夢幻の桃花 三生三世枕上書 第14話 宮廷の陰謀

第14話 宮廷の陰謀夢幻の桃花

あらすじ

先日倒れてしまった鳳九ほうきゅうは、できるだけ早く人間界を離れようと考えていた。玄仁げんじん鳳九ほうきゅうに焼き芋を差し入れてくれた。焼き芋を食べた鳳九ほうきゅう東華とうかのことを思い出した。玄仁は焼き芋を焼く際火傷してしまったようで、鳳九は玄仁を手当てした。玄仁は鳳九にすっかり夢中だが、青緹と鳳九が親しくしている姿を見てしまい…?

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第14話 登場人物

鳳九青丘の姫。東華の情劫を修正するために、人間界で玄仁の妃となった。九美人。
玄仁東華が修為を回復するために転生した人間界での姿。承虞国の大王。
玄応玄仁の兄。玄仁を殺して自分が承虞国王になろうとしている。
沐芸沐風蝶の人間界での姿。鳳九の侍女をしている。
楚宛記憶を失った姫蘅。崇安国の公主として玄仁に嫁いだ。聶初寅のために霊璧石を探している。
凌香聶初寅が閩酥の顔に変えて楚宛に付けた侍女。腕がたつ。
青緹承虞国の将軍。玄仁を戦場で助け義兄弟となった。
賢太后玄仁の義母。

あらすじ【ネタバレ有】

夕餉の皿が並べられている。
鳳九ほうきゅうは仙力の反発で気を失ったことを踏まえ、できるだけ早くここを離れなければと考えていた。

沐芸もくうんは何も食べていない鳳九ほうきゅうを案じ、芋を焼いてきましょうと言って出て行った。

沐芸が部屋から出ると、玄仁がいた。
玄仁は沐芸に静かにするよう示し、人払いして部屋に入っていった。

「ばぜ食べぬ。口に合わぬか?ではこれを食べよ」
玄仁は焼き芋を取り出した。

「余が自ら焼いた。…そなたが焼いた芋と同じ味かな」

鳳九は一口焼き芋を食べて、動きを止めた。

その焼き芋は、十悪蓮花境じゅうあくれんげきょうの中で東華とうかが焼いてくれたのと同じ味だった。

「なぜ泣きそうな顔を?まずいのか」
玄仁は心配になり、焼き芋の匂いを嗅いでいる。

「大王に芋を焼いていただき感動したのです」
鳳九は誤魔化した。

「うまいか?」
「とっても」

「ではあの者と比べたら?」

「誰です?」
鳳九には”あの者”が誰なのか分からない。

「かつてそなたに芋を焼いた者だ。一生に一番の味だとそなたは言っていた。余が焼いた芋は、あの者が焼いた芋と比べてどうだ?」
玄仁は言いにくそうに、少し恥ずかしそうに言った。

「私が何気なく言ったことを覚えておられたのですね」
鳳九は玄仁を見た。

「そなたさえ望めば、余は一生そなたに芋を焼いてやる」
玄仁は鳳九の手を握った。

鳳九ほうきゅう玄仁げんじんの手を見ると、手のひらが赤くなっている。
芋を焼いてやけどしたのだ。

鳳九ほうきゅうは慌てて薬を取りに行った。
玄仁は鳳九の後を追いかけ、鳳九に口づけを仕掛けようとした。
鳳九は顔を逸らし躱した。

鳳九は玄仁げんじんの手に薬を塗り、包帯を巻いた。
そして十悪蓮花境じゅうあくれんげきょうの中で東華とうかが狐の鳳九ほうきゅうに包帯を巻いてくれたことを思い出した。

翌日、気晴らしにと玄仁げんじん鳳九ほうきゅうを外に連れ出した。

玄仁は鳳九を馬に乗せ、鳳九を後ろから抱きしめるように手綱を握った。

『帝君とは、間違った縁しか結べないの?当初私は、ただの霊狐として愛玩され、あなたの胸に抱かれた。今度は、周夢渓しゅうむけいの身代わりとして、再びあなたの胸に抱かれてる』
一緒に馬に乗りながら、鳳九は自分の運命を感じていた。

鳳九ほうきゅうは外に連れて行ってもらったお礼に、無憂糕むゆうこうを作ろうとしていた。
無憂花むゆうげ成玉せいぎょくに以前天上から持ってきてもらったものがある。

玄仁げんじん鳳九ほうきゅうの心が休まるようにとお香を調合していた。

そこに青緹せいていがやってきた。
短刀の制作で分からないところがあるので、九美人に尋ねる許可をもらいに来たのだ。

玄仁げんじんは後から自分も行くと言って、青緹せいていに許可を出した。

青緹せいてい鳳九ほうきゅうを訪ねると、鳳九ほうきゅうはかまどの前で団扇を仰ぎ、火の管理をしていた。
鳳九ほうきゅうは青緹を歓迎し、図案の説明を行った。

青緹せいていが戦いで負った顔の傷はまだ癒えていない。

「この前あげた薬は使った?」
「いいえ。もったいなくて」

「別に高価な薬じゃないし、なくなったらまたあげる。ところでなぜ負傷したの?」

「戦場で大王を守ろうとして敵に傷つけられました。そのあと九美人が現れたのです」

「それで大王との絆が強いのねそうだ。親しい仲なら教えて。大王が好きなお菓子は?」

「大王は普段甘いものを食されないので、存じません」
青緹は言った。

鳳九ほうきゅうは丁度出来上がった無憂糕むゆうこうの試食を青緹に頼んだ。
青緹せいていの手は汚れていたので、鳳九ほうきゅうが食べさせてあげた。

その場面を玄仁げんじんは部屋の入り口から見てしまった。
玄仁げんじんは中に入らず引き返した。

鳳九ほうきゅうはでき上った無憂糕むゆうこうを並べながら、青緹せいていと話している。

「大王は気に入るかしら?」

「美しく上品な菓子ゆえお気に召すはず。…九美人の故郷の名物ですか?」

「そうよ」

「ご実家は関所の近くに?私は関所を守っていたが、見たこともない」
いぶかしんだ青緹せいていに問われ、鳳九ほうきゅうはハッとした。

「実家は関所の近くにあるけど、私は昔から遊歴してたから、いろんな所の名物が故郷の味になったの」
鳳九は笑顔で話した。

鳳九ほうきゅう玄仁げんじん無憂糕むゆうこうを届けに行ったけれど、玄仁げんじん鳳九ほうきゅうを見ようとしない。

玄仁げんじんの様子に気づかず、鳳九は笑顔で無憂糕むゆうこうの説明をしている。
玄仁は菓子の名前に興味を持ち、鳳九ほうきゅうを見て名前の由来を尋ねた。

「私の故郷にある無憂花むゆうげです。花咲く季節になると、花びらが空一面に散り乱れる。それを見れば心が晴れてあらゆる悩みも消えます。大王も召し上がったあと笑顔になれるよう無憂糕むゆうこうをおつくりした次第です」

笑顔で説明する鳳九ほうきゅうを見て、玄仁げんじんも笑顔になり、一緒に食べようと誘った。

「この菓子を食べるのは余が最初か?」
玄仁は鳳九ほうきゅうに尋ねた。

鳳九ほうきゅう東華とうか無憂糕むゆうこうを食べた光景を思い出し、「いいえ」と答えた。

「違うのか。では誰が食べた」
「友です」

「どのような?」
「恩のある友です。普段は寡黙なうえ時には毒舌ですが、天下を案じ勇猛かつ英明です」

鳳九ほうきゅうの答えを聞きながら、玄仁げんじんは先ほど見た青緹せいてい鳳九ほうきゅうの姿を思い浮かべている。
そして食べるのをやめた。

「余のために作ったのなら、出来がどうあれまず最初に余に食べさせよ」
玄仁は鳳九ほうきゅうに退出を命じた。

鳳九ほうきゅうは、玄仁げんじんは変なものでも食べたのだろうかと態度の変化に戸惑いつつも退出した。

「本当に出て行った」
出て行く鳳九ほうきゅうを見た玄仁げんじんは、声をあげ無憂糕むゆうこうを食べた。

「なんとうまい菓子だ。2人で一緒に食べればよかった」
玄仁は後悔するのだった。

玄仁げんじん楚宛そえんに夕食に誘われ宛雲宮えんうんきゅうに出向いた。

楚宛そえん蝴蝶糕こちょうこうという菓子を勧めた。
楚宛の故郷では女子おなごが愛しい殿方のために作る菓子だと言う。

「愛あれば憂いあり愛なくば憂いなし」
玄仁は蝴蝶糕こちょうこうを見て呟いた。

「大王、何か…」
楚宛は戸惑っている。

「何でもない。蝴蝶糕か、奥が深いな。じきに乞巧節きっこうせつだ。太后はお年ゆえ、乞巧節の宴は宛婕妤えんしょうよに任せたい。…分からぬことは太后に尋ねよ」

「太后に尋ねるなど恐れ多い。それより九美人が回復したそうなので、九美人の手を借りたいのですが」
楚宛は玄仁に頼んだ。

「必要ならそうするがよい。…小九しょうきゅうが作る無憂糕は絶品ゆえ献上させよ」

「はい」

玄仁は宛雲宮えんうんきゅうを後にした。

乞巧節きっこうせつ当日、鳳九ほうきゅうは作った無憂糕むゆうこう沐芸もくうん御膳房ごぜんぼうへ運ばせた。
御膳房ごぜんぼうには宴のための料理が集められ、集められた料理は宮女が運ぶ。

