夢幻の桃花 三生三世枕上書 第53話 婚姻の祝宴

第53話 婚姻の祝宴夢幻の桃花

夢幻の桃花 第53話 あらすじ

鳳九ほうきゅう東華とうか碧海蒼霊へきかいそうれいで二人きりの時間を楽しんでいた。鳳九は舞を踊り、東華は舞に合わせ箜篌くごを弾く。魔界では、緲落びょうらくが決起に日を東華の祝宴の日と定め、聶初寅じょうしょいんと密談していた。葉青緹ようせいていはついに目覚めた。姫蘅は父の鱗を使い東華を呼び出した。婚礼の宴に東華の姿はなかった。東華は姫蘅の毒を自分の体に移した。

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夢幻の桃花 第53話 登場人物

鳳九青丘の姫。東華と結婚の約束をし、両親への挨拶も終えた。
東華最も尊い神仙。
重霖東華の側近。
緲落数万年前、暴虐の限りを尽くし、東華に封印された魔尊。
煦暘現在の魔界を統べる魔君。姫蘅の兄。
姫蘅煦暘の妹。東華の腹心の部下の娘。秋水の毒に冒されている。東華のことが好き。
燕池悟魔族の青(燕)魔君。姫蘅のことが好き。鳳九の親友。
聶初寅魔族の玄魔君。緲落に協力している裏切り者。毛皮愛好家。
謝孤栦幽冥司の冥主。葉青緹を生き返らせるために、鳳九が協力してもらっている。
白奕鳳九の父。

夢幻の桃花 第53話 あらすじ【ネタバレ有】

碧海蒼霊へきかいそうれいには霊鳥たちが遊びに来ていた。
鳳九ほうきゅうは“百鳥の舞”が見たいので、霊鳥に舞わせて欲しいと東華とうかにせがんだ。

「損な取り引きはご免だ。どう礼をする」
「じゃあ私の舞いを見る?あなたの義妹の知鶴ちかくよりずっと上手よ。みんな知らないけどね」

鳳九は一度も百鳥の舞を見たことないので、見せてくれたら自分も舞うと言って東華に甘えた。

小白しょうはく、そなたはよそ者の前では遠慮深く、しおらしくしている。だが本当は甘えるのが好きだ。以前はどことなく自制していた。梵音谷ぼんおんこく阿蘭若あらんじゃくの夢の中でもだ。あの頃と比べると、今のように天真爛漫なほうがよい。それがそなただ。緲落びょうらくは昔、私の心の奥底にはある女子おなごがいると言った。小白しょうはく、私は赤茶色の狐をずっと心に秘めていたのだ。当初男女の情はなかったが、そなたはずっと特別な存在だった』

東華とうかは鳳九に甘えられながら思った。

「ではそなたが先に舞え」
「霊鳥が先に舞うほうがいいわ」

「そなたは私に恩返しをしたかったはず。駆け引きをするなど、誠意はどこへ?」
東華が言うと鳳九は不満そうな顔をしながらも、立ち上がった。

「伴奏がないから少しだけね」
「舞うからには最後まで舞え。私が伴奏をする」

東華は箜篌くごを取り出した。
東華はめったに箜篌くごを弾かないので、鳳九は東華が箜篌くごを弾けることを知らず、感嘆の声をあげた。

「己の夫は多才だと思ったか」
東華は自慢気だ。

「夫…夫ですって?」
鳳九は照れくさそうに目を伏せた。

「あなたが言うと変な感じがする」
鳳九が言うと、東華は拗ねて顔を逸らせた。

「“夫”という言葉が変なのね。やっぱり“帝君”がいい」
鳳九は慌てて付け加えた。

「おいで」
東華に呼ばれ、鳳九は嬉しそうに駆け寄った。

東華は鳳九の頬を両手で挟んだ。

「先ほど私を何と呼んだ」
東華は鳳九の頬をグリグリと動かした。

「帝君と呼んだのよ」
ひょっとこのような顔にされながら鳳九は答えた。

「何だって?」
東華も若干鳳九の表情に似せて聞いた。

「分かった“夫”ね」
鳳九はやっと解放され、舞いはじめた。

小白しょうはく、そなたはもともと妖艶な美女ではない。清純で愛らしい顔だちだ。ようやく気づいたが、その顔だちが今ではあでやかさを帯びている。誘うようなまなざしも私への愛ゆえか』
東華とうかは伴奏をしながら、舞う鳳九をみて考えた。

