夢幻の桃花 三生三世枕上書 第41話 不吉な赤い印

第41話 不吉な赤い印夢幻の桃花

夢幻の桃花 第41話 あらすじ

鳳九ほうきゅう陌葉はくようから、橘諾きつだくを助けるよう頼まれた。それが阿蘭若あらんじゃくの選択だったからだ。橘諾の刑が執行される日、鳳九は陌葉に教えられた通り刑場に乱入し白虎を封印した。鳳九は深手を負い東華に抱きかかえられた。沈曄は阿蘭若と同じ選択をするものの、言動が異なり、阿蘭若よりも深手を負った目の前の阿蘭若を怪しんだ。

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夢幻の桃花 第41話 登場人物

鳳九青丘の姫だが、色々あって阿蘭若の夢の中で阿蘭若になっている。記憶がほとんどない。
東華最も尊い神仙。鳳九を救うため阿蘭若の夢に入り、阿蘭若の夫・息澤になっている。
陌葉鳳九と東華を救うため、連宋が差し向けた人物。西海の第二皇子で、阿蘭若の師匠。
阿蘭若比翼鳥族の第二公主。蛇に育てられ、非業の死を遂げた人物と言われている。
相里闕阿蘭若が生きていた頃の比翼鳥族の大王。阿蘭若の父。
傾画比翼鳥族の王后。
橘諾比翼鳥族の第一公主。沈曄の婚約者だが師匠の子を身ごもった。
沈曄阿蘭若の夢を作ったと言われている人物。神官長。
緲落魔尊。かつて暴虐の限りを尽くしていたため東華が妙義淵に封印した。

夢幻の桃花 第41話 あらすじ【ネタバレ有】

鳳九ほうきゅう陌葉はくようは話し続けている。
橘諾きつだくを救ってもらう」
陌葉はくようは鳳九に言った。

「“重大事には当時の阿蘭若あらんじゃくと同じ決断をせよ”そう話したのを覚えているな。阿蘭若は刑に処される橘諾きつだくを救った。その時の方法を踏襲してほしい。阿蘭若の夢から出る大事な一歩だ」

「分かったわ。でも阿蘭若あらんじゃくが救った理由を教えて」

「阿蘭若が救おうとしたのは沈曄しんようだった。橘諾きつだくではない。あの日刑場で沈曄しんよう橘諾きつだくを助けた時、阿蘭若は身を挺して沈曄しんようたちを救った。当時の私は不仲だと思っていたが、阿蘭若は沈曄しんようを好いていたと、あとから知った」

沈曄しんようの気持ちは?」

比翼鳥ひよくちょう族は貞操を重んじるゆえ傾画けいがの再婚に沈曄しんようは反対だった。ゆえに相里闕しょうりけつと成した公主たちを嫌った。とりわけ阿蘭若を。公主たちの中で沈曄しんようが認めたのは橘諾だけ」

「その後は?」

「阿蘭若は橘諾きつだくたちを助けたが、大王の命で橘諾きつだくは平民となり都を追われ、沈曄しんようは神職を汚した罰で岐南きなん神宮を追放された。阿蘭若は息澤そくたくの名で奏上し、自分の屋敷で沈曄しんように剣を鍛造させた。…夜華やか様の誕生祝いだと大王を言いくるめたのだ。だが沈曄しんようにその苦労は伝わらなかった。阿蘭若が自分を屋敷で囲っているのは恨みを晴らすためだと考えていた」

