性の名は方駿ほうしゅん

青瑶の人間界の夫と同じ顔をしていた。

「かつてあの者は神のせいで死んだゆえ、5万年来どの人生も順風満帆だ。難に遭っても必ず誰かに救われる。今生の姓はほうで栄達を遂げ、夫婦円満で子孫も繁栄し天寿を全うする。挨拶をしては?」

雲風は青瑶に話した。

「結構です」
青瑶は来た方向に帰っていった。

 

「会いたかったはずなのに、なぜ話しかけなかった」
雲風は青瑶と肩を並べ歩いている。

「あの人はとうに私を忘れてます」
「仙力を使って昔を思い出させては?」

空には黒雲が立ち込めていた。

「雨が降りそうだ。軒下へ」
2人が軒下に入ると、すぐに土砂降りになった。

お腹の大きい身分の高そうな女性が、青瑶たちと同じ軒下に入って来た。

雨が止むと、青瑶は女性を白兪はくゆ医館に連れて行き、診察した。

雲風も医館で青瑶の診察を見ている。

「お嬢さん、腹の子はどうでしょうか」
女性は青瑶に尋ねた。

「無事ですが、奥様はお体が弱いので、流産を防ぐ薬を出しましょう。3服飲めば大丈夫かと」

「私は長年子宝に恵まれませんでした。そこで子供好きな夫に側室を迎えるよう何度も勧めましたが断られました。だからこの子は私たちの宝です。初めて親になる時の喜びは、この世の何物にも代えがたい。次に子供ができたとしても、初産の時の感動には及ばないはず」

女性は語った。

「ただお産は危険と隣り合わせと言います。怖くないのですか?」

「怖いわ。誰だって死は怖い。お嬢さんは独り身で思い人もいないのでは?」

「なぜ?」

「子供は年寄りにとって、血脈と家業を守り継ぐ子孫ですが、愛し合う男女にとっては唯一無二の記憶です。出会う前の2人は自分だけの人生経験を持ち相手と分かち合えない。でも子供は2人を固く結ぶ絆です。年を重ねいずれ死を迎えても、世に残した血脈がずっと存在し、代々続いていきます。2人が深く愛し合ったことの証しなんです」

「夫君は奥様を娶れて本当にお幸せですね」

「私こそ、あの人に嫁げてこの上なく幸せだわ」

青瑶が女性と話していると、慌てた様子で男性が医館に入って来て女性に駆け寄った。

「気分はどうだ。具合が悪い所は?」
男性は女性を案じている。

男性は方駿ほうしゅんだった。
青瑶は呆然と方駿ほうしゅんを見ている。

「お薬を用意します」

青瑶は我に返って言い、薬を取りに行った。
方駿ほうしゅんはずっと女性を気遣い続けていた。

 

夜、雨の降る中青瑶せいようは軒先に座り込んでいる。
雲風は青瑶の隣座り、青瑶の話を聞いていた。

「あの頃を振り返ると、世間の平凡な夫婦と同じで、少しも波乱万丈ではない。私は人間界での修練の時仙力も記憶も失い、ごく普通の女子おなごとして互いに敬い合う両親の下で育ちました。そして15歳の時、あの人に出会った。父の同僚の息子で故郷から戻ったばかり。私と同い年なので両家は婚約を交わし、吉日を選んで祝言を挙げた。あの人は、私の頭巾を取ると、しばらく茫然として言った。こんな顔だったのかと。何度も会ってたのに私の顔すら知らない。ばかな人でしょう。学問のしすぎだと母は言ってた。そのとおりね。それから舅が官職を失い、あの人も科挙に落ち暮らしは貧しかった。でもあの人は絵が上手だからそれを売れば食べていけた」

2人は医館の中に場所を移した。
青瑶は酒を飲んでいる。

「飲むな」
雲風は青瑶を止めた。

「あの人も“酒を飲むな”って。口やかましいうえに非力で、ひ弱な書生だった。粥を作るのが上手だけど大した魅力はない。私は何に惚れたと?」

青瑶は雲風を見た。

「粥を作るのが上手なことだろう」
雲風はたどたどしく答えた。

青瑶はクスクス笑っている。

「私はずっと身ごもれなくて姑に嫌われてた。よくあの人に当たり散らしたけど、あの人は怒らない。人間界の暮らしは、ありふれた日々の繰り返し。時にはささいなことで大騒ぎをするのに、瞬く間に忘れる。もしもあの洪水がなければ、私はあの人と一生添い遂げたはず。10年連れ添ったけど、あの10年はまるで夢のよう。でも気づいた。7万年の生涯で、私が真に生きたのは、あの10年だけだと」

青瑶は酒をあおった。

雲風は青瑶を寝台に寝かせ、看護した。

「5万年の心のしこりは、やはり…」
雲風は青瑶の寝顔を見ながらつぶやき考え込んだ。

ほう殿?…粥作りか」
雲風は微笑んだ。

 

雲風は県の役所に行き、方駿ほうしゅんに声をかけた。
「私と一緒に来るのだ」

 

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感想

え?( ゚Д゚)
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!
元瞳さん天宮軍に戻すって正気?
天兵12人殺したのに?
私が天宮軍の兵士だったら嫌だなぁ。

だって同じ天宮軍で、ただ任務に当たってただけの仲間が元瞳げんどうさんに殺されたんですから。
有事の時に元瞳げんどうさんに背中任せられない。
元瞳さん警戒しながら戦わなきゃらならない。うわぁ。

宝青のキャラいいなと気づきました。
「動かないで。それはあんあたのような白豚を縛る縄なの。もがいても無駄よ」
このセリフ、言ってみたい。

宝青ちゃんの見た目と性格で、貞操を大事にしてて肌を見た(本当にちらっとだけしか見てません)欽原の目をえぐろうとするのがよかった。

欽原も悪の組織(?)の一員なのにピュアなのが可愛かった。

青瑶さんが人間界で暮らしたの5万年前じゃないですか。
その頃からこの世界の人間界の文明レベルが変わってません。
ここは地球じゃないっぽいです。

もし他の桃花シリーズと同様に人間界の1年=天宮の1日だとすると、青瑶さんが人間界で暮らしていたのは人間界では1825万年前です。

2000万年から1600万年前 – ヒト科テナガザル科が分岐した

地球史年表 – Wikipedia

もし5万年前だとすると、クロマニョン人の時代らしいです。

なんだか、今回雲風上神に少しときめいてしまいました。
最初は扱いがイケメン枠らしいことに異議を唱えたい気持ちだったのですが(雲風上神ファンの方、申し訳ありません)今ではイケメンに見え始めています。

ドラマの力、恐ろしや。

青瑶さん幸せになって欲しいです。

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