舞が終わると東華は両手を開いた。

「おいで」
東華は鳳九を呼んだ。

「私は小間使いじゃない。帝君が来ればいいでしょ」
鳳九はその場を動かない。

「来るのだ」
東華はさらに両手を広げた。

鳳九は頬をガードしながら東華に近づいた。

「つねらないでよ」

東華は鳳九を藤の木の下に組み敷いた。

「私は“百鳥の舞”が見たいのに」
「見るほどのものではない」
東華は鳳九を上から見つめた。

「私を見るがよい」
東華は鳳九に口づけた。

碧海蒼霊へきかいそうれいには桃色の藤の花びらが舞っていた。

魔界では、聶初寅じょうしょいんと緲落が密談していた。
「東華が来ぬかぎり私の幻術の結界は露見しない」
緲落は聶初寅に言い、東華が動けない祝宴の間に異変を起こすよう指示した。

聶初寅は次に失敗したら自分の首を差し出すと緲落びょうらくに誓った。

東華は今回の祝宴を盛大に行うため、特別に誂えた青い衣と真珠を鳳九に用意していた。
衣には白い刺繍が全身に施されている。

「夢みたいだわ」
鳳九は東華を見た。

「いつまでもこの夢を一緒に見続けよう」
東華は鳳九の肩に手を置いた。

そこに謝孤栦しゃこしゅうが訪ねてきて、葉青緹ようせいていが目覚めたことを報告した。

修為しゅういを与える頃合いかと。…鳳九様はずっと案じていたので、知らせに参りました。…早く修為を与えれば、葉青緹はその分早く修行を初めて、神仙になれましょう」
謝孤栦しゃこしゅうが言うと、鳳九はすぐに出掛けようとした。

東華は鳳九の腕をつかみ引き止めた。

修為しゅういを与える?そなたの修為を?」

「あの人は私のために死んだの」
鳳九は頷いた。

「ならぬ」
東華が言うと、謝孤栦は空気を読んで帰っていった。

葉青緹ようせいていは私にとって命の恩人だから修為しゅういを半分あげるの」
鳳九は東華に向き合って言った。

「そなたは葉青緹ようせいていに仙体を与えた。恩はすでに返しただろう」
「まだ返し切ってない」
鳳九は、焼きもちを焼いているのかと東華をからかった。

「そなたの修為は多くない。半分も与えたら、将来独りになった時、上神となる試練にどう耐える」
東華は言った。

「私が上神に昇格するとしても数万年後のことよ。ずっと一緒だと言ったのになぜ私が独りになるの?」
鳳九は少し怒っている。

「そうだな。我らは決して離れない」
東華は納得したように頷いた。

「それならば修為は私が与えよう」
「帝君が?それは絶対にだめ。四海八荒しかいはっこう(四方の海と八方の果て)を危険にさらすわ」

「私の修為は多いゆえ少し与えるだけでよい。案ずるな」

「気持ちはありがたいけど、この恩は私が返す。思いに応えられない代わりに命は救うと誓ったの。いつも帝君に助けてもらったら、私は青丘せいきゅうの民に信頼を得られない。…私は今や女帝よ。何でも帝君に頼る女子おなごじゃない」

「分かっている。そなたはすばらしい」
東華は鳳九の鼻筋をすりすり撫でた。

「私こそ、そなたが必要だ」
東華が言うと、鳳九は照れて俯いた。

「それでは祝宴のあと私も同行する」
「そうしましょ」
二人は抱き合った。

東華は鳳九に教わった味付けで、魚の甘酢煮を作っている。
鳳九はその姿を見守りながら、初めて東華とうかと会話した日のことを思い出していた。
初めて会話した場所も厨房だった。

