夢幻の桃花 三生三世枕上書 第15話 無実の証明

第15話 無実の証明夢幻の桃花

あらすじ

鳳九ほうきゅうの潔白を証明するために7日間が青緹せいていに与えられていた。青緹や玄仁げんじんが何度尋ねても鳳九は自分の素性や無憂糕むゆうこうのことを話そうとしなかった。当日のことを思い出すよう言われ、鳳九は皿が違っていることに気づいた。青緹は官吏を集め道筋立てて犯人を割り出した。実行犯の宮女・桑児そうじ玄応げんおうに斬り殺された。鳳九は夫人の位を与えられた。

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15話 登場人物

鳳九青丘の姫だが、訳あって人間界の承虞国王の妻になった。大王に毒入り菓子を献上した嫌疑で牢に入れられている。
玄仁東華が修為を回復するために転生した人間界での姿。承虞国大王。
玄応玄仁の兄。弟である玄仁を殺して自分が王になろうとしている。
楚宛記憶を失い人間界にいる魔族の公主姫蘅。聶初寅に助けられた。恩返しをするため承虞国に嫁ぎ、霊璧石を探している。
青緹承虞国将軍。7日間で鳳九の嫌疑を晴らすよう玄仁に命じられている。
成玉鳳九の親友の神仙。鳳九の手助けをしてくれている。

あらすじ【ネタバレ有】

玄仁げんじんは夜中に後宮を散策していて、予期せず通い慣れた月華宮げっかきゅうに来ていた。
にぎやかだった月華宮げっかきゅうも今は暗く、誰もいない。

しばらく歩くと楚宛そえんが月に向かって祈りをささげているのを目にした。
声をかけると、今日は楚宛そえんの母の命日で、母に祈りを捧げていたのだと楚宛は答えた。

楚宛そえんの母の命日と言うことは、楚宛そえんの誕生日でもある。
玄仁げんじんは誕生日を共に祝おうと約束していたのに、近頃多忙で忘れてしまっていたことを詫びた。
楚宛そえんが母のために弾く琴の音を玄仁げんじんは静かに聞いた。

琴の音は牢にいる沐芸もくうん鳳九ほうきゅうにも聞こえた。

『帝君が私を閉じ込めるのは2度目だわ。今回も結末は同じなのかしら』
自分の行く末に鳳九ほうきゅうは思いをはせた。

「大王は、九美人のために尽力なさるはずです。必ず助けてくださいますよね?」
沐芸は鳳九に尋ね、鳳九はうなずいた。

『もし私が刑に処されたら、帝君の情劫は終わることに?』

7日の期限は目前に迫っていたが、青緹せいていは潔白の証拠を得られずにいた。

「証は見つからずとも、私は九美人の潔白を信じます。…もし邪心あらば、とうに大王の命を狙っていたでしょう。あの戦場で大王を救うはずもない」
青緹は主張した。

「動機がないことは余にも分かる」
玄仁は頭を抱えた。

「九美人は善良かつ率直で悪事とは無縁です。ご賢察を」

「潔白を示す証がなければ、小九を守りきれぬ」

「証が見つからぬとしても九美人の潔白は明らか。夫である大王が守らなければ誰が…」
玄仁は青緹を睨み、青緹は言葉を止めた。

「余とて潔白を疑ってはいない。青緹、しかし余は一国の王である。そしてここは市井ではなく王宮だ。余の一存だけで救えぬ。余が欲しいのは潔白の証。それで陰謀を断ち切りたい。無駄話は聞かん」

王の心を知った青緹せいていは必ず潔白の証を見つけ疑惑を晴らすと誓った。

青緹せいていは牢の鳳九ほうきゅうを訪ね、無憂糕むゆうこうの材料や製法を聞いた。
鳳九ほうきゅうは材料に無憂花むゆうげを挙げるが、青緹せいていは聞いたこともない花だ。
そしてそれっきり鳳九ほうきゅうは何も語ろうとしなかった。

