夢幻の桃花 三生三世枕上書 第43話 夢のほころび

第43話 夢のほころび夢幻の桃花

夢幻の桃花 第43話 あらすじ

陌葉はくよう東華とうかに呼ばれ、代筆の途中で岐南きなん神宮に行ってしまった。鳳九は沈曄しんようと文通をしながら残りの代筆をすることになった。阿蘭若あらんじゃく文恬ぶんてんという名を使って沈曄しんようふみをやり取りしていたようだ。阿蘭若が過ごしたのと同じように時は進んでいく。沈曄が予定通り怒鳴り込んできた。鳳九の対応を見た沈曄は、鳳九に対する疑惑を深めた。

永遠の桃花~三生三世~ DVD-BOX3 [DVD]

価格:15,107円
(2021/1/6 23:23時点)
感想(0件)

夢幻の桃花 第43話 登場人物

鳳九青丘の姫。色々あって阿蘭若の夢に入り、阿蘭若役をしている。
東華最も尊い神仙。鳳九を助けるため阿蘭若の夢に入り、阿蘭若の夫・息澤役をしている。
陌葉阿蘭若の師匠。連宋が鳳九と東華を救出するために派遣した。西海の第二王子。
阿蘭若比翼鳥族の第二公主。蛇に育てられ非業の死を遂げた人物と言われている。
沈曄比翼鳥族の神官長。阿蘭若の夢を作った人物と言われている。
橘諾比翼鳥族の女王。
潔緑比翼鳥族の郡主。
茶茶阿蘭若の侍女。

夢幻の桃花 第43話 あらすじ【ネタバレ有】

鳳九ほうきゅうが食事をしていると、陌葉はくようが慌ててやってきた。

息澤そくたく様の命で岐南きなん神宮に参る」

息澤そくたく様?なぜ?」

陌葉は近くに控えていた茶茶ちゃちゃを退出させ、内々の話を始めた。

「今朝急に帝君に呼ばれて、そなたにこれを届けろと」

渡されたのは沈曄しんように届けるふみだった。

陌葉が阿蘭若あらんじゃくの筆跡を真似て書き写したものだが、時間が足りず筆跡を真似ていないものも混じっている。

「急なお仕えのため残りはそなたが書くのだ。…3日に1通沈曄しんように届けること」

陌葉はくれぐれも慎重にと鳳九に念を押し、岐南きなん神宮に出かけていった。

鳳九は渡された手紙を読んでみた。

“あなたが孟春院もうしゅんいんに移ったと聞きました。挨拶のふみを送ります。思い出の邸宅や庭が住む者もなく荒れ果てて胸を痛めてました。あなたが住むと知り本当にうれしい。余暇の楽しみはお茶と葡萄酒。私が暮らしてた頃は葡萄酒を庭に埋めて熟成させました。波心はしん亭の梅酒も最高の出来栄えです。私は味わえないため、どうぞ召し上がって。独りで寂しい時の慰めになりますように。文恬ぶんてんより”

鳳九はなぜ阿蘭若ではなく文恬ぶんてんなのか、文恬ぶんてんとは誰なのか不思議に思った。

そこに沈曄しんようの世話を任されている男がやってきて、沈曄しんようの様子を報告した。

沈曄しんよう様は籠もりきりで一歩も外に出ず、お食事も進みません。気鬱なご様子です」

「口に合わないのかしら」

「手厚くお迎えするため食事は事前に確認し、好みの味に仕上げています」

「邸宅での暮らしにまだ慣れてないのね。気晴らしに散歩にお連れして」

鳳九は男にふみを託し、送り主は明かさないよう念を押した。

鳳九は他にも文を読んでみた。

「阿蘭若はふさぎ込む沈曄しんようを慰めるために何通も文を送った。きっと沈曄しんようを深く愛してたのね。皆恋をすれば同じだわ。私も帝君を助けるため、毛皮を聶初寅じょうしょいんに貸したわ」

