夢幻の桃花 三生三世枕上書 第6話 帝君の婚約者

第6話 帝君の婚約者夢幻の桃花

あらすじ

太晨宮に姫蘅きこうがやってきた。東華とうかの婚約者!?そんなはずないと思う鳳九ほうきゅうだが…。

第6話 登場人物

鳳九青丘の姫。ただいま狐姿で言葉を話すことができない。東華のことが好き。
東華四海八荒で最も尊い神仙。若く見えるがかなりの年齢。
連宋天君の第三王子。成玉のことが好き。
司命人間の運命を司る神仙。鳳九の世話を何かとしてくれる。本人曰く腐れ縁。
姫蘅魔君の妹。魔族の公主。東華の腹心の部下の娘だと判明した。閩酥のことが好き。
重霖東華の側近。面倒見が良い。

あらすじ【ネタバレ有】

狐姿の鳳九ほうきゅう重霖ちょうりんに抱かれ客人を待っていると、輿が到着した。
中から出てきたのは姫蘅きこうだった。

重霖ちょうりんが、姫蘅きこう東華とうかの婚約者だというけれど、符禹山ふうさんでの2人は親しそうに見えなかった。
ありえないと思う鳳九ほうきゅう

鳳九ほうきゅうを見つけた姫蘅きこうがうれしそう近寄り撫でようとすると、鳳九ほうきゅうは走って逃げだした。

私のことを忘れてしまったのだろうかと寂しそうな表情をする姫蘅きこうに、いずれ親しくなれるだろうと東華とうかは声をかけた。

鳳九ほうきゅう東華とうかの近くで寝ていると、連宋れんそうがやってきた。
もうすぐ成玉せいぎょくの誕生日。
成玉せいぎょくは短刀を集めている。
そこで今まで存在しなかった特別な短刀を成玉せいぎょくに贈りたいと相談に来たのだ。

連宋の案は、接近戦では短刀になり、距離があれば長剣になる、暗器形態では銀針が飛び出し、狩りの時には鉄の弓としても使え、包丁として料理にも使えるというものだ。
これならばどんな時でも使えるから、成玉せいぎょくが肌身離さず持ち歩いてくれるだろうという期待が込められている。

連宋れんそうは仙力で作らず、手づくりならではの味わいのあるものを贈って真心を伝えたいのだそうだ。
連宋れんそうが普段作るのは、仙力を使って作る大型の神器なので小型のものは作り慣れていない。
そこで東華とうかに代わりに作ってもらいたいと相談に来たのだった。

鳳九ほうきゅう連宋れんそうが作った図案を見て、このままでは形を変える時にうまくいかないと気付いた。
鳳九ほうきゅうは武器を作るのが得意なのだ。
鳳九ほうきゅうは、この図を修正して姫蘅きこうに劣らないところを見せれば、東華とうかが自分を見直してくれるだろうと希望を見つけた。

連宋れんそうは短刀を作ってくれれば、最も良質な陶土がある場所の地図を東華とうかに渡すと取引を持ち掛けた。
なぜ地図なのかというと、連宋れんそうは陶土を独占している玄冥げんめいの側室に惚れられて、毎日詩を贈られたことがあり玄冥げんめいに嫌われている。

そのため連宋はその場所に近寄れないからだった。

東華とうかは、連宋れんそうの持っている陶器を全て金銀やぎょくのものに変えて、陶土にかぶれた、良質の陶土ほど猛烈にかぶれるという話を広めるよう提案した。

そうすれば、連宋れんそうを嫌っている玄冥げんめい連宋れんそうの誕生日に陶土をたくさん送ってくるはず。
そうして贈られた陶土を東華とうかに渡せと。
連宋れんそう東華とうかの言うとおりにすると約束し、2人の取引は成立した。

東華とうかが材料を探しに出かけると、鳳九ほうきゅうは図案を持って司命しめいの所へ行き、司命しめいに指示して図案を修正した。
鳳九ほうきゅうが図案を東華とうかの執務室に持ち帰ると、姫蘅きこうが入ってきた。

姫蘅きこうは難解な仏典について質問したくて東華とうかを訪ねてきたけれど、東華とうかがいないので、書置きを残そうと筆を手に持った。

そこに東華とうかが帰ってきた。

筆を持つ姫蘅きこうの前に修正された図案が開かれている。
東華とうか姫蘅きこうが修正したのだと思い、よくできていると姫蘅きこうに言葉をかけ、聞いていた通りの多才ぶりだとほめた。
そしてこれほど造詣が深いのならば一緒に武器を作らないかと姫蘅を誘った。

鳳九ほうきゅうは心の中で必死に違うと叫んでいるけれど、伝わらない。
姫蘅きこうは戸惑っているが、東華とうかの言葉を否定しない様子だ。
それをみた鳳九ほうきゅう姫蘅きこうの手に噛み付いた。

姫蘅きこうの手からは血が流れている。
「恩を忘れたのか」

東華とうか鳳九ほうきゅうの首をつかむと部屋から追い出した。

鳳九ほうきゅうは、やはり自分は東華とうかにとってただの狐なのかと落ち込んだ。

東華とうか鳳九ほうきゅうがなぜ姫蘅きこうを噛んだのか、その理由を調べもせず姫蘅きこうの肩を持った。
鳳九ほうきゅう東華とうかと距離を置こうかと一瞬思うけれど、誤解に気づいて自分を探しているかもしれないと思い、東華とうかの執務室に戻った。

外から中の様子を見ていると、まだ姫蘅きこうは部屋の中にいて図案を完成させる作業をしている。
分からないところは東華とうかが教え、早く描き終えたら東華とうかが描いた衝立が欲しいという姫蘅きこうの頼みもきいている。

鳳九ほうきゅうが失敗した時や重霖ちょうりんに対して不満がある時は厳しい態度を東華とうかはとるのに、姫蘅きこうには優しく接している。
そんな東華の姿を見たことがなかった鳳九ほうきゅうは、傷ついた表情でその場を去った。

また別の日には、東華とうか姫蘅きこうは陶器を一緒に作っていた。
鳳九ほうきゅうは陶器のことはさっぱりわからない。
姫蘅きこうは陶器に精通している様子だ。

見れば落ち込むだけだとその場を去ろうとした鳳九ほうきゅうは、足がしびれて倒れたところを姫蘅きこうに見つかり、抱きかかえられた。
やっと自分のことを思い出してくれたかと嬉しそうな姫蘅きこうは、鳳九ほうきゅう用のエサ入れを作るため、鳳九ほうきゅうの足跡を陶器につけようとした。

ふいに愛玩物にしかなれない自分に劣等感がつのった鳳九は、私は青丘の尊い神仙なのだ!エサ入れから食べる暮らしではなかったのだ!と叫びをあげて姫蘅きこうの腕の中から逃げ出した。

その際鳳九ほうきゅうの爪が姫蘅きこうの頬を傷つけてしまった。
鳳九は気まずそうにうずくまり、しっぽで顔を隠した。
私のことが嫌いなのかしらと悲しそうな表情を姫蘅きこうは浮かべた。

東華とうか重霖ちょうりん鳳九ほうきゅうを閉じ込めるように指示を出した。
私は悪い狐でしかないのかと鳳九ほうきゅうは落ち込んだ。

東華とうかはどこに閉じ込めるか指示をしなかったので重霖ちょうりんは自分の部屋に鳳九ほうきゅうを連れてきた。

重霖ちょうりんは菓子や果物を持ってきてくれるけれど、鳳九ほうきゅうはどれも食べない。

姫蘅きこうは少しの傷でも血がたくさん出てしまう体質なのだと重霖ちょうりんは教えてくれた。
鳳九ほうきゅうが血が出るほどの傷を2度も負わせてしまったせいで、丹薬がたくさん必要になってしまったそうだ。