「なぜ言わないのだ。王宮に来た目的は?そなたは周夢渓しゅうむけいの素性も語ろうとはしなかった。何も話さなければ、そなたの疑惑を晴らせない」
青緹せいていは説得した。

「帰って」
鳳九ほうきゅうはあきらめた表情で青緹に言った。

「私を信じないなら、そなたを救えん」

『帝君、私は役立たずね。手助けどころか逆に迷惑をかけた』

鳳九ほうきゅうは牢の中で泣いている沐芸もくうんに話しかけた。

「私は葉将軍に素性を話さなかった。私を責める?」

「いいえ。私はずっと九美人と一緒にいたので、お人柄は分かってます。言えない事情がおありなのですね。…ですが7日の期限はもうすぐ来ます。証が見つからなければ私たちは…」
沐芸もくうんは心細そうに下を向いた。

鳳九ほうきゅうは仙力を使って苦しもうと、絶対に沐芸もくうんを死なせないと心の中で誓った。

玄仁げんじんの寝殿に楚宛そえんが桂花入りの甘酒をもってやってきた。

楚宛は玄仁の食欲が近頃低下していると聞いて、やってきたそうだ。

玄仁げんじんが甘酒を飲むと、楚宛そえんは疲れをほぐすと言って玄仁げんじんの肩を揉んだ。
すると玄仁げんじんは眠ってしまった。
甘酒に睡眠薬が入っていたのだ。

楚宛そえん玄仁げんじんが寝ている隙に寝殿内を調べた。
しかし霊璧石れいへきせきはなかった。

王宮内はすべて見て回ったけれど霊璧石れいへきせきはなかった。
楚宛そえんは再度王宮を調べなおすことに決めた。

寝ている間に鳳九ほうきゅうが死ぬ夢を見た玄仁げんじんは、牢へやってきた。

「つらい思いを」
玄仁は鳳九を抱きしめた。

「大王、刑に処される前に会いに来てくれたのですね」

「迎えに来た」
「太后が許してくださったのですか?」

「何もかも話すのだ。母上の前で余が守ってやる」
玄仁は真剣な表情で鳳九を見た。

「私をお疑いに?」
「信じている。だが口を閉ざしていれば救いようがない」

「では何を言えと?」
「そなたの、故郷がどこなのかとの無憂華むゆうげの由来だ」

「言えません」
「言わねば助けられないのだ」
玄仁は鳳九を助けたい一心で言った。

「言えないのです」

「意地を張る時ではない。牢に入れた余を恨んでいるなら、牢を出てから埋め合わせをする。だから何もかも話すのだ」

玄仁は鳳九の肩をつかみ揺すった。

「大王、私がお好きですか?物珍しいからではなく心から好きですか?」
鳳九ほうきゅう玄仁げんじんに聞いた。

「眠れぬほど恋しいのにまだ余を疑うのか」

『私をお好きなら、私が死んだのち濡れぎぬが晴れた時に失った愛のため苦しむでしょう。そうすれば情劫は成功です』
鳳九は考えた。

結局鳳九ほうきゅうは何も答えぬまま。
玄仁げんじんは立ち去った。

「刑に処される?」
天上では、成玉せいぎょく司命しめいから話を聞き、興奮して立ち上がった。

「ご冷静に。鳳九様は帝君と違い人間界でも神仙です。いざとなれば仙術を使い身を守れます」
司命は成玉に言った。

「仙術は身に返るのに能天気なことを」
「能天気?鳳九様は善良ゆえ、救いを得て乗り越えられます」

「もういい。私が助ける」

「お待ちを。話は終わっていません。周夢渓が死んだゆえ今は鳳九様が情劫の相手です。…王宮で怒った異変は全て鳳九様が起因となったもの。ご自分が人間の運命を乱したのだから、ご自分で片をつけるしかない。私たちが助けると局面はさらに混乱し、深刻な事態を招きます」