鳳九は呟いた。

沈曄しんようふみを受け取り、「あの者が文を?」と驚いた様子を見せた。

岐南きなん神宮に到着した陌葉は東華とうかに、なぜ夢に入ったのか尋ねた。

「お二方はもしや…」

「皆まで言うな。そのとおりだ私は小白しょうはくを好いている。…今まで失敗を重ねてきたから、もう逃したくないのだ。夢から出るには阿蘭若の一生をやり直す必要があるのだな?」

「実は私も阿蘭若の夢は初めてで、これも私の推測にすぎません」

「ここは非常に危険だ。予測がつかぬ。困ったことに小白しょうはくは阿蘭若の身代わりとなり、元神げんしんに大きな痛手を負った。…小白しょうはくに何が起こるか予測がつかぬ。それゆえ一刻も早く元神げんしんを修復しこの夢を出たい。…そこでそなたに頼みがある。…実はある神器の製作が遅れている。阿蘭若の前世を明らかにし、夢の始まりを知ればここを出られる。ぜひそなたの力を借りたい」

「光栄に存じます」

陌葉は東華の依頼を受けた。

阿蘭若の夢の外では潔緑けつりょく橘諾きつだくに、阿蘭若の夢の秘密を教えて欲しいと頼んでいた。

橘諾きつだくは王族の名誉に関わることだと言って教えようとしない。

「しかしもはや命に関わる事態なのです」

潔緑けつりょく橘諾きつだくを説得しようと、土下座した。

「王家にとって何が重要かよく考えることね」

橘諾きつだく潔緑けつりょくを一瞥し、立ち去った。

阿蘭若の夢の中では、沈曄しんようの世話係の男が、鳳九に沈曄しんようの食欲が回復したことを報告し、沈曄しんようから預かった文恬ぶんてん宛の手紙を渡した。

鳳九は手紙を受け取り読み始めた。

「これは私が文恬ぶんてんの名で沈曄しんように出したの。でもこのことは沈曄しんようには絶対に内緒よ」

鳳九は、世話係の男と側にいた茶茶ちゃちゃに念を押し、用意しておいた沈曄しんよう宛のふみを男に渡し、孟春院もうしゅんいんに所蔵してある書物を沈曄しんように勧めるよう言った。

沈曄しんようからの文を見て、鳳九は文恬ぶんてんというのが実在する人物なのだと気付いた。

2通目の文を受け取った沈曄しんようは、文箱から文を取り出し今日来たものと見比べた。

2通のふみは同じ筆跡で同じ内容だった。

「お前はなぜ霊梳台れいそだいであんな話を?まるで真相を知るかのように。お前は阿蘭若か?」

沈曄しんようは呟いた。

鳳九は、今日渡す予定の阿蘭若の文を見ていた。

それは碁を使った謎解きだった。

阿蘭若は書だけでなく碁にも精通していたようだ。

そこに沈曄しんようからの返信が届いた。

ふみには面白そうな紀行書を見つけたと書かれていた。

茶茶ちゃちゃに聞いてみると、それは阿蘭若の愛読書だそうだ。

『なぜ急に紀行書を?これまで一度もそんな話題はなかったのに。…どうやら沈曄しんようと阿蘭若は共通の趣味があったのね。陌葉の代筆を使い切るわ。いよいよ字の練習をしなくちゃ』