出来上がった甘酢煮の試食をしようとしたとき、重霖が東華とうかを呼びに来た。
東華は婚姻の件だろうと言うと、鳳九の鼻筋を撫で出かけていった。

鳳九が独り味見をしてみると、東華の味は鳳九に近づいていた。

重霖との話を終え東華とうかが厨房に帰ると、鳳九はを汁物を用意していた。

青丘せいきゅうのしきたりだと婚姻の前夜は会えないの。だから滋養になる汁物を作っておいたわ。熱いうちに飲んで」
鳳九は言った。

東華は鳳九を引き寄せた。

「明日から永遠に一緒だ」
東華は笑顔で鳳九を抱きしめた。

「毎日おいしいものを作る。もう二度と離れない」
鳳九は東華の胸の中で誓った。

鳳九が青丘に帰ると、父・白奕はくえきが待っていた。

「婚姻の礼式は全て覚えただろうな」
白奕はくえきは鳳九に確認した。

鳳九は複雑な礼式は極力免除してもらったと答えた。

「たわ言を申すな」
白奕はくえきは声を荒げたが、東華の許可を得ていると鳳九が言うと、怒りを鎮めた。

「九天と青丘とは違う。今後は何事も自重せよ。わがままに振る舞うでないぞ」
白奕はくえきは言った。

鳳九がすぐに立ち去ろうとすると、白奕はくえきは鳳九を呼び止め鳳九の前にやってきた。

「お前は成長し帝君の正室となる」
白奕はくえきは感慨深げに言った。

「父上、婚姻を結ぶだけです。今後も頻繁に青丘へ帰ってきます。帝君の翔雲しょううんの術で九天から一瞬で来られますよ。そんなに悲しまないで」
鳳九は明るく父に声をかけた。

「今や女帝で、じき帝君に嫁ぐのに、子供のようだ」
「帝君に嫁いでも父上の娘です」
鳳九は笑っている。

「もし帝君がお前を裏切ったら…」
白奕はくえきが何か言おうとするのを、鳳九は止めた。

「父上、帝君は裏切ったりしません。ご安心ください」
鳳九は父の手を握って言った。

太晨宮たいしんきゅう

重霖は東華に孟昊もうこうの鱗を届けた。

「どうしても帝君に会いたいと言ってこれを差し出しました」
重霖は言葉を添え、鱗を置くと立ち去った。

姫蘅きこうは白水山で秋水しゅうすいの群れに襲われていた。
東華は姫蘅きこうの前に現れ、秋水を消し去った。

「やはり来てくださいましたね」
姫蘅きこうは全身傷つき、生気のない青白い顔で、息も絶え絶えの様子だ。

「父親の形見だ。しまっておけ」
東華は鱗を姫蘅に返した。

この場所は孟昊もうこうが亡くなった場所だった。

「どうかお願いします。私に機会を下さい。たとえ一生太晨宮の侍女にしかなれなくても構いません。何とぞ父に免じて私をおそばに置いてください」
姫蘅きこうは東華に訴えた。

「臨終の父親からそなたの世話を頼まれたが、私に多くを求める者の面倒は見たくない」
東華は姫蘅きこうを見ずに答えた。

「なるほど。では今、この鱗をもって先生に父との約束を果たしてもらいます。父とのよしみに免じてご承諾ください。あの者と別れて、永遠に妻を取らず、独り身を通すこと」
姫蘅きこうは鱗を掲げて言った。

「娘がこんな真似をするとは孟昊もうこうも思わなかったはず」
東華の言葉に、姫蘅きこうは鱗を落とし、力を失いうずくまり、声をあげて泣き出した。

碧海蒼霊へきかいそうれいでは、鳳九が青い衣に身を包み、祝宴に東華が来るのを待っていた。

もうすぐ刻限なのに、東華はまだ来ない。

重霖は急な用事で遅れていると鳳九に報告した。

もし東華とうかが来なければ、両親が悲しむだろうと鳳九は俯いた。

「招待状を配った時、祝宴としか伝えておらず、どのように祝うかは誰も知りません。普通の宴として皆に酒を振る舞ってもおかしくはなく、青丘の面目も保てます」
重霖は鳳九に進言した。