司命しめいは説明した。

「鳳九が哀れね。私たちでも助けられないなんて」
成玉は肩を落とした。

「でもこのまま黙って見てるの?」

「人間界へ行ったことで、鳳九様もご自身の縁が変わったかもしれない。いずれ運名簿がそれを示してくれたら、その時私が力を貸します。今はまだ早い」

司命は話した。

成玉せいぎょく連宋れんそうとの花見に出かけた。

「ここの蓮の花は心を映すそうだ。八荒はっこうで最も美しい蓮の花だろう。成玉元君のお気に召したかな?」
連宋は成玉に近づいた。

「美しいわ」
成玉は全く感情のこもらない声で、連宋を見もしない。

「約束の花見なのにそんなに不機嫌なら、また日を改めよう」

「男って己のことしか考えてないのね」
成玉は連宋を見た。

「どういう意味だ」

「東華帝君のことよ。自分の劫に他の者まで巻き込んで…。話しても無駄だわ」
成玉は連宋に背を向けた。

「いつも無駄と言うがなぜ分かる?話してみよ」

「何から話せばいいか分からないわ」

「女は皆同じだ。もともと帝君は何も知らなかったし、人間界では記憶も失っている」

「“女は皆同じ”とは?男だって同じよ」
成玉は立ち去った。

牢に青緹せいていがやってきた。
鳳九ほうきゅうはあきらめの境地になっている。

青緹せいていは素性を言えぬなら、せめて当日のことを話すよう鳳九ほうきゅうを促した。
それが鳳九ほうきゅうと侍女を救う最後の道だと青緹せいていが言い、沐芸もくうんもあきらめないでと口添えすると、鳳九ほうきゅうは話し始めた。

そして気づいた。
鳳九ほうきゅうが盛り付けた器と、宴の時の器が違っていたことに。

楚宛そえん玄仁げんじんの執務室を訪ねた。

玄仁は落ち込んでいた。

鳳九の疑いが晴れず、このままでは鳳九を処断しなければならないからだ。

「九美人のことは私も胸が痛みます。しかし何らかの決断を下さねば、太后や死んだ大内官に示しがつきません。そして何より裏に潜む者に対しても」

楚宛は玄仁に言った。

楚宛は玄仁の執務を手伝いながら、折を見て話し始めた。

「ずっと聞きたかったことがあるのです。…承虞国じょうぐこくには国宝があるとか。確か“霊璧石れいへきせき”といいました。建国からずっと国を守ってきたと聞きます。他の玉石ぎょくせきとはどこが違うのでしょう。もし目にすることができれば幸いです」