楚宛そえん凌香りょうこうに御膳房の様子を見に行かせた。

凌香りょうこう無憂糕むゆうこうに薬をかけようとした。

「凌香、何を?…一体何を企んでるの」
「私は…」
凌香は口ごもった。

「言わないのね。では恨まないで。女官に知らせる」
楚宛そえんはきっぱりと言った。

「これも公主のためです。なぜ告発を?」
凌香は言った。

「私のため?あなたは毒を盛ろうとしたのよ」
「ただの下剤にすぎません」

「ではなぜ無憂糕に下剤を盛ろうとしたの?」

じょう様の計画を進めようにも、九美人の邪魔立てでうまくいきません。そこで九美人の菓子に下剤を盛ろうと。そうすればあの方は罰を受け…」

「おやめ。仮にそんなことをして誰にも気づかれないとでも?私たちの仕業だとばれたら無事では済まないわ」

「ですが…」

「なぜ九美人に無憂糕を作らせたと思う?大王は九美人を寵愛してる。でも乞巧節の宴は私に任せてくれた。ならば私は九美人の力を借りる。宴を滞りなく行えば大王の信頼を得られるでしょ。急いては事を仕損ずるのよ」

楚宛は凌香に言い聞かせた。

「はい。私が間違ってました」

宴の席では賢太后が楚宛そえん鳳九ほうきゅうを褒めた。

無憂糕むゆうこうが運ばれ、玄仁げんじんが食べようとすると、大内官が慣例通り毒見をすると申し出た。

「無憂糕は前にも食べた。構わぬ。さあ」
玄仁は毒見を経ずに食べようとした。

「大王、万一のため、やはりひと口だけ確認させてください」
大内官は再度毒見を申し出た。

「全部食べてはならぬぞ」
玄仁げんじんがおどけて言うと集まった者たちは笑顔を見せ、和やかな雰囲気だ。

1口食べた大内官を玄応げんおうが見ている。

「誠においしゅうございます」
大内官は玄仁げんじん無憂糕むゆうこうの皿を献上しようとした。

大内官は途中で動作を止め、倒れた。
皿は砕け、無憂糕むゆうこうも辺りに転がった。

すぐに太医たいいが呼ばれ、大内官は烏羽玉うばたまの毒で毒死したことが確認された。

太医たいいは食べたものを調べるべきだと進言し、直前に食べた無憂糕むゆうこうがその場で調べられた。

無憂糕むゆうこうから毒が検出された。

「いいえ。ありえないわ」
鳳九は訴えた。

「無憂糕を作れるのは九美人のみ。大王の安全のため九美人を取り調べるべきです」
玄応げんおうは進言した。

「毒など入れてません。無憂糕は御膳房へ届けました」
鳳九は再度訴えた。

「無憂糕は九美人と同じく来歴が分からない。九美人は大王の暗殺をもくろんでいたのでは?」
玄応はあくまで鳳九を疑った。

「濡れぎぬだわ」

「では無憂糕むゆうこうは誰から教わった?」
玄応げんおうに聞かれるが、鳳九ほうきゅうは答えられない。

「素性の知れない者は王宮に置けません」
玄応は言った。

「私は無実です信じてください」
鳳九は玄仁と賢太后の前にひざまずいた。

「玄仁、事は重大ゆえ厳しく取り調べなさい。九美人は最も疑わしい。大王の寵妃とはいえ見過ごせないわ。もし無実なら潔白を示せる」

賢太后は玄仁げんじんに命じた。

玄仁げんじん青緹せいていに命じて鳳九ほうきゅうとその侍女を牢に入れた。

楚宛は凌香と共に宛雲宮に帰った。

「あなたが?」
楚宛は厳しい表情で凌香に問うた。

「いいえ。公主に叱られたあと、御膳房に入ってません」

凌香りょうこうは答えた。

玄仁は青緹と事件について話し合っている。

「もし九美人が大王を殺す気ならば、戦場で救わなかったはずです。私が見るに他の者の仕業かと」
青緹は言った。

「それは百も承知だ。だが大内官は皆の前で無憂糕を食べて死んだ。証がなければ小九の疑いは晴れぬ」

「疑いというならば、御前房の料理人や宮女たちにもあるのでは?」

「問題は毒を盛った者ではない。小九しょうきゅうが下手人だと見なされたことだ。小九の素性は誰一人知らず、本人も家族のことを語ろうとせぬ。私が小九を庇いたくともなすすべがない」

玄仁は話した。

「九美人の素性は不明ですが、他人を害するような方ではありません」

「小九は潔白だと思うのだな」

「しかし嫌疑はあるので調べねばなりません」
青緹は気が進まない様子ながら職務を全うしようとしている。

「よかろう。では徹底的に調べよ。…7日やるゆえこの件を解決せよ。よいか?全ては小九の潔白を示すためだ。証が欲しい。何としても真相を突き止めよ」

玄仁げんじん青緹せいていに命じた。

玄応げんおうは賢太后の所に会いに来ていた。
賢太后は、剛直な人柄の青緹せいていに任せておけば安心だと話している。

「確かに葉将軍は剛直で人におもねりません。しかし大王とは懇意です。その大王は九美人が無罪だと信じきっている。私も案じています。大王は九美人にのめり込んでいるので、やがて天下が脅威にさらされるやも。九美人を王宮に置くことは危険すぎます。こたび大王は無事でしたが、次は分かりません」

玄応げんおうは賢太后に進言した。

「つまり葉将軍は玄仁の意向を受けて九美人を見逃すと?」

「九美人は極めて狡猾なので巧みに言い逃れるでしょう。厳しく罰しなければ…」

「もうよい、分かったわ。この件は私がにらみを利かせる。陰謀を企む者は断じて許さない」
賢太后は厳しい表情で決意した。

牢では沐芸もくうんが鞭で打たれる拷問を受けていた。
鳳九ほうきゅう沐芸もくうんに抱き着き代わりに拷問を受けた。
そこに青緹せいていが現れ、拷問官を止めた。

拷問官は賢太后の意向で来ており、青緹せいていにも怯まなかった。

「私は大王から捜査を任され7日頂いた。…もしや大王に逆らい捜査を妨害しようと?」
青緹せいていが言うと、拷問官はしぶしぶ立ち去った。

「天に誓って無憂糕に毒を盛ってない。葉将軍、どうか無実を証明して」
鳳九ほうきゅう青緹せいていに無実を訴えた。

「安心しろ。真相は必ず明かす。大王も待っておられる」
青緹は鳳九に言った。

「私を信じてる?」

「大王は私に捜査を命じた時、そなたの潔白を示せと。なのにそなたは信じないのか?」
青緹は鳳九に言葉をかけた。

翌日玄仁げんじんの所に賢太后が訪ねてきた。

「玄仁、確たる証があるのに、素性の知れぬ者をまだ信じるの?」

賢太后は玄仁を見た。

「葉青緹に捜査のため7日与えました。まだ1日が過ぎただけです」

玄仁は明るく言った。

「そなたにはこの7日で情を断ってほしい。情のために王としての信条を失わないで」

「小九は善良ゆえ、下手人ではありません」

賢太后は優しすぎる玄仁げんじんは利用されると忠告し、亡くなった大内官に代わる新しい側仕えとして、長年賢太后に仕えていた実直な楊順ようじゅんを推薦した…。

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感想

前半は可愛い感じで始まりましたが、後半は玄応げんおうも登場し不穏な展開です。

玄仁げんじんが自分と東華とうか、どっちが焼き芋を焼くのが上手かと子供っぽく鳳九ほうきゅうに聞いた様子は可愛かったです。

見ている立場だと、鳳九ほうきゅう青緹せいていのことをただの友達としか思っていないのはわかっているのですが(態度が司命しめいに対するのと同じです)、菓子を食べさせてあげるのはダメだろうと思いました。手が汚れていたらお手拭きを渡しましょう。まずいことにその現場を玄仁に見られてしまいました。

鳳九ほうきゅう東華とうかを思って話しているのを青緹せいていのことだと勘違いしている玄仁げんじんの様子は、ちょっとしたコメディで見ていて楽しいのですが、この勘違いは後々絶対に悪い方向に行くと思うので素直に楽しめません。玄仁の切ないです。

楚宛はやっぱり良い子でした。下剤を無憂糕むゆうこうに入れようとする凌香りょうこうを止めていました。それなのに大内官が死んでしまいました。どう考えても玄応げんおう無憂糕むゆうこうに毒を仕込んだのでしょう。

大内官は、先代の王の時から仕えているおじいちゃんで、いつもニコニコしていて声が良く通る方でした。玄仁げんじんに進言もするけれど、それは玄仁げんじんのことを思って言っているという感じです。そんな人が亡くなってしまい残念です。

鳳九ほうきゅうは牢に入れられてしまいました。王の妃なら貴人用の牢に入れられるのかなと思っていたら、そんなことありませんでした。侍女と同じ牢に入れられていました。早く本当の犯人が捕まってほしいです!

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