鳳九は考えた。

陌葉は神器の材料を取りにきたついでに鳳九を訪ね、沈曄しんようの様子を聞いた。

鳳九は、沈曄しんよう孟春院もうしゅんいんに籠もっていると報告し、文恬ぶんてんとは何者なのか尋ねた。

文恬ぶんてんは宗学の学者で、昔孟春院もうしゅんいんに住んでいた。本名では沈曄しんように敬遠されると考えて阿蘭若は偽名を使ったんだ」

「偽名のふみなんてやりきれない思いだわ。私なら真実を話してわずかな望みにかける」

「阿蘭若が偽名を使ったのは、これらのふみがただの同情ではないことを沈曄しんように示すためだ。自尊心を傷つけないように」

「思いやりがあるのね」

「本当の送り主を明かすよう私も勧めたが、阿蘭若は沈曄しんようと本物の文恬ぶんてんを会わせた」

「ずっと考えてたのよ。阿蘭若は私より強いし心が広い女子おなごよ。でもあまりに気の毒だわ。一途な愛がまるで伝わらないなんて」

「そうだな」

陌葉はため息をついた。

「でも安心して。阿蘭若に代わって精いっぱい尽くす」

陌葉は鳳九の言葉にうなずいた。

「数日中に沈曄しんようから酒が届くから、これを口実に文恬ぶんてん沈曄しんようを会わせるように」

陌葉は鳳九に指示した。

鳳九がふみを写していると、沈曄しんようからの返信が届いた。

すでに謎を解き終え、新しい謎解きが送られてきている。

「阿蘭若はひそやかで謙虚な愛をあえて胸の内に封印した。私にできるのは、あなたの思いを伝えること」

鳳九は呟き、ふみの代筆に励んだ。

文通はすでに18通になっていた。

「酒も熟成した頃だ」

沈曄しんようは呟き、孟春院もうしゅんいんの庭から酒を掘り起こした。

「阿蘭若よ。お前が教えてくれた酒だ。秋霜しゅうそうを経た果実を地中で熟成させ、焙煎した蚨芥子ふかいしを加え半月置いて香りをつける。封をしてさらに2年。そうとも今こそその時だ」

沈曄しんようは呟いた。

鳳九の所に酒と文が届けられた。

鳳九は言われた通り、文恬ぶんてんを招く手配をした。

『最近退屈で死にそうだわ。帝君は元気かしら』

鳳九は思い、「しまった!」と叫び蜂蜜を買いに出かけた。

鳳九が戻ると文恬ぶんてんが来ていた。

鳳九は複雑な事情から、文恬ぶんてんの名を借りて沈曄しんようと文通していたことを話した。

「公主の優しさに敬服します」

文恬ぶんてんは好意的な様子だ。

「最近は多忙で返事が滞りがちなのです。そこで先生に沈曄しんようとの文通を続けていただきたいの」

鳳九は文恬ぶんてんに依頼した。

文恬ぶんてんは引き受け、鳳九は内容の参考にと、これまでの文の写しを渡した。

「1つだけご注意ください。念のため私の筆跡を真似てほしいのです」

「お安い御用です」

二人は共に食事をした。

文恬ぶんてんが帰ると、鳳九は狐の飴細工を作った。

帝君に10個、陌葉に5個、酒のお返しに沈曄しんように5個、出来上がった飴細工を届けさせることにした。

茶茶ちゃちゃ岐南きなん神宮に飴細工を届けた。

陌葉は5個と東華より少なく、落胆している。

東華は陌葉の飴細工を全て奪い「帝君あんまりだ。けちすぎる」と陌葉になじられた。

鳳九は庭の木を枕にし、沈曄しんようから届いた酒を飲んでいた。

折顔せつがんの酒には及ばないわね。でも青丘を離れてから、こんなにおいしいお酒は初めて」

鳳九は呟いた。

そこに沈曄しんようが来て、酒のことを訪ねた。

鳳九が少し慌てていると、ちょうど文恬ぶんてんも来たため、鳳九は文恬ぶんてん沈曄しんように紹介した。

後日、沈曄しんようの世話係の男から、沈曄しんよう文恬ぶんてんの文通は上手く行っていることが報告された。

二人は贈り物をしあったり、一緒に碁を打ったりしているそうだ。

『愛する相手を譲り渡すのね。阿蘭若が素直に思いを告げたなら、沈曄しんようとの運命は変わるのかしら』

鳳九は考え、「計画変更よ」と呟き微笑んだ。

沈曄しんよう孟春院もうしゅんいんの庭の木に刻まれた阿蘭若の詩を読んでいる。

“月は輝き風は林を渡る。酒で全てを忘れよう。明日からはお前とは永遠の別れ。 相里阿蘭若しょうりあらんじゃく

沈曄しんようは阿蘭若の名が刻まれた木に指先でふれた。

鳳九がクルミを割って食べていると、突然沈曄しんようが怒鳴り込んで来た。

ふみの主はお前か。よくもだましたな。満足か」

沈曄しんようは鳳九の前に、今までのふみを投げつけた。

「なぜ私だと分かったの?」

言ってから鳳九は、『ばか!大失敗だわ。認めてしまうなんて』と後悔した。

「私からの心尽くしの返信を読み、いつか傷つく日を待ち望んでいたのか」

沈曄しんようは怒っている。

「ごめんなさい他意はないの。お茶でも飲んでゆっくり話しましょう」

鳳九は湯呑を差し出した。

沈曄しんようはそっぽを向いている。

鳳九は開き直って話し始めた。

「あなた誤解してるわ。私が楽しんでるなんて」

沈曄しんようは驚いた様子で鳳九を見た。

「私が悪かった。ふみはおしまいよ」

鳳九が言うと、沈曄しんようは何度か首を横に振って部屋から出ていった。

沈曄しんようは阿蘭若の詩が刻まれた木の根元で酒を飲んでいる。

霊梳台れいそだいでの話は、これまでと全く違っていた。先ほどの態度は別の者のようだ。阿蘭若が飴を作っただと?受け取った記憶がない。一体どういうことだ。…この夢ではすべてが変化を止めるはず。それなのにお前は変わった」

沈曄しんようは、いつも阿蘭若を映すために使っているランプを胸に抱き、泣いている。

鳳九は寝台に横になり、眠れぬ夜を過ごしていた。

「全てを知る沈曄しんようがなぜ怒るの?薄情者には見えないけど、何かが間違ってる。どうせ眠れないし孟春院もうしゅんいんに行ってみよう」

鳳九は起き上がり、邸宅から出ようとした。

すると鳥の囀る声が聞こえてくる。

「こんな夜中に鳥の声?」

鳳九が扉を開けると、そこには花冠を手に持った東華とうかがいた。

東華は仙術で、幻想的な桃色に輝く小鳥をあたりに飛ばした。

小鳥が羽ばたくと、桃色の花びらが舞い落ち、桃色の絨毯が出来上がった…。

感想

沈曄しんようは阿蘭若の正体を怪しみつつも、全く同じふみが来ていることから阿蘭若だと思っているようです(?)。

沈曄しんようは全てを知った上で、当時の自分の行動を踏襲していると思われるので、今回と同じように阿蘭若の所に怒鳴り込んだのでしょう。

阿蘭若は沈曄しんようを愛し、尽くしていた。

伝わらない愛。

阿蘭若が鳳九の影なら、沈曄しんよう耘荘仙翁うんそうせんおうが緲落を威嚇するために行かせた帝君の影。

これはあれですか?

太晨宮で狐をしていた頃の鳳九と帝君の焼き直しが、梵音谷で200年前にあったということですか?

そして阿蘭若が死んでから阿蘭若の気持ちを知った沈曄しんようは、後悔して阿蘭若の夢を作ったのですか?まだまだ謎です。

最初、梵音谷に落ちた鳳九と燕池悟が女王相里橘諾しょうりきつだくに面会した時は、『おーこれが女王か』とポジティブな印象を受けたのですが、阿蘭若の夢編を見てから橘諾きつだくを見て、潔緑けつりょくとのやり取りを聞くと、なんだか最初とは真逆のネガティブな印象を受けてしまいました。

恐ろしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました