夢幻の桃花 三生三世枕上書 第16話 地下宮殿の秘密

第16話 地下宮殿の秘密夢幻の桃花

あらすじ

疑いの晴れた鳳九ほうきゅうは、夫人の位を授けられ、連日その地位にふさわし贈り物が届けられていた。玄仁げんじんは鳳九を王陵の地下宮殿に連れて行き、承虞国じょうぐこくの宝・霊璧石れいへきせきを見せた。玄仁が霊璧石に触れると霊璧石は淡く光った。歴代の王の中で玄仁にだけ光るそうだ。言われて鳳九が触れると霊璧石は光った。鳳九は成玉せいぎょくから男性を虜にする極意を授けられた。

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夢幻の桃花 第16話 登場人物

鳳九青丘の姫。東華の情劫を修正するため人間界の承虞国大王、玄仁の妻になった。玄仁に愛の苦しみを与えるという役目を負っている。
玄仁修為を回復するために東華が転生した人間界での姿。承虞国大王。
青緹承虞国将軍、葉将軍。鳳九のことを好きになってしまっている?
楚宛記憶を失っている魔族の公主姫蘅。崇安国公主として玄仁に嫁いだ。命の恩人聶初寅のために承虞国の国宝霊璧石を探している。
凌香聶初寅が閩酥の顔に変えて楚宛に付けた侍女。腕が立つ。
楊順もともとは賢太后に仕えていたが、大内官が亡くなり玄仁の側近になった。
成玉天上の神仙で鳳九の親友。色々と親身になって鳳九に協力してくれている。

あらすじ【ネタバレ有】

鳳九ほうきゅうの所には褒美の品が次々と届けられていた。

「余の褒美は気に入ったか?…あまり気に入らぬようだな」
部屋に入ってきた玄仁げんじん鳳九ほうきゅうの様子を見て察した。

「私は山奥で育ったゆえ華美は好みません」

「だが夫人ともなれば、それなりの威厳を持たねば」
玄仁は言うが、贈られた品々は夫人の位にも贅沢すぎるものだった。

「私のためであれば、全部お持ち帰りを」
鳳九はきっぱりと断った。

華美な品が急に部屋に増え息苦しく感じるのだと説明し、「“手を取りて…”」と詩を引用しようとした。
その詩は夜華やか白浅はくせんを喜ばせる詩だが、鳳九ほうきゅうは思い出せない。

すると玄仁げんじんが「“手を取りて共に老いん”」と続けた。

詩から鳳九ほうきゅうの言わんとすることを察した玄仁げんじん鳳九ほうきゅうの望みを聞き入れ、贈った褒美を持ち帰らせた。

玄仁げんじんが自ら調合した香と香炉だけは残し、今後は無理強いはしないと約束した。

楊順ようじゅんは賢太后の所に報告に来ていた。

大王の褒美を断ったという話を聞いた賢太后は、「九夫人は身分は低いけれど卑しくはないようね。善良か狡猾のきっとどちらかよ」といい、楊順に意見を求めた。

「私が思うに九夫人は無邪気で正直です。…それに大王と九夫人は深く思いあっております。…あの二人はまるで…」
楊順が言うと、賢太后は「“神仙を羨むよりも、おしどりを羨む”」と続け、楊順はそのとおりだと同意した。

「この話を聞き少し安心した」
賢太后はほっとした様子だ。

しかし引き続き九夫人を見張り、何かあれば報告するよう楊順に命じた。

青緹せいてい月華宮げっかきゅうの前を通りかかると、鳳九ほうきゅうに話しかけられた。
青緹せいていはこの機会に木芙蓉花膏もくふようかこうを返そうとした。

するとそれより早く、鳳九ほうきゅうは大量の木芙蓉花膏もくふようかこう青緹せいていに贈った。

鳳九ほうきゅうや侍女たちの無実を晴らしてくれたお礼だ。

「傷が無くなった顔を早く私に見せてね」
鳳九ほうきゅうは宮の中に入っていった。

青緹せいていは渡された木芙蓉花膏もくふようかこうを見て、「分かった」と一人呟いた。

「外で葉将軍を待っていたのは、お礼を渡すためだったんですか?」
室内に戻った沐芸もくうん鳳九ほうきゅうに尋ねた。
鳳九ほうきゅうは、月華宮げっかきゅうの名義でお礼をしたから安心してと満足そうな顔をしている。

「よかった。私はてっきり…」
沐芸もくうんは言葉を続けない。

「てっきり何よ?」
鳳九ほうきゅうは尋ねたが、沐芸もくうんはそれ以上言おうとせず逃げてしまった。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうを外に連れ出そうとしていると、楚宛そえんが数日寝込んでいるという報告が入った。
玄仁げんじん鳳九ほうきゅうは一緒にお見舞いに行くことにした。

楚宛そえんの脈を診た太医たいいは、怪訝そうな顔をしている。

「どうした」
玄仁は太医に尋ねた。

「私が愚鈍なせいか、かように奇妙な脈は初めて取りました。…どのような病かこの脈では判断できぬのです。…脈に少しの規律もなくひどく乱れております。何かの中毒も疑われますが、宛婕妤えんしょうよに苦しむ様子がないので、どうも違うようです」

太医たいいには判断できないそうだ。

鳳九ほうきゅう姫蘅きこうは魔族だから脈が違うのだと心の中で思った。

玄仁げんじん太医たいいを責めようした。

「己の体のことは誰よりも分かります。ただの風邪ゆえすぐに治ります」
楚宛そえんは玄仁に大丈夫だととりなした。

鳳九と玄仁はまた見舞いに来ると言って帰っていった。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうが帰った後、凌香りょうこうはあの医者は三流だと言って憤った。

「間違ってないわ。生まれつき脈が異常なの。でも心配ないと聶様は仰せだった」
楚宛は憤る凌香に話した。

話を聞いた凌香りょうこうは納得した様子を見せた。

「今の大王は九夫人だけしか目に入らないようね…寵愛を得て霊璧石れいへきせきを手に入れる策は無理のようだわ」
楚宛そえんは暗い表情を浮かべた。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうを王陵の地下宮殿に連れてきた。
玄仁は地下宮殿の仕掛けを説明し、霊璧石れいへきせき鳳九ほうきゅうに見せた。

鳳九ほうきゅう霊璧石れいへきせきをみて、放つ気が鎖魂玉さこんぎょくによく似ていることを不思議に思った。
鎖魂玉さこんぎょくは粉々に砕け散ったはずだからだ。

「小九、これが国宝の霊璧石だ。…建国の頃、余の祖父が戦で窮地に陥ったが、その時に天から降り祖父を救った。その後祖父はこれを”霊璧石”と名付け護国の宝とした」

玄仁げんじん霊璧石れいへきせきの由来を説明した。

『天から降ったのならきっと鎖魂玉だわ』
鳳九ほうきゅうは考えた。

「賊に奪われぬよう、霊璧石の安置場所は歴代の王しか知らぬ。王を除けばそなたが初めてだ」

「私へのご信頼に感謝します」

玄仁げんじん鎖魂玉さこんぎょくに触れると、淡く光った。

「触れると光るので?」

「いいや。父上が触れても光らなかった。祖父の場合も光らなかったそうだ。だがなぜか余が触れると光るのだ。ゆえに父上は天意だと仰せだった」

『鎖魂玉が持ち主を察知したのね』
鳳九は考えた。

玄仁げんじんに言われ鳳九ほうきゅうも触ってみると、鎖魂玉さこんぎょくが光った。

『変だわ。なぜ私まで?』
鳳九は戸惑っている。

「天意だ。余と共に霊璧石を守るため天がそなたを遣わした」
玄仁は嬉しそうだ。

十悪蓮花境じゅうあくれんげきょうに入った私を覚えてたってこと?ならば姫蘅きこうも覚えてるはず』
鳳九ほうきゅうは思案した。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうを連れてきた目的は地下宮殿の仕掛けの修復と、さらなる改良をするためだった。

とっさの時に地下宮殿が崩壊する仕掛けを、玄仁げんじんは短刀の図を見て閃いていた。

しかし難点があるため鳳九ほうきゅうに相談したいのだそうだ。

楚宛そえん玄仁げんじんを訪ねると玄仁げんじんは不在だった。

凌香りょうこうはとっさに「どこへ行ったのか」と言ってしまい、楊順に叱責を受けた。

帰り道、楚宛は凌香りょうこうに小声で注意した。

「すでに王宮に慣れたくせに軽率すぎる。大王の側近は手ごわいのよ。特に楊内侍は裏の顔があるやも。くれぐれも気をつけて」

「大王がご不在なら九夫人も一緒だろうと思い腹が立ったのです」
凌香は話した。

「そろって不在なのは珍しいことじゃない。お忍びで視察や遊びに出たのかも。私たちは気にすることなく静かに時機を待つの」
楚宛は言った。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうと地下宮殿で作業中、鳳九ほうきゅうに見とれていて手を傷つけてしまった。

「血が出てますよ。あまりに不注意です」
鳳九は玄仁に注意し、手の傷に木芙蓉花膏もくふようかこうをつけ包帯を巻いた。

玄仁は包帯を巻く鳳九を見つめ、鳳九の手を握った。

「叱られたのは初めてだ」

「あまりに驚いて取り乱しました。お許しを」
鳳九は叱責を受けたと思い謝罪した。

「うれしく思う。余は母を知らぬが、誰よりも賢く心優しき女子だったそうだ。そして父上とは心底愛し合っていたとか。残念ながら見られなかったが、きっと母上は父上に対しそなたのように怒ったり案じたりしていたはず。そなたが余を王ではなく夫と思ってくれている証だ」

玄仁は鳳九を見つめ顔を寄せた。

玄仁げんじんの口付けを受けていた。

『宋玄仁は帝君の人間界での姿です。決して帝君ご自身ではないのですよ。しかしあなたは変わらず白鳳九ほうきゅうです』
鳳九の頭に司命のセリフが響いた。

慌てて鳳九ほうきゅう玄仁げんじんから体を離し作業に戻った。

月華宮げっかきゅうに帰った鳳九ほうきゅう霊璧石れいへきせきの絵を描いていると成玉せいぎょくが現れた。

人間の宝になど価値はないと成玉せいぎょくは興味を示さないけれど、鳳九ほうきゅう鎖魂玉さこんぎょくにそっくりなのだと話した。

鎖魂玉さこんぎょくは粉々になったはずなのになぜ、と鳳九ほうきゅうは考え込んだ。

「名高い東華帝君の真似をする者は多い。きっとまがい物だわ」
成玉は言った。

「そうよね。やめた」
鳳九ほうきゅうは納得し、描いていた絵を丸めて捨てた。

周夢渓しゅうむけいが死んだから、情劫の相手になったそうね」
成玉は鳳九に尋ねた。

「そのことで悩んでるの。“得られぬ愛”ってどうすればいい?」

「奥義を授けてあげる。…”虜にして突き放す”がその極意よ。まずは誘惑し、続いて冷たくする。それを繰り返せば成功する」
成玉は得意顔だ。

「大王を拒むだけで今でも十分につらいのよ。誘惑して冷たくするなんて絶対にできない」
鳳九は泣き言をこぼした。

「ただ拒むだけじゃ、いずれ愛されなくなり情劫は失敗する。手に入りそうで入らないものほど男は執着するの」
成玉は鳳九ほうきゅうに教えを授けた。

「そんな扱いをしたら帝君がかわいそうよ」
つい鳳九ほうきゅうは言ってしまった。

「かわいそう?太晨宮でのつらい経験を忘れたの?しかもこれはあくまで劫よ」
成玉は鳳九ほうきゅうに詰め寄った。

「そうよね」
「分かればいい」

連宋れんそう殿下に同じ手を?」
鳳九はニヤリと笑い成玉に聞き返した。

今度は成玉が慌てる番だ。
二人は女同士の会話を楽しんだ。

沐芸もくうんが現れ、成玉せいぎょくは消えた。
沐芸もくうんはまもなく玄仁げんじんが月見に月華宮げっかきゅうにやってくると伝えにきた。

今日は玄仁と鳳九、2人だけの月見の宴だ。

「今夜は満月で、この宮殿は月がよく見える。ゆえに来た。実は“月華宮”と名付けたのは余なのだ」

玄仁げんじんは語った。

「とてもいい名です」
鳳九は微笑んだ。

「そうだ、手の傷は?」

鳳九ほうきゅうは玄仁の指の傷痕に木芙蓉花膏もくふようかこうを塗っている。

玄仁げんじんは少し自分の手を引いた。

すると薬を塗る鳳九ほうきゅうの身体も玄仁に近づく。

玄仁げんじんは徐々に手を自分の方に引き、鳳九ほうきゅうの額に口付けた。

玄仁げんじんが弾く関雎かんしょの曲に合わせて鳳九ほうきゅうはくるくると舞を舞った。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうは寝台にいる。
玄仁げんじん鳳九ほうきゅうの衣装の紐をほどき、はらりと衣が下に落ちた。
二人は口付けを交わした……ところで玄仁は目覚めた。