「確かにそうね。帝君は酒の席を好まず、己の祝賀会にさえ出ない。今日来なくても誤解を招かないわ」
鳳九は重霖に礼を言った。

「帝君は祝宴を重んじていました。たとえ今日来られずとも、鳳九様を軽んじてはいません」
重霖が言うと、鳳九は「帝君を信じる」と言って頷いた。

重霖が去ると、鳳九は落ち着かない様子で俯いた。

祝宴は始まったが、東華は来ない。
鳳九の母は心配して控室にいる鳳九の所にやって来た。
鳳九は急な用事ができたのだろうと言った。

「どういう用事が聞いたの?」

「帝君は私を気遣って厄介事を話しません」
鳳九は重霖がうまくやってくれるので心配しないようにと母を落ち着かせるよう努力した。

「こたびはただの祝宴です。私はもう帝君の正室。虚礼は気にしません」
鳳九が笑顔を見せると、母は落ち着きを取り戻した。

魔界では、燕池悟えんちご煦暘くようが話している。

燕池悟が今日の鳳九の祝宴にいけないと話すと、煦暘は全てが終わったら、友同士一緒に酒を飲み贈り物を送るほうがずっと良いと言った。

「そうだな。そのあと俺は姫蘅きこうと各地を巡る。一件落着したらお前は何をしたい?」
燕池悟は煦暘に聞いた。

「まず聶初寅じょうしょいんを処罰して、魔族の内部の溝を埋める。そして各一族の魔君を選び…」
「面倒だな」

燕池悟えんちごは剣を取り出した。

「悪党どもを始末する。簡単なことじゃないか」
燕池悟は威勢よく剣を振った。

小燕しょうえん、一族の魔君としてしかと覚えておけ。血気に逸らず辛抱しろ」
煦暘くようは燕池悟に言った。

そこに姫蘅きこうを連れて東華とうかが来たと報告が入った。

姫蘅きこうの体中に秋水しゅうすいの毒が回っているのを見て、燕池悟えんちご煦暘くようは心配し駆け寄った。

「私はしつこく絡む者を最も憎む。父親の功労を盾に脅すとはいまいましい。父親とは約束をしたが、どう果たすかは私が決める。そなたの体内の毒を抜き、魔界で安穏に暮らさせる。これで父親への義理は果たした。このあと竜の鱗を消し、そなたのことには一切関わらぬ。二度と顔を見せるな」

東華がいうと、姫蘅きこうの頬に涙が伝った。

東華は煦暘くように姫蘅を魔界から一歩も出さないよう命じた。

碧海蒼霊へきかいそうれいでは、祝宴が終わっても東華が来なかったため、鳳九の両親が訳を聞きにきていた。
鳳九は東華に大事な用ができたのだと言い、後で青丘へ夫婦で謝罪しに行くと話した。

「大切な用とやらは、祝宴をすっぽかして、魔族の姫蘅きこうに絡むことか」
白奕はくえきは怒り顔で鳳九に言った。

鳳九は息を飲んだが、笑顔を浮かべ、姫蘅きこうは東華の力を借り解毒しているのだと説明した。

「帝君は姫蘅の父とのよしみで哀れんでるだけです」
鳳九は言った。

「聞けば今朝、東華は姫蘅を抱え、白水山から出てきて魔界へ赴いた。東華の様子は、ただの哀れみには見えなかったそうだぞ。あの者たちは、昨夜白水山で一夜を共にしたのだ。目下魔界は戒厳令が敷かれ情報が伝わりにくい。恐らくお前の夫が手を回したのだろう。ゆえにこの件を知る者は少ない。もし諸神の耳に入れば、白家の面目は丸潰れだ」