楚宛は笑顔で話している。

「伝説は話を膨らませたもの。本気にするな。玉石ぎょくせきが好きなら装飾品を作らせよう」

玄仁げんじんは厳しい視線で楚宛を見た。

7日目の期限が来た。
承明殿しょうめいでんには臣下が集まっている。

「無憂糕の件は調べがついたか?」
玄応げんおうは青緹に尋ねた。

「人証と物証を用意しましたので、お目にかけたく思います」
青緹は皆の前で話した。

「そうか、今すぐ見たい。ここへ」
玄仁が言うと、無憂糕むゆうこうを持った兵士と犬を連れた兵士が入ってきた。

「無憂糕は無毒ゆえ、ここで私が食べてみせます」

青緹せいてい玄仁げんじんが止めるのも聞かず、部下が持ってきた無憂糕むゆうこうを切って食べた。

皆固唾を飲んで見守っている。

青緹せいていは無事に生きている。

「なぜ私が無事で大内官は死んだのか。不思議に思うでしょう。種を明かします。同じ無憂糕ですが、違いをご覧ください」

青緹せいていは先ほど食べた無憂糕むゆうこうを今度は兵士に連れられてきた犬に与えた。
犬は絶命した。

「同じ無憂糕を食べた私はこのとおり無事でした。解毒剤も飲んでいません」

「もしや無憂糕の底に毒が?」
玄仁は気付いた。

「そうです。器に触れる部分に毒が付着していました。ゆえに下手人は九美人ではありません。器をすり替えた宮女です」
青緹は説明した。

「葉将軍、証はあるのか?」
臣下から声が上がった。

「あの日、器は床に落ちて割れました。…器の破片を茂みから見つけました。破片に付着していた無憂糕のかけらには烏羽玉の毒が。ゆえに器をすり替えた者が下手人と断定しました」

宮女桑児そうじが連れてこられた。

「各宮殿が独自の器に盛り、御膳房に届けた料理はそのまま提供されます。宛雲宮は青磁の円形で、月華宮は五弁の花形で、当日御膳房でも器を確認していました。だがなぜかその後青磁の器に代わっていた」

「大王、私は何も知りません」
楚宛は慌てて釈明した。

「当初、この者は器のすり替えを否定したものの、月華宮の器の特徴を知りませんでした。疑わしき点が多いゆえ審問するとやっと白状し、罪を認めました」

「なぜ余を殺そうとした?」
玄仁げんじんが問うと、桑児そうじは兵士の剣を奪った。

「お前は王にふさわしくない」
桑児は玄仁に切りかかった。
玄応げんおうは止めに入り、桑児そうじを斬り殺した。

鳳九ほうきゅうは牢から解放された。
辛い思いをさせたと玄仁げんじんは何度も鳳九に謝った。

鳳九ほうきゅうは夫人の位と熙寧宮きねいきゅうを与えられた。
鳳九ほうきゅうは1つだけ玄仁げんじんに願いを言った。
それは月華宮げっかきゅうに住み続けたいということだった。

夫人の位に月華宮げっかきゅうは狭く釣り合わないと玄仁げんじんは言ったが、住まいが変わると眠れなくなると鳳九ほうきゅうが再度願うと許された。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうの両親にも褒美を授けるため国中に布告し捜索させようと言った。
鳳九ほうきゅうは両親は異国を遊歴中なので見つからないだろうし、大王も誹りを受けるかもしれないと言って玄仁げんじんを思いとどまらせた。

青緹せいてい木芙蓉花膏もくふようかこうの香りをかいでいた。
すると机の短刀の図が目に入った。

務めを果たすため、早く忘れようと青緹せいていは自分に言い聞かせた。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうへの褒美の品を選び届けさせるのだった…。

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感想

今回は毒菓子事件の解決編です。

鳳九ほうきゅうには人間界に両親がいないので、暗殺に送り込まれた怪しい奴と疑われても何も言うことができません。なんで無憂糕むゆうこうのことを知りたがるのか最初疑問でしたが、もし無憂糕むゆうこうが例えば崇安国の郷土菓子だったりしたら、鳳九の嫌疑が強まると言うことでしょう。

視聴者の立場だと鳳九ほうきゅうを疑うなんてどういうことよ!と文句を言いたくなりますが、もし私が承虞国の王宮で働いていたら確かに鳳九は怪しいです。

すこぶる腕が立ち武器に精通している美女で大王のお気に入り(身元不詳)。怪しすぎる。スパイにするために誰かが英才教育したとしか思えません。

今回の騒動の下手人である桑児そうじ玄応げんおうに殺されてしまいました。大王を守ると言う体をとっていますが、桑児そうじの口封じをしたことは明白です。

玄応げんおうは悪者のお手本のようなことばかりしていています。玄仁には早く玄応げんおうの悪事を暴いて欲しいです。

青緹せいていは鳳九のことを好きな様子ですが、忘れると決めたようです。このまま何も起こらなければいいのですが…。でも青緹せいていと鳳九の疑いが濃くなった方が情劫を成功させるには都合がいいような…。まだまだ波乱がありそうです!

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