玄仁げんじんは自分の寝殿にいた。

楊順ようじゅんに聞くと、昨晩泥酔した玄仁げんじんを青緹が送ってきたそうだ。
玄仁げんじんは青緹を呼び出した。

「青緹、そなたが余を送ったのか」
「はい。巡回するついでに酔った大王をお送りしました」

「なぜ泥酔したか覚えていないが、余は何か酔言を?」
「誓って何もございません。楊内侍や私の配下も証言できます」

「聞いてみただけだ。責める気などはない」
玄仁は笑った。

「今日は別件で呼んだのだ」

玄仁げんじん青緹せいていに焼き芋を食べさせた。

青緹せいていは戸惑いつつも一口食べた。

「普通の焼き芋で異味は感じません」
青緹は求められ感想を述べた。

「今までと味に違いは?」
「食べつけぬゆえ分かりません」

「自分で焼いた芋とは?」
「焼いたことがないです」

「ないのか?そうか分かった」
玄仁げんじんはとてもうれしそうな顔をして一人納得している。

「なぜ急に焼き芋の話を?」
青緹は玄仁に尋ねた。

「余は最近焼き芋が好きで、焼き方を研究しているのだ。ゆえに相談したかったが、まったく残念なことだ」
玄仁は全く残念そうな顔をしておらず、嬉しそうに笑い焼き芋を食べている。

「お役に立てず大王を失望させました」
青緹は表情を曇らせた。

「何を言う。余は少しもがっかりしていないぞ」
玄仁は青緹に話した。

鳳九ほうきゅうが地下宮殿の設計図に目を通していると玄仁げんじんが菓子を持ってやってきた。

玄仁げんじんの手作りだというその菓子は無憂糕むゆうこうに似ているけれど、甘みが違う。
玄仁げんじんによれば、百合の花を使い秘密の製法で作ったオリジナルレシピで、百合糕びゃくごうこうと玄仁は名付けたそうだ。

「“無憂”は自分1人が憂いを持たぬこと。だが”百合”は思いあう2人が百年相和することを指す。2人だけの菓子となる。”無憂”より“百合”が美しいと思わぬか?」
玄仁げんじんは鳳九に同意を求めた。

『帝君ってかわいい。私が無憂糕むゆうこうをあげた方に張り合うなんて。その方は帝君ご自身なのに』

鳳九は微笑ましく思った。

仕掛けの図案は完成した。2人は王陵に出かけることにした…。

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感想

今回は、鳳九と玄仁がイチャイチャしていた気がします。

つくづく思いますが、玄仁と帝君、表情や動作が違うだけで全く違う人のようです。帝君は表情も変わらないし動作も一定の落ち着いたリズムを保っています。

帝君は35万歳くらいらしいので、私もそれくらいの時間生きれば、めったなことでは驚かない慌てない境地になっていると思います。なので帝君が無表情で落ち着いているのは当然と言えば当然かもしれません。

それに対して玄仁は表情が変わるし拗ねたり笑ったりします。今回は親指を立ててGOODを表現していました(笑)。鳳九のいうように帝君が可愛いです。

玄仁は歴代の王しか入ったことのない王陵の地下宮殿に鳳九ほうきゅうを連れてきて、霊璧石れいへきせきを見せ、触れさせました。それだけ鳳九ほうきゅうのことを信頼しているということですね。

鳳九ほうきゅう霊璧石れいへきせきに触れたら光りました。鳳九ほうきゅう十悪蓮花境じゅうあくれんげきょうの中に入ったから鎖魂玉さこんぎょくが覚えているのだろうと考えていましたが、帝君と鳳九の縁が変わり、縁がつながったから光ったとかだったらいいなぁと思いました。

成玉は帝君を目の敵にしている様子です。天上での宴の時も帝君に嫌味を言っていたし、帝君の話が出ると悪態をつきます。今回も鳳九ほうきゅうの口から帝君の話が出たら顔色を変えていました。

これは、あれですね。悪い男につかまってしまった女の子の友達が、相手の男を嫌うパターンですね。

それだけ成玉が鳳九を大切にしているということなのだと思いますが、好きな人のことを悪く言われてうれしい人はあまりいないと思いますので、ほどほどにした方がいいと思いました。この物語の中では大丈夫だと思いますが…。

今回は、これからの展開への布石のような回だったと思うので、これから物語がどうなっていくのか楽しみです!

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