白奕の話を聞きながら、鳳九の顔色はどんどん悪くなっていった。

「実のところ面目にこだわっているのではない。東華の奴はお前を裏切った。それが父親として許せぬのだ」

「父上、母上、帝君に聞いてみます」
鳳九は気持ちを持ち直して両親に言った。

重霖が入ってきた。

「帝君が天地を守ってきたことに免じ、ここで帝君をお待ちください」
重霖は頭を下げた。

「一緒に魔界を訪ねましょう」
鳳九は重霖と出かけることにした。

魔界では、東華が姫蘅きこうの毒を抜き、自分に毒を移していた。

姫蘅から毒が消えたのを見届けた煦暘くようは、緲落が血涙けつるいを狙っていることを報告し、力を貸してほしいと願い出た。

東華は願いを聞き入れ、燕池悟えんちごに鳳九への伝言役を頼んだ。

「詳しく言うな。小白しょうはくを心配させたくない」
東華は燕池悟に言った。

燕池悟は煦暘に託された姫蘅きこうを隠れ家に連れていってから、碧海蒼霊へきかいそうれいに向かうことにした。

「お前は唯一の妹だ。我が赤魔族の承継者を残しておかねばならぬ」
煦暘くようは姫蘅に言い、燕池悟えんちごに巻物を渡した。

燕池悟は姫蘅きこうを連れて隠れ家に向かった。

燕池悟が去ってすぐ、重霖と鳳九は煦暘くようを訪ね、東華が魔界にいるか尋ねた。

「(帝君は)姫蘅きこうを連れてきたあと、血涙けつるいの結界を調べている」
煦暘くようは話した。

「帝君に会ったら、“青丘で待ってる”と伝えて」
鳳九は重霖に伝言を託し、青丘に帰ってしまった。

鳳九が帰ってすぐ、緲落が憑依した聶初寅が高笑いしながら現れた。

「帝君がいらしたぞ。まだ何か企んでいるなら観念しろ」
煦暘くようは聶初寅に言った。

「お前のような腰抜けが魔族を統べれば、衰退の一途をたどる」
聶初寅は魔力を放出し、煦暘は目を見開いた。

東華は血涙けつるいを奪った聶初寅を見つけ、仙術で拘束した。
東華の手首には秋水しゅうすいの毒が回っている。

そこに傷ついた重霖がやってきて煦暘くよう惨死を報告した。

東華は妙義淵に向かった。

燕池悟は無事、姫蘅きこうを隠れ家に連れてきた。

小燕しょうえん、なぜまだ私に優しくするの。私は卑劣な真似をして、帝君に軽蔑された」
姫蘅きこうは自嘲気味に言った。

燕池悟は東華がどう思おうと関係ないと言ったが、姫蘅きこうは首を横に振った。

「私は自分でも嫌悪するような卑しい存在になったわ。なぜなの。こんなふうになるなんて、自分でもおぞましいと思う。私は今や魔族の面汚しよ」
姫蘅きこうは涙を流している。

「姫蘅。俺を見ろ。お前が好きで、ひたすら追っている。俺は恥さらしの軟弱な魔君か?」
「いいえ」

「そうだろ。恋を実らせようと頑張って何が悪いんだ」
燕池悟は力強く言った。

「私はあなたに優しくされる価値などない」

「それは俺が決めることだ。俺は役目を果たしに行く。今から言うことをよく考えてくれ。お前と仏頂面のことは全く気にしない。言っとくが、お前のためなら九天さえぶち壊せる。それくらいお前が好きなんだ。お前が振り返れば俺は必ずいる」

燕池悟は姫蘅きこうの目を見て言った。

「私がこんなに頑迷でも待っててくれるの?」
「数万年も待っている。これからだって待つさ。昔お前はある詩が好きだったよな」

燕池悟えんちごに言われて、姫蘅は昔に思いをはせた。

姫蘅きこうは閩酥と川を見ながら詩を口ずさんでいる。

「“よしは青々と茂り、露は霜となる。我が思い人は川の向こうにあり。流れに逆らえば道は険しくかつ遠し。流れに従えば、思い人は川の中央にあり”ねぇ、どれほど世が移り変わろうと、私のために流れに逆らう者はいるかしら」