鳳九ほうきゅうは駆け出し部屋から出たいそぶりを見せると、重霖ちょうりん東華とうかに見つからないようにと言って部屋から出してくれた。

東華とうか雪獅せっし(ホワイトライオンのような霊獣)に霊芝れいしをあげていた。

雪獅せっし霊芝れいししか食べないから霊芝れいしを与えられるのが当然とはいえ、自分は霊芝れいしをもらったことがなかったと鳳九ほうきゅうはかなしんだ。

東華とうかが去り、鳳九ほうきゅうもその場を去ろうとすると、雪獅せっしに呼び止められた。
雪獅せっしは言葉を話すことができる上位の霊獣だ。

東華とうかが寵愛している霊狐がこれほど貧相だったとは…と嘲る雪獅せっしの言葉に、自分が雪獅せっしと寵愛を争うほど落ちぶれてしまったと鳳九ほうきゅうは落胆した。

立ち去ろうとすると雪獅せっしに回り込まれ、身体をたたきつけられた。

「あんなに優しい姫蘅きこう公主のお顔を傷つけおって!覚悟するがいい」
雪獅せっしは怒りを露わにし鳳九ほうきゅうを攻撃した。
東華とうかにもらったぎょくの首飾りは雪獅せっしに奪われ、薙ぎ払われた鳳九ほうきゅうは池の中にドボンと落ちた。

司命しめいが蓮池で釣りをしていると、大物がかかった。
意気揚々と司命が引き上げると、それはぐったりと意識を失った鳳九ほうきゅうだった。

司命しめいが貴重な丹薬を使い数日世話をすると鳳九ほうきゅうは回復した。
鳳九ほうきゅうは2000年想い続けたけれど諦める時なのだろうかと考えた。

神族の議会では東華とうかの婚姻についてが議題になっていた。
長計すべきという意見や魔族の策略だという意見が出る中、東華とうかは2日後に婚儀を行うと宣言した。

部屋に帰った司命しめい鳳九ほうきゅうに、東華とうかの婚儀が2日後に行われると教えた。
「青丘に帰りますか?」
司命しめいは問いかけた。

「今までの帝君は独り身だったゆえ帝君への思いは美しき執着でした。だが帝君は正室を娶る。もしも思い続ければ、それは忌まわしい執念に変わってしまう。そんな深みにはまれば今後の不幸は目に見えています」
司命しめいの言葉に、青丘の女子は決して自分をおとしめないと鳳九ほうきゅうは答えた。

これが最後と決めた鳳九ほうきゅうは、姿を隠し東華とうかを見に行った。
鳳九ほうきゅうの東屋に東華とうか姫蘅きこう雪獅せっしと一緒にいた。
その光景は詩か絵のように美しかった。

鳳九ほうきゅうが項垂れて帰ろうとすると、近くの木に剣が刺さった。
東華とうか連宋れんそうに頼まれて作った剣だ。

剣を手元に戻した東華とうかは舞い散る仏鈴花ぶつれいかの花びらを剣で斬り、使い勝手を試している。
花びらが剣に触れると花びらは次々と真っ二つに切れていく。

こんなに近くにいるのに、あなたは本当の私を知らない。
きっとこれでいいのね。
鳳九は悲しそうにつぶやいた…。

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感想

ついに姫蘅きこうがやってきました。手柄を横取りしたと鳳九ほうきゅうはケンカ腰になっていましたが、私は姫蘅きこう割と好きです。

そして東華とうか姫蘅きこうが剣の図案を修正したのではないと途中で気付いたのではないかと思いました。剣の図の清書作業をしている姫蘅きこうに、実は私が修正したのではないと告白する機会を与えていたように感じました。そして姫蘅きこうもそう告白しようか迷っていたように見えました。結局はまぐれでできたと答えてしまっていましたが…。

本文に書こうか迷いましたが、雪獅せっしの名前は索榮さくえいです。

後半は切ない回ですが、私は全然希望を捨ててません。むしろ、後半甘々になる布石だろうと思ってます!まだ6回目だし今の段階で失恋したって全然大丈夫です。

今回の最後の部分は美しく花びらが舞う中を東華とうかが剣を振り、切ない片思いの歌が流れるという、まるでPVのような編集になっているので、何度も見返したいと思いました。



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