「命を助けたのにひどい。愛される価値もない」

「阿蘭若のある言葉を思い出す。“何者でも結ばれる時は心が寄り添い縁と追い風に恵まれる。”残念ながら心は沈曄しんように寄り添えても縁と追い風は味方しなかった」

陌葉はくようは語った。

「そんな扱いによく甘んじられたわね」

「そなたのように割り切れる性格ならよかった。こたびの役目は大ごとゆえ納得いくよう考えよ」

鳳九は頷いた。

傾画けいが相里闕しょうりけつに会いに来ていた。

「どうかお目こぼしを願います」

傾画けいがは夫に願った。

橘諾きつだくは私通のみならず王を欺く大罪を犯した。法では死罪ゆえどうすることもできぬ」

「大王、長年共に過ごしても橘諾きつだくは邪魔なのね?」

「邪魔ならばとうに殺しておる。…二度と橘諾きつだくの許しを乞うな」

相里闕しょうりけつは怒って言い、部屋から出ていった。

陌葉はくようは刑の執行当日の流れを鳳九に説明している。

「執行の日阿蘭若は刑場に飛び入り、刀を握って血を捧げ橘諾きつだくたちを救った」

鳳九は血相を変えた。

「不名誉な罪でも橘諾きつだくは公主だ。刑は史書に記されるゆえ多くの作法がある。刑場は神宮の前の霊梳台れいそだいで血族のみ立ち会う。執行者は3代を超えて続く執行者の家系から選ばれる。…一番のこだわりが刀だ。秘宝白虎刀びゃっことうを使う。白虎刀びゃっことうに罪仙の血を飲ませると双翼の白虎を解き放つ。罪仙の元神げんしんは白虎に呑み込まれ二度と転生できない」