姫蘅は閩酥に語り掛けた。姫蘅きこうの問いを、燕池悟えんちごは岩陰から聞いていた。

映像は隠れ家に戻る。

「あの時の答えを今俺がやろう。俺はやり遂げた。お前を追う道は険しくて遠いが、気落ちするたびにお前の笑顔を思い出す。ずっと笑顔でいられるよう、お前を守る」
燕池悟が姫蘅きこうに言うと、姫蘅は泣きながらも笑い、流れた涙をぬぐった。

「ここは安全だ。煦暘くようはお前を愛している。しっかり体を癒やせ。全てが終わったら、会おう」
燕池悟の言葉を聞いた姫蘅きこうは顔色を変え、行こうとする燕池悟えんちごの手を取った。

小燕しょうえん、こたび魔族や兄上やあなたはもしかして…」
「案ずるな。煦暘と俺がいる」

燕池悟は姫蘅きこうの頭に手を置き言った。

小燕しょうえん、約束して。無事に戻ってくると」
姫蘅きこうの言葉を聞き、燕池悟えんちごは役割を果たしに行った…。

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感想

姫蘅がついに燕池悟の思いに応える気になってくれたようです!?

その直前の姫蘅の帝君に対する願いがすごかったですけど。
帝君は軽蔑していたし、私も良く思いついたなと思いました(アイデアがすごい)。
それに思いついても、普通はやらないのではないかと思いましたが、それくらい帝君のことが好きで、思いつめていて、判断力が鈍っていて…ということなのかもしれません。

「私は魔族の面汚しよ」と言う姫蘅に、燕池悟はずっと姫蘅のことを自分も追い続けていると言って慰めていました。燕池悟は汚いことしないから、ちょっと違う気もしますが、姫蘅は慰められたようです。

燕池悟は31話で、鳳九と帝君をくっつけて、姫蘅に帝君を諦めさせようとしたことがありました。その時燕池悟は、鳳九は帝君のことを嫌いだと思っていたので、鳳九が帝君を好きになるよう仕向けたことで自己嫌悪に陥っていました。

あの程度で自己嫌悪になってた燕池悟からしたら、今回の姫蘅のやり方はかなりえげつないような気もしますが、燕池悟は姫蘅の全てを受け入れています。いいヤツ過ぎます。

44話の阿蘭若の夢の中でお祭りに行った時、しんこ細工を買う時、箜篌くごの飴を帝君は選んでいました。
あれは自分が演奏する身近な楽器だったから選んだのかもしれません。
あの時は、箜篌くごって何よ?と調べたのですが、今回出てきて分かりました。小さいハープみたいなのでした。

ひょっとこ顔にされても可愛い鳳九!ただただすごいの一言です。
ほとんどの人が放送禁止顔になると思います。

一級フラグ建築士としての役割を終え、煦暘が旅立ちました。
ここは前向きに、煦暘は閩酥に会いに行ったのだと思うことにします。

今回、帝君がフラグを建設し始めて心配していますが、そこは大丈夫だと信じています。
でも、ネタバレEDに出てくる、首まで秋水の毒に冒されている帝君がそろそろ来そうで怖いです。
秋水の毒は、完全に解毒はできないけど、移すことはできたようです。

最近、永遠の桃花2週目を見終えました。永遠の桃花では鳳九は今7万歳ちょっとのはずなのですが、夢幻の桃花では3万歳ちょっとと年齢が違います。帝君とのことも全部なかったことになっています。

そして「夢幻の桃花~三生三世枕上書」というタイトルを見た時、「夢」「幻」「枕上」という言葉から、これは鳳九が見ている夢の話…?とちょっと怖い想像をしていました。現実ではなくて、夢から覚めたら全部なくなってしまう…的な。

でも、今回鳳九が「夢みたい」と言って、帝君が「いつまでもこの夢を一緒に見続けよう」と言ったことで、夢みたいに幸せな話という意味なのかなと思うようになりました。

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