話を聞いた鳳九は、自分にできるだろうかと不安に思っている。

「虎を再び封じ込める方法を教える。そなたの血を与えるのだ。さらに霊力を使い刀の中に封じ戻せばいい」

「私は痛いのが怖い」

何度も血を流さなければならないだろうことを思い、鳳九はうろたえている。

沈曄しんようは刑の執行当日の様子をランプで映し出し確認していた。

双翼の白虎と沈曄しんようは戦っている。

沈曄しんように疲れが出始めた時、赤い衣を着た阿蘭若が弓で白虎を射て助太刀した。

「裏切られたのに救うの?」

阿蘭若は沈曄しんように声をかけた。

「ともに育った従妹だ。救いたいのは当然だ」

「ご立派ね。私を覚えてる?」

阿蘭若は沈曄しんようを見た。

「覚えているよ。相里阿蘭若」

白虎は体勢を立て直し再び二人に襲い掛かってきた。

「白虎の封じ方を知らないようね」

阿蘭若は言い、短刀を取り出すと沈曄しんようの掌と自分の掌を重ね、短刀で傷つけた。

重ねられた二人の掌から血が流れてくる。

「神官の血は汚れを清めるとか。私の血も少しは清めてもらえるかしら」

阿蘭若は白虎刀びゃっことうの場所まで飛び、白虎刀びゃっことうに血を吸わせた。

さらに仙力を込め、白虎刀びゃっことうに白虎を封印した。

「王后が救出の相談にやって来る頃だ」

阿蘭若の映像を見ながら、沈曄しんようは呟いた。

ちょうどそこに傾画けいがが訪ねてきた。

沈曄しんよう傾画けいがと話していると、外を息澤そくたく東華とうか)が歩いていることに沈曄しんようは気づいた。

沈曄しんよう傾画けいがとの話し合いが終わると、息澤そくたくを訪ねた。

「先ほどは何かご用でしたか?」

息澤そくたくは東華に尋ねた。

「他に目的があって来たのであろう」

「ご存じのとおり王后が訪ねてきて橘諾きつだくを救えるかと問われました」

「そなたの許嫁だろう。救うも救わぬも己で決めればよい。私と関係ない。私は休むゆえ帰ってくれ」

東華に言われ帰路についた沈曄しんようは、ランプを取り出し考え始めた。

『夢の中で変化が生じている。阿蘭若は変わり橘諾きつだくの刑も早まった。師匠も以前と違うようだ。橘諾きつだくが刑に処される日に何が起こるのだろうか』

刑の執行当日、鳳九は鶏の血で作った血糊を取り出し陌葉はくように見せた。

自傷しないためにどうしたら良いか考え、編み出した策だ。

「教えてやる。白虎は生き血しか飲まぬうえ、罪仙の一族の血でないと服従もしない」

鳳九の用意した血糊は陌葉に没収された。

橘諾きつだくが刑場に連れてこられ、執行官が橘諾の腕を傷つけ血をとった。

執行官は橘諾きつだくの血を白虎刀びゃっことうに吸わせた。

すると双翼の白虎が現れ橘諾きつだくに襲い掛かった。

沈曄しんようは助けに入った。

沈曄しんようが抑え込んだから私の出番はないわね」

鳳九は笑顔で陌葉はくように話しかけた。

「喜ぶのは早い。始まったばかりでこれからが本番だ。沈曄しんようの一撃で白虎は退いたが、これで終わればただの獣。すぐに力を補って刑の執行に戻ってくる。その時はそなたの出番だ」

鳳九は逃げようとしたが、夢から出るためだと引き止められた。

「大王、量刑を研究した際に書で読みました。元神げんしんが離散する前に罪仙が白虎を刀に封じれば、殺生を嫌う天の恩恵を受けて大罪でも赦免されます。大王は聖明です。この法に従って公主の刑を判断しては?」

沈曄しんようは提案し、大王は受け入れた。

沈曄しんよう橘諾きつだくを連れていこうとすると、再び白虎が襲い掛かって来た。

沈曄しんようは応戦しているが、押されている。

「白虎の正体は邪気で、虎は仮の姿にすぎぬ。ゆえに体の傷は見た目ほど深手ではない。沈曄しんようはかなり消耗している。そなたが救わねば」

陌葉はくようは鳳九に話したが、鳳九は獰猛な白虎を血で封印するなど無理だと言って動こうとしない。

「弱った橘諾きつだくの血では白虎を満足させられぬ。母が同じ阿蘭若なら血も大きく違わぬ。半分の生き血を白虎に飲ませ、沈曄しんようが全霊力を注げば封印できる」

「半分も血を与えたら死んでしまう」

鳳九は迷っていたが、沈曄しんように危機が迫り、ついに弓を引いて白虎を射た。

鳳九は白い衣を着ている。

鳳九は沈曄しんように近づき、「裏切られたのに助けるの?」と声をかけた。

橘諾きつだくは許嫁でともに育った従妹だ。わずかでも望みがあれば救う」

「従妹思いで仲がいいこと。私も従妹なのになぜ嫌うの?」

「違う。嫌ったことはない。一度も」

そこに白虎が力を回復し戻ってきた。

「誠に阿蘭若なのか。阿蘭若なのだな」

沈曄しんようは白虎を避け、鳳九に問いかけた。

鳳九は沈曄しんようと掌を重ね、用意しておいた短剣で掌を傷つけ血をあふれさせた。

「あなたが死ぬことない。まずあの白虎を封印しましょう」

鳳九は沈曄しんように白虎を任せ、白虎刀びゃっことうに自分の血を吸わせた。

白虎は白虎刀びゃっことうに封印された。

鳳九は白虎刀に血を吸わせたまま、おかしな映像を見ていた。

東華と緲落びょうらくが戦っている。

東華は緲落の胸を刺し、赤い血が2粒緲落びょうらくの胸から落ちた。

その血の1粒が青丘で妊娠中の女性の腹に入り、棺の中で眠っている鳳九の鳳羽花ほううかが光っている。

妙義淵みょうぎえんに封印されている緲落びょうらくは高笑いをしている。

東華とうかよ。かつてお前と戦った時私は元神げんしんの赤い印を残した。それが阿蘭若の夢の中に現れるとは。天が私に味方した。…この結界を破るのは赤い印を取り戻した時だ」

緲落は化身を作り出した。

鳳九は意識を失い東華とうかに抱き止められた。

橘諾きつだくは死罪を免じられたが、平民に落とされた。

沈曄しんようは刑場を乱した罰として岐南きなん神宮から追放され、平民に落とされた。

阿蘭若は一月俸給を止められた。

鳳九は立っていることもできないほど消耗していたが意識を取り戻し、予定通り沈曄しんように剣を鍛造させる旨申し出た。

沈曄しんようは阿蘭若の屋敷で剣を鍛造し、完成次第都を離れることになった。

陌葉はくようは東華に支えられている鳳九の様子を見に来た。

「成功したわ感謝してよね」

鳳九は一言言って再び意識を失った。

東華は鳳九に、小瓶に分けておいた自分の血を飲ませている。

沈曄しんようは鳳九の様子を遠くから見ている。

阿蘭若あらんじゃくでなければなぜ同じ選択をしたのだ。しかし阿蘭若ならこれほどの深手は負わぬ。師匠の様子も妙だ。刑の執行を見に来たことはない』

沈曄しんようは考えている。

「何か異変が?」

鳳九の消耗しきった様子を見て陌葉はくようは東華に尋ねた。

「そなたが霊梳台れいそだいに上がらせたのか?」

「阿蘭若の選択です」

「だが小白しょうはくの選択ではない。そなたがやらせた。連れていく」

東華は鳳九を連れて消えた。

緲落びょうらくの化身は、修養中の鳳九の体が入った棺を湖の底から取り出した。

「あまりに長く私の力をお前に預けすぎた。取り出させてもらうぞ」

緲落の化身は言い、鳳九の体を棺から出し力を取り出し始めた。

東華は意識を失った鳳九を連れてその場に駆けつけた。

鳳九を近くの寝かせると、東華とうかは緲落の化身に対峙した。

鳳九の体は東華の仙術で再び棺の中に収められた。

東華は緲落びょうらくの化身と戦い始め、目覚めた鳳九は棺に眠る自分を見つけた。

「額に鳳羽花ほううかがあるわ」

鳳九が棺の中の自分に触れようとすると、鳳羽花ほううかが光り、阿蘭若を演じていた鳳九の体は鳳羽花ほううかに吸い込まれて…?

感想

今回は、痛さの伝わってくる映像が多く、見ていて痛くつらかったのですが、収穫もありました。

それは鳳九の鳳羽花ほううかのことです。

鳳九の鳳羽花ほううかは吉兆だと青丘の人々は喜んでいましたが、どうやら緲落びょうらくの残した元神げんしんのようです。

今回のタイトル「不吉な赤い印」が鳳九の鳳羽花ほううかのことだとは、見る前は全く思いませんでしたので驚きました。

あと、やっぱり師匠と沈曄しんようの言っていることに齟齬があります。

私も阿蘭若の夢編が始まるまでは、阿蘭若と沈曄しんようは引き裂かれた恋人関係だと勝手に想像していました。

沈曄しんようは阿蘭若の夢を作り出したのだし、阿蘭若を愛しているということは所与の事実と思っていいと思います。

しかし師匠は、沈曄しんようは阿蘭若を嫌いだったと言い続けています。

ここから考えられることは…。

沈曄しんようは阿蘭若が生きていた頃は(何か理由があって?)すごく冷たくしていた。阿蘭若が亡くなってから愛していることに気づいて執着し、阿蘭若を生き返らせやり直そうと思った。

②師匠が嘘をついている。師匠は阿蘭若のことを好きだったから、阿蘭若と沈曄しんようが両思いだったと認めたくなくて言っている。

③師匠が嘘をついている。もっと深い理由がある

どれかかなぁと思います。

でも茶茶ちゃちゃも阿蘭若と沈曄しんようは親しくないと言っていて、確か沈曄しんようは阿蘭若のプレゼントを捨てたって言ってました。まだまだ謎が多いです。

分裂していた鳳九が1人に戻りました(?)。

次回が楽